敬語は「なんとなく使っているけれど、本当に合っているか不安…」という人がとても多い表現です。
とくに 尊敬語・謙譲語・丁寧語 の3種類は、意味の違いが曖昧なまま使っていると、ビジネスや日常会話で思わぬ失礼につながることもあります。
本記事では、敬語の基本となる3種類の特徴や使い分け、よく使う動詞の変換一覧、ビジネスで使える例文まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
「どの敬語を使えばいいの?」と迷わないための 完全保存版ガイド です。今日から正しい敬語が自然に使えるようになる内容をまとめました。
まず押さえたい!敬語の3種類とは?
敬語は「難しい」「ややこしい」と思われがちですが、実は たった3つの種類 を理解すれば一気に使いやすくなります。
その3種類とは、
・尊敬語 ・謙譲語 ・丁寧語 の3つ。
これらは「誰を立てるのか」「誰に敬意を向けるのか」で使い分けが決まります。
まずはそれぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
①尊敬語|相手を立てるときに使う敬語
尊敬語は 相手の動作を高めて表現する敬語 です。
ビジネスでも日常でも「目上の人」「お客様」に対して使うことが基本です。
▷尊敬語の特徴
- 主語は 相手
- 相手の行動を高めて表現する
- 「会社の上司」「取引先」「お客様」への対応で多用される
▷よく使う尊敬語の例
| 普通の言い方 | 尊敬語 |
|---|---|
| 言う | おっしゃる |
| 行く・来る | いらっしゃる・お越しになる |
| 見る | ご覧になる |
| する | なさる |
| 食べる・飲む | 召し上がる |
▷尊敬語の例文
- 社長が おっしゃった 内容を共有します。
- 部長は会議室に いらっしゃいます。
- ご説明を ご覧ください。
👉 ポイント
尊敬語は「相手の行動」を高めるため、
自分や自分側の人間には使わない のが鉄則です。
②謙譲語|自分がへりくだることで相手を立てる敬語
謙譲語は、尊敬語とは逆に
自分の行動を低めることで、相手を立てる敬語 です。
▷謙譲語の特徴
- 主語は 自分(自分側)
- 自分がへりくだることで相手への敬意を示す
- ビジネスメールや接客、訪問などで頻繁に登場
▷よく使う謙譲語の例
| 普通の言い方 | 謙譲語 |
|---|---|
| 言う | 申し上げる |
| 行く・来る | 伺う・参る |
| 見る | 拝見する |
| 聞く | 伺う |
| 会う | お目にかかる |
▷謙譲語の例文
- 資料についてご説明 申し上げます。
- 明日、御社へ 伺います。
- メールを 拝見しました。
👉 ポイント
謙譲語は、自分が「下げる」ことで相手を自然に敬う表現。
ビジネスシーンでは欠かせない敬語です。
③丁寧語|文を丁寧に整える基本の敬語
丁寧語は、尊敬語や謙譲語と違い
誰を立てるかではなく、文全体を丁寧にする敬語 です。
▷丁寧語の特徴
- 主語には関係なく使える
- 「です」「ます」を使う基本の敬語
- もっとも日常的で会話でもメールでも幅広く使える
▷丁寧語の代表例
- 〜です
- 〜ます
- 〜でございます
- お+名詞(お水・お料理 など)
▷丁寧語の例文
- 明日は出社いたし ます。
- こちらがご案内の資料で ございます。
- お飲み物をこちらに置き ます ね。
👉 ポイント
丁寧語は、“丁寧に話すモード” を作る基本の敬語。
尊敬語や謙譲語と 併用できる のも特徴です。
▼まとめ
3種類の敬語を理解すると、「誰に敬意を向ければいいのか」がわかり、
尊敬語=相手/謙譲語=自分/丁寧語=文全体
という構図がはっきり整理できます。
次の章では、これら3種類をより明確に比較して
実際にどう使い分けるのか を表で詳しく解説します。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いを表でわかりやすく比較

敬語が混乱しやすい最大の理由は、
どの動作に、誰に対する敬意が含まれているのか が分かりにくいためです。
まずは、3つの敬語の違いを一目で理解できるように表で整理しましょう。
▼尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いが一目でわかる比較表
| 敬語の種類 | 主語 | 敬意を向ける相手 | 目的 | 例 | よく使うシーン |
|---|---|---|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手 | 相手へ敬意を示す | 相手を立てる | 「おっしゃる」「いらっしゃる」 | 上司・取引先・客 |
| 謙譲語 | 自分(自分側) | 相手へ敬意を示す | 自分を下げて相手を立てる | 「申し上げる」「伺う」 | ビジネスメール・訪問 |
