子どものころ、ビー玉を手にとって「なんでこんなにキラキラしてるんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?
光を当てると虹のように輝いたり、角度によって表情が変わったり──そんな魅力の裏には、理科で学ぶ“光の性質”が隠れています。
この記事では、ビー玉がキラキラ光る理由を、屈折・反射・分散といったキーワードとともにやさしく解説。
さらに、実験して確かめられる身近な方法や、ビー玉の歴史・豆知識なども交えてご紹介します。
親子の自由研究や、大人の知的好奇心にもぴったりな内容です!
なぜビー玉はキラキラ光るの?
透明なガラスでできたビー玉が、太陽の光や部屋の照明でキラキラと美しく光るのを見て、不思議に思ったことはありませんか?
あの輝きは、単なる「反射」だけではなく、ガラスの中で起きている“光のふるまい”が関係しているのです。
とくに注目したいのは「屈折(くっせつ)」と「反射(はんしゃ)」という光の性質。
これらが合わさることで、ビー玉はまるで宝石のように輝いて見えるのです。
ビー玉の中で何が起きているの?
ビー玉は一見ただの丸いガラス玉に見えますが、その中では実にたくさんの「光のドラマ」が展開されています。
光がビー玉に当たると、まず表面で一部の光が反射します。
そして、残りの光はビー玉の中に入り、ガラスの中を進みながら、曲がったり(屈折)、跳ね返ったり(内部反射)を繰り返します。
ビー玉の中には空気とガラスの境界がたくさんあり、そのたびに光の進む向きが変わるため、まるでビー玉の中に光が舞っているかのように見えるのです。
この「光の迷路」こそが、あのキラキラの正体です。
光の“屈折”と“反射”がカギだった!
光は、空気からガラスのような透明な物質に入ると、その進む角度が変わります。これが「屈折」です。
ビー玉は丸い形をしているので、光が入る角度によって屈折の度合いも変わり、さまざまな方向へと光が広がります。
さらに、ビー玉内部では「全反射」という現象も起こります。
これは、光がガラスと空気の境目に当たったときに、すべての光が跳ね返って中に閉じ込められる状態のこと。
この全反射によって、ビー玉内部で光が乱舞し、見る角度によって光り方が変わって見えるのです。
つまり、光がビー玉に入って“曲がり”、中で“反射”を繰り返す――この2つの仕組みが合わさることで、あの不思議なキラキラが生まれているのです。
「屈折」とは?|光が曲がるふしぎな現象

光は、実はまっすぐ進むだけではありません。
空気や水、ガラスなど、通る物質が変わると、光の進む向きも変わるという不思議な性質を持っています。
この現象を「屈折(くっせつ)」と呼びます。
たとえば、水の中にストローをさすと、ストローが折れ曲がって見えることがありますよね?
あれは光が“水→空気”という異なる物質を通ることで、進む角度が変わり、目に入る位置がズレて見えるからなんです。
水やガラスで光が曲がる理由
光が「空気」から「水」や「ガラス」といった別の物質に入ると、そのスピードが変わります。
空気中ではとても速く進む光も、水やガラスの中ではスピードが落ちるため、進む向きが変わってしまうのです。
これが「屈折」です。
たとえるなら、自転車で舗装道路から砂地に入ったときに、タイヤの進み方が変わって方向がずれる、そんなイメージです。
光も、進みやすい物質から進みにくい物質に入ると、スピードの差によって“折れ曲がるように”見えるのです。
ビー玉の中ではどんな屈折が起きているの?
ビー玉はガラスでできていて、その外側は空気に囲まれています。
この「空気→ガラス→空気」の境界で、光は何度も屈折を起こします。
まず、光がビー玉の表面に当たると、空気からガラスに入る瞬間に進む角度が変化します。
そして、ビー玉の内部を進みながら、裏側のガラス面にぶつかったときも、再び屈折して外へと出ていきます。
このとき、ビー玉の丸い形状がさらに屈折の角度を複雑にしていて、光がさまざまな方向に散らばるようになります。
その結果、見る角度によってビー玉がキラキラ輝いたり、奥行きがあるように見えたりするのです。
「反射」とは?|鏡のように光が跳ね返る仕組み