| 丁寧語 | 誰でも使える | 聞き手へ・文章全体へ | 文を丁寧にする | 「です」「ます」「ございます」 | 会話全般・接客・説明 |
👉 ポイント
- 尊敬語と謙譲語は 敬意の対象が特定されている
- 丁寧語は 誰に対しても使えるベースの敬語
3つをこうして比べると、使い分けの軸が一気に理解しやすくなります。
誰を主語にするかで敬語は決まる
敬語の種類を決める最もわかりやすい基準が
「その動作の主語は誰か?」 です。
● 主語が「相手」の場合
→ 尊敬語
例:
- 部長が いらっしゃる
- 社長が ご覧になる
相手の行動を高めて表現するため、尊敬語になります。
● 主語が「自分(自分側)」の場合
→ 謙譲語
例:
- 私が 伺います
- 私が ご説明申し上げます
自分を下げることで相手を立てる、これが謙譲語です。
● 主語が「誰でも」OK
→ 丁寧語
「です・ます」は主語に関係なく使えるため、
文章全体を丁寧にする ベース敬語 として機能します。
▼この一文で覚えると楽
相手が主語 → 尊敬語
自分が主語 → 謙譲語
主語関係なく丁寧に → 丁寧語
敬語の迷いの9割は、この判断軸で解消できます。
使い分けのポイントは「敬意の方向」
敬語の種類は 敬意をどの方向に向けるか で決まります。
● 尊敬語 → 敬意の方向は「相手へ」
相手の行動に敬意を示し、相手を高める目的。
例:
- 専務が おっしゃった 内容
- お客様が いらっしゃる 時間
→ 敬意は常に 相手方向。
● 謙譲語 → 敬意の方向は「自分から相手へ」
自分がへりくだることで相手を立てる敬語。
例:
- 私が資料を お渡しします
- 私が説明を 申し上げます
→ 敬意は 自分 → 相手 の方向へ流れる。
● 丁寧語 → 敬意は「全体を整える」方向
「です・ます」によって話し方を柔らかくするため、
敬意の方向というより 文のトーンを整える役割。
例:
- こちらが資料で ございます
- 本日はご来店ありがとうござい ます
→ 会話を丁寧に、好印象にする効果。
▼まとめ
敬語はややこしいように見えて、
主語と敬意の方向 がわかれば正しい使い分けが簡単になります。
次の章では、3つの敬語の中でも特に間違えやすい
尊敬語の動詞変換・よく使う例文 をさらに詳しく解説します。
尊敬語の意味と使い方|よく使う動詞の変換一覧

尊敬語は、相手の動作を高めて表現することで、相手への敬意を表す敬語です。
上司・取引先・お客様など、目上の人の行動を述べるときに使われます。
尊敬語の基本は、
「相手が主語の動作を、より丁寧で格調高い言い方に変換すること」。
代表的な動詞の尊敬語を覚えると、ビジネスでも日常でも自然に使いこなせるようになります。
「言う → おっしゃる」「行く → いらっしゃる」など主要動詞まとめ
まずは、頻出する動詞の尊敬語変換を一覧で整理します。
ここを押さえるだけで、尊敬語の基礎は確実に身につきます。
▼よく使う尊敬語の動詞変換一覧(保存版)
| 基本の動詞 | 尊敬語 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 最も頻出。「仰る」とも書く |
| 行く / 来る / いる | いらっしゃる・お越しになる | あらゆる場面で使える万能尊敬語 |
| する | なさる | メールや会話で非常に多い |
| 見る | ご覧になる | 「見られる」は誤用に注意 |
| 食べる / 飲む | 召し上がる | 食事の場面で必須 |
| 知っている | ご存じだ | 「ご存知です」は丁寧語+尊敬語 |
| 思う | お思いになる | 感想を伺う場面で使用 |
| くれる | くださる | 丁寧な感謝表現で必須 |
| 寝る | お休みになる | 社内でも日常でも使われる |
| 見せる | お見せになる | “お〜になる” 型の尊敬語 |
| 読む | お読みになる | 文書の確認依頼に便利 |
| 会う | お会いになる | 主語(相手)が会うときに使用 |
| 持つ | お持ちになる | 「持たれる」は誤用 |
▼「お〜になる」型を覚えると応用が効く
尊敬語の多くは、
「お+動詞の連用形+になる」
で作れるのが特徴です。
例:
- お書きになる
- お持ちになる
- お読みになる
このパターンを覚えると、どんな動作でも尊敬語に変換できるため便利です。
日常・ビジネスで使う尊敬語の例文
尊敬語は、どの場面でどのように使うかを例文で理解すると、圧倒的に習得が早くなります。
ここでは ビジネス・日常でよく使うリアルな例文 をまとめました。
▼ビジネスシーンでの尊敬語の例文
● 部長は、明日の会議に いらっしゃいます。
● 社長が おっしゃった 内容を資料にまとめました。
● お客様が会議室に お越しになりました。
● 担当者様にメールをご確認 いただけます でしょうか。
● 先ほどお送りした資料を ご覧になりました か?
● 山田様は本日、外出して いらっしゃいます。
▼日常会話での尊敬語の例文
● お父さまは今、お出かけに なっています か?
● 先生はこの本を お読みになりました か?
● 祖母はもうお休みに なりました。
● お客様はその商品をどのように お考えです か?
● 先ほどの件、母がとても喜んで おりました。
▼使うと丁寧に聞こえる“ワンランク上”の尊敬語例文
● こちらの資料について、社長にお目通し いただけますか。
● ご都合のよい日時を お知らせいただければ 幸いです。
● ご検討 くださいますよう お願い申し上げます。
▼まとめ
尊敬語は「相手の行動を高めるための敬語」であり、
“主語=相手” のときだけ使う のが正しいポイントです。
主要な動詞の変換と、よく使う例文を押さえておくことで、
ビジネスでも日常でも自然に使えるようになります。
次の章では、尊敬語とは対照的な 謙譲語の使い方と動詞パターン を詳しく解説します。
謙譲語の意味と使い方|よく使う動詞の変換一覧

謙譲語とは、自分(自分側)の行動をへりくだって表現し、相手を立てる敬語 のことです。
尊敬語とは反対で、
主語が「自分」のときに使う敬語 が謙譲語です。
ビジネスメール・電話・来客対応など、社会人が最も頻繁に使う敬語でもあります。
まずは、日常的に多用する動詞の謙譲語変換を一覧で確認しましょう。
▼よく使う謙譲語の動詞変換一覧
| 基本の動詞 | 謙譲語 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 言う | 申し上げる/お伝えする | 最も使用頻度が高い |
| 行く/来る | 伺う/参る | 訪問・来社時の必須表現 |
| 聞く | 伺う/お聞きする | 相手に質問するときに使う |
| 見る | 拝見する | 「見させてもらう」は避ける |
| 会う | お目にかかる | 初対面・挨拶メールで多用 |
| する | いたす | 丁寧語と併用しやすい |
| 知る | 存じ上げる/存じる | 自分側に使う点が重要 |
| 見せる | お見せする | “お〜する” 型で作れる |
| 思う | 存じます | 挨拶・返信でよく使う |
| 手伝う | お手伝いする | “お〜する” の汎用パターン |
| 聞いてもらう | お聞き届けいただく | フォーマルな文書向け |
▼「お(ご)〜する」でほぼ作れる
謙譲語の多くは、
「お(ご)+動詞の連用形+する」
で作ることができます。
例:
- お渡しする
- ご説明する(※正しくは「ご説明いたします」がより丁寧)
- お送りする
この型を覚えると、自然に正しい謙譲語が使えるようになります。
「言う → 申し上げる」「行く → 伺う」などの代表例
謙譲語の中でも特に使用頻度が高い代表動詞をまとめます。
これらをマスターすると、ビジネスの敬語が一気にラクになります。
▼代表的な謙譲語の変換(最重要)
● 言う → 申し上げる
例:
- ご報告 申し上げます。
- 心よりお礼を 申し上げます。
● 行く → 伺う
※来社・訪問で必須
例:
- 明日、御社に 伺います。
- ご自宅まで 伺ってもよろしいでしょうか。
● 来る → 参る
※自分が来る側の場合
例:
- ただいま 参りました。
- 13時に再度 参ります。
● 聞く → 伺う
※質問するときの謙譲語
例:
- 一点 伺いたい ことがございます。
- 詳細を 伺えます でしょうか?
● 見る → 拝見する
例:
- 資料を 拝見しました。
- ご提案内容を 拝見いたします。
● 会う → お目にかかる
例:
- お目にかかれて光栄です。
- 来週お目にかかれれば幸いです。
● する → いたす
例:
- 私が担当 いたします。
- こちらで対応 いたします。
メール・会話で使いやすい謙譲語の例文
ここでは、実務でそのまま使える“本当に使う例文” に特化して紹介します。
▼ビジネスメールで使う謙譲語の例文
● ご連絡が遅くなりましたことをお詫び 申し上げます。
● 添付資料をご確認 いただけます と幸いです。
● 会議について一つ 伺いたい 点がございます。
● ご指摘いただいた部分を修正 いたしました。
● 明日、改めて御社へ 伺います。
▼対面・電話で使う謙譲語の例文
● 私が担当させて いただきます。
● では後ほどこちらからお電話 いたします。
● 本日はお時間を頂戴し、誠にありがとう ございます。
● ご都合の良いお時間を 伺えます でしょうか。
● 先ほどの資料、確かに 拝見しました。
▼丁寧に聞こえる“ワンランク上”の謙譲語例文
● ご説明が不足しており、申し訳なく存じ ます。
● ご期待に添えるよう尽力 いたします。
● 今回の件につきまして重ねて感謝 申し上げます。
▼まとめ
謙譲語は
「自分を下げて相手を立てる敬語」 であり、
主語が自分のときに使います。
「申し上げる」「伺う」「拝見する」など主要動詞を押さえると、
メール・会話の印象が確実にアップします。
次の章では、敬語の中でも最も日常的に使われる 丁寧語の役割と使い方 を詳しく解説します。
丁寧語の使い方|語尾で印象が変わる基本の敬語

丁寧語は、もっとも日常で使われる“基本の敬語”。
文末を「です・ます」で整えるだけで丁寧な印象をつくれますが、語尾の選び方次第で、相手への距離感や印象が大きく変わります。まずは丁寧語の特徴と使い方を押さえましょう。
「です・ます」以外にもある丁寧語の種類
丁寧語は「です・ます」だけではありません。実は以下の3種類があります。
① 丁寧語(文を丁寧にする語尾)
もっとも一般的な形式。
- 「〜です」
- 「〜ます」
- 「〜ございます」
例:
「こちらが資料です。」
「確認いたします。」
「問題ございません。」
② 丁寧語(丁寧な言い換え語彙)
語彙そのものが丁寧なものに変わるパターン。
- 「これ → こちら」
- 「あれ → あちら」
- 「どれ → どちら」
- 「いい → よろしい」
例:
「お席はこちらです。」
「よろしければご確認ください。」
③ 美化語(言葉を上品に見せる丁寧語)
ものに“お”や“ご”をつける表現。相手を立てる意識よりも、言葉を柔らかくする効果があります。
- 「お水」「お皿」「ご案内」「お手紙」「お席」
注意:主語が自分の場合でも使ってOK(尊敬語とは違う点)
ビジネスで注意したい丁寧語の使い方
丁寧語は便利ですが、使い方を間違えると不自然・失礼に聞こえることがあります。ビジネスでは特に注意が必要です。
① 丁寧語の二重敬語に注意
丁寧語は「です・ます」だけで十分。
そこへ尊敬語・謙譲語を重ねると不自然に。
❌「おっしゃられています」→ 尊敬語+丁寧語の過剰
⭕「おっしゃっています」
② 美化語の多用は“回りくどく”なる
丁寧にしようとして美化語を多く使うと、読みづらい文章に。
❌「お送りいただいたお書類をお確認の上、お返事をお願いいたします。」
⭕「お送りいただいた書類をご確認の上、ご返信ください。」
ポイント:
ビジネスは「美化語は最小限」で読みやすく。
③ 「〜になります」の乱用に注意
最近多い誤用として話題。
❌「こちらが資料になります。」
→ 本来“変化”を表す表現なので不自然
⭕「こちらが資料です。」
ただし「変更になります」「完成になります」のように“状態が変わる”意味なら問題なし。
④ 丁寧語の語尾は“統一”が大切
文章中で「です・ます」調と「だ・である」調を混ぜると違和感が出ます。
❌「こちらは新しい企画案です。内容はシンプルである。」
⭕「内容はシンプルです。」
⑤ ビジネスメールは「柔らかい丁寧語」がベスト
固すぎると高圧的、軽すぎるとフランクに見えるため、バランスが重要です。
おすすめの語尾例
- 「ご確認をお願いいたします。」
- 「ご連絡いただけますと幸いです。」
- 「よろしくお願いいたします。」
間違えやすい敬語|よくある誤用と正しい表現

敬語は知っているつもりでも、いざ使うと「その表現、実は間違い」というケースが少なくありません。
ここでは特に間違えやすい代表例を取り上げ、正しい使い方をわかりやすく解説します。
「ご苦労さま」と「お疲れさま」の使い分け
●「ご苦労さま」は“目上→目下”の表現
「ご苦労さま」は、もともと上位者が部下や後輩に労いの言葉として使うもの。
そのため、部下→上司 の関係で使うと失礼になります。
❌ NG例
- 上司に向かって「ご苦労さまです」
⭕ 正しい表現
- 「お疲れさまです」
- 「お疲れさまでございました」
●「お疲れさま」は上下どちらでもOK
立場に関係なく使えるため、ビジネスシーンでは最も無難で丁寧な表現です。
「了解しました」はNG?正しい表現は?
●「了解しました」は“目上に使うと失礼”が基本
「了解」は、同等または目下に使う言葉として扱われることが多く、
上司・取引先への使用は避ける のがビジネスマナーとされています。
❌ NG例
- 取引先:了解しました
- 上司:了解です
●ビジネスで好まれる丁寧表現
以下のように言い換えると、丁寧で自然です。
⭕ 正しい言い換え例
- 「承知しました」
- 「かしこまりました」
- 「承りました」(依頼を受けたとき)
【使い分けのポイント】
- 承知しました:事態・内容を理解した
- かしこまりました:相手の依頼に従う姿勢
- 承りました:注文や申し出を受けるとき
二重敬語の例と正しい言い換え
二重敬語とは、一つの動作に複数の敬語を重ねて使ってしまう誤用のこと。
丁寧にしようとすると陥りがちなミスです。
① おっしゃられています(尊敬語+尊敬語)
❌ 誤用
- 「部長がおっしゃられています」
⭕ 正しい表現
- 「部長がおっしゃっています」
② ご覧になられます(尊敬語+尊敬語)
❌ 誤用
- 「こちらをご覧になられますか?」
⭕ 正しい表現
- 「こちらをご覧になりますか?」
- 「こちらをご覧になれますか?」(可能)
③ 伺わせていただく(謙譲語+謙譲語で過剰)
❌ 誤用
- 「明日、伺わせていただきます」
⭕ 正しい表現
- 「明日、伺います」
- 「明日、お伺いします」
④ 来られますでしょうか(尊敬語+丁寧形の過剰)
❌ 誤用
- 「明日来られますでしょうか?」
⭕ 正しい表現
- 「明日お越しいただけますか?」
- 「明日いらっしゃいますか?」
二重敬語を避けるコツ
● ポイントは「敬語は1動作につき1つ」
- 尊敬語:相手の動作
- 謙譲語:自分の動作
- 丁寧語:語尾を丁寧に
このルールに沿うと、不自然な敬語を避けられます。
シーン別|すぐ使える敬語フレーズ集

ビジネスの現場では、状況に応じて“自然で失礼のない敬語”を即座に使う必要があります。
ここでは 電話・メール・来客対応 の3シーンに分けて、実践的な敬語フレーズを厳選して紹介します。
電話対応に使う敬語
■ ① 会社名・名前の名乗り
- 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます。」
■ ② 相手の名前を確認
- 「恐れ入りますが、お名前を頂戴できますでしょうか。」
- 「差し支えなければ、お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
■ ③ 担当者への取り次ぎ
- 「ただいま担当の者におつなぎいたします。」
- 「あいにく、担当者が席を外しております。」
■ ④ 用件を聞くとき
- 「どのようなご用件でしょうか。」
- 「差し支えなければ、要件を伺ってもよろしいでしょうか。」
■ ⑤ 不在時の案内
- 「戻りましたら、折り返しご連絡させていただきます。」
- 「◯◯はただいま席を外しておりまして、15時頃に戻る予定でございます。」
■ ⑥ 聞き返す・確認したいとき
- 「恐れ入ります、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。」
- 「復唱いたします。◯◯ということでお間違いないでしょうか。」
■ ⑦ 電話を終えるとき
- 「本日はお電話ありがとうございました。」
- 「引き続きよろしくお願いいたします。」
ビジネスメールに使う敬語
■ ① 書き出し・挨拶
- 「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の△△でございます。」
- 「平素より大変お世話になっております。」
■ ② 依頼するとき
- 「お手数をおかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。」
- 「◯◯についてご対応いただけますと幸いです。」
■ ③ 返信・受領連絡
- 「ご連絡いただき、誠にありがとうございます。」
- 「資料を拝受いたしました。ご送付ありがとうございます。」
■ ④ お詫びする場合
- 「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。」
- 「確認不足によりご不便をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。」
■ ⑤ 断る・調整するとき
- 「あいにくご期待に添えかねる状況でございます。」
- 「別件のため、◯日でのご対応は難しい状況です。」
■ ⑥ 別メールへの誘導
- 「詳細は添付資料をご確認いただけますと幸いです。」
- 「本件につきましては、改めて担当よりご連絡申し上げます。」
■ ⑦ 結びの言葉
- 「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。」
- 「引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
来客対応・接客に使う敬語
■ ① 来客を迎えるあいさつ
- 「いらっしゃいませ。」
- 「ようこそお越しくださいました。」
■ ② 案内するとき
- 「こちらへお掛けになってお待ちくださいませ。」
- 「ご案内いたしますので、どうぞこちらへお進みください。」
■ ③ 飲み物を出すとき
- 「よろしければ、お茶をご用意いたしましょうか。」
- 「どうぞお召し上がりください。」
■ ④ 担当者を呼ぶ際
- 「ただいま担当の者を呼んでまいりますので、少々お待ちくださいませ。」
- 「担当者に取り次がせていただきます。」
■ ⑤ お帰りの際
- 「本日はご来社いただき、誠にありがとうございました。」
- 「どうぞお気をつけてお帰りくださいませ。」
■ ⑥ クレーム・不満への対応
- 「この度はご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。」
- 「状況を確認のうえ、早急に対応いたします。」
尊敬語・謙譲語の動詞一覧(例文つき)

敬語を正しく使うためには、まず「尊敬語」「謙譲語」それぞれの動詞変換を覚えることが重要です。
ここでは ビジネスで頻出する20語 を厳選し、一覧で一気に覚えられるようにまとめています。
さらに、後半では 例文で理解を深めるトレーニング形式 で、使い分けが自然に身につく構成にしています。
よく出る20語をまとめて覚える
★ 尊敬語・謙譲語の変換一覧(頻出20語)
| 基本の動詞 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申し上げる |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 行く | いらっしゃる/おいでになる | 伺う/参る |
| 来る | いらっしゃる/お越しになる | 参る |
| いる | いらっしゃる/おいでになる | おる |
| する | なさる | いたす |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| 知る | ご存じだ | 存じ上げる |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
| 聞く | お聞きになる | 伺う/拝聴する |
| 尋ねる | ーーー | 伺う |
| 借りる | ーーー | お借りする |
| 伝える | ーーー | お伝えする |
| 見せる | お見せになる | お目にかける |
| 思う | お思いになる | 存じる |
| もらう | お受けになる | いただく |
| 与える | お与えになる | 差し上げる |
| 持つ | お持ちになる | お持ちする |
| 読む | お読みになる | 拝読する |
| 確認する | ご確認なさる | 確認いたす |
※「ーーー」は、尊敬語として一般に特定動詞が存在しないもの
例文で理解を深めるトレーニング形式
以下は 実務でよくあるシーン を元にした例文です。
尊敬語・謙譲語のどちらを使うべきか、“敬意の向き”を意識しながら確認できます。
■ ① 言う(おっしゃる/申し上げる)
尊敬語(相手の動作)
- 「部長がおっしゃった内容を共有いたします。」
謙譲語(自分の動作)
- 「私から改めてご説明申し上げます。」
■ ② 行く(いらっしゃる/伺う)
尊敬語
- 「明日の会議には社長もいらっしゃいます。」
謙譲語
- 「午後、資料をお持ちして伺います。」
■ ③ 見る(ご覧になる/拝見する)
尊敬語
- 「こちらの資料をご覧いただけますでしょうか。」
謙譲語
- 「送付いただいた資料を拝見いたしました。」
■ ④ 来る(いらっしゃる/参る)
尊敬語
- 「本日、取引先の方がお越しになります。」
謙譲語
- 「ご指定の時間に参ります。」
■ ⑤ 食べる・飲む(召し上がる/いただく)
尊敬語
- 「どうぞお茶を召し上がってください。」
謙譲語
- 「お菓子をありがたくいただきました。」
■ ⑥ 知る(ご存じだ/存じ上げる)
尊敬語
- 「この件については課長もご存じです。」
謙譲語
- 「その方のことは存じ上げております。」
■ ⑦ 会う(お会いになる/お目にかかる)
尊敬語
- 「社長は先方とお会いになる予定です。」
謙譲語
- 「先日、◯◯様にお目にかかりました。」
■ ⑧ 聞く(お聞きになる/伺う)
尊敬語
- 「こちらの内容についてお聞きになりましたか?」
謙譲語
- 「詳細を伺ってもよろしいでしょうか。」
■ ⑨ する(なさる/いたす)
尊敬語
- 「その件は部長がお決めになります。」
謙譲語
- 「必要な資料は私が準備いたします。」
■ ⑩ 読む(お読みになる/拝読する)
尊敬語
- 「ご提案資料をお読みになりましたらお知らせください。」
謙譲語
- 「いただいたレポートを拝読いたしました。」
まとめ|敬語は“相手との関係”で使い分ければ迷わない

敬語の使い分けで迷う一番の理由は、「どの敬語を使うべきか」が曖昧なまま覚えようとすることです。
しかし、敬語は “誰に敬意を向けるか” を意識すれば、実はとてもシンプルに整理できます。
敬語は大きく分けて
尊敬語・謙譲語・丁寧語 の3種類。
この3つの特徴を理解しておけば、ビジネスでも日常でも自然で失礼のないコミュニケーションが取れるようになります。
尊敬語は「相手への敬意」
尊敬語は 相手の動作を高める言い方 です。
- 「部長が いらっしゃる」(=部長の行為を高める)
- 「社長にお話を 伺いましたか」(=相手の行為に敬意)
ポイントは 主語が相手の場合に使う こと。
相手への敬意を示したい場面で必ず役立ちます。
謙譲語は「自分をへりくだる」
謙譲語は 自分(または身内)の動作を低くし、相手を立てる敬語 です。
- 「私がご説明 申し上げます」
- 「明日こちらからご訪問に 伺います」
謙譲語は、
“自分 → 相手” に向けて働きかける動作 で使われます。
商談・営業・メールなど、丁寧なコミュニケーションを求められる場面で必須の敬語です。
丁寧語は「文を整える基本」
丁寧語は、文末を整えて言葉を丁寧にするための敬語です。
- 「〜です」「〜ます」「ございます」
- 「こちら」「あちら」などの丁寧な語彙
- 「お水」「ご案内」などの美化語
尊敬語・謙譲語と違い、
敬意の対象は関係なく、文の丁寧さを保つための言葉 と理解すればOK。
丁寧語を使えば、誰に対しても「失礼にならない文章」を作れます。
■ 結論:敬語は“敬意の方向”で選べば迷わない
- 相手を高める → 尊敬語
- 自分をへりくだる → 謙譲語
- 文を整える → 丁寧語
この3つを押さえるだけで、シーンごとの敬語判断が圧倒的に楽になります。
常識敬語ドリルはこちら🔻