光には、ぶつかったものの表面で跳ね返る性質があります。
これを「反射(はんしゃ)」といいます。鏡に顔が映るのも、鏡の表面で光が反射しているからなんですね。
反射は、どんな物でも起こりますが、表面がなめらかでツルツルしているほど、光がまっすぐキレイに跳ね返るのが特徴です。
ビー玉もガラスでできているため、表面で光が反射してキラッと光って見えることがあります。
ビー玉の表面と内部での“反射”の違い
ビー玉の光り方には、2種類の反射が関係しています。
1つ目は、表面での反射。光がビー玉の外側に当たって、そのまま跳ね返ることで、パッとした輝きを生みます。
そしてもう1つが、**内部での反射(内部反射)**です。
光がガラスの中に入って、ビー玉の内側の面にぶつかったとき、一部の光は跳ね返って再び中を進みます。
この内部反射は、ビー玉の丸い形によっていろいろな角度で繰り返され、複雑で美しい光の動きをつくり出しているのです。
とくに、光がガラスの内側から空気との境目にぶつかる角度が大きい場合、「全反射(ぜんはんしゃ)」という現象が起きて、すべての光が中に閉じ込められます。
これがビー玉の奥でキラッと強く光る理由のひとつです。
光が跳ね返るからキラキラ見える!
ビー玉がキラキラ輝くのは、光が表面や内部で何度も跳ね返って目に届くから。
特に、見る角度や光の当たり方によって、強く光って見える部分が変わるため、ビー玉は“生きているような”輝きを見せてくれるのです。
また、ビー玉の中に模様や気泡があると、光の反射がさらに複雑になり、一つひとつ違った光り方をします。
まるで宝石のように見えるのは、この反射とガラスの透明感が生み出す“光の芸術”なのです。
ビー玉がキラキラする理由を身近な例で体験!

ビー玉がどうしてあんなにキラキラ光るのか――理屈を知ったら、次は実際に「見て・試して」体感してみましょう!
特別な道具は必要ありません。家にあるもので、光の反射や屈折の不思議を楽しく体験できます。
ここでは、スマホのライトや懐中電灯を使って、ビー玉の光り方を観察する簡単な方法をご紹介します。
また、「透明なビー玉」と「曇ったビー玉」の違いを見ることで、キラキラの秘密にもグッと迫れますよ。
スマホのライトで試してみよう
【用意するもの】
- スマホのライト(懐中電灯でもOK)
- 透明なビー玉(できれば複数)
- 暗めの部屋またはカーテンを閉めた状態
【やり方】
- スマホのライトをつけ、光が真横に出るように持つ。
- ビー玉を光の前に置き、ゆっくりと回してみる。
- 見る角度を変えながら観察し、どこで光が強く反射するかを見てみよう。
【ポイント】
ビー玉の中で光が屈折・反射しながら跳ね返り、方向によって輝き方が変化するのが分かるはずです。
とくに、ライトの光がビー玉の中で“ピカッ”と光る位置が見えたら、それは「全反射」が起きている証拠かも!
透明なビー玉と曇ったビー玉の違いを観察!
【用意するもの】
- 透明なビー玉
- 表面がくもっている、または傷がついたビー玉(100円ショップなどで手に入るものでも可)
【やり方】
- 両方のビー玉を明るい場所で並べて見比べてみましょう。
- 同じ光源(スマホのライトなど)を当てて、それぞれの“キラキラ感”を観察。
【観察ポイント】
- 透明なビー玉は、内部まで光が届いて屈折・反射が起きるため、奥行きのある輝きが生まれます。
- 一方、曇ったビー玉は表面で光が散乱してしまい、ぼんやりした見え方になります。
【まとめ】
この違いからも、「ビー玉の透明度」がいかにキラキラに影響しているかがよく分かります。
光が“どれだけ中に入って反射・屈折できるか”が、ビー玉の輝きを左右しているのです。
このように、ほんの少しの工夫で、ビー玉の光のふるまいを自分の目で確認できます。
身近な遊びが、科学の入り口になる――そんな体験を、ぜひ楽しんでみてください!
知って楽しい!ビー玉と光の豆知識

ビー玉がキラキラ光るのは、屈折や反射といった“光のふるまい”のおかげ。
でも実は、それだけではありません。ビー玉の模様や中の構造によっても、光の見え方が変わるんです。
また、ときどきビー玉の中に虹のような色が見えることがありますが、これも科学的な理由があります。
ここでは、ビー玉の“ちょっとした違い”が光り方にどんな影響を与えているのかを、わかりやすく解説していきます。
ビー玉の模様で光り方が変わる?
ビー玉の中には、色付きの線やうず巻き模様が入っているものもありますよね。
こうした模様は、見た目の美しさだけでなく、光の通り方や反射の仕方を変える役割も持っています。
模様があることで、光はまっすぐ進まず、屈折や反射が不規則に起こります。
その結果、光があちこちに散らばり、ビー玉特有の複雑で多彩なキラキラが生まれるのです。
また、模様の色やガラスの厚みが異なる部分では、光の吸収や透過の度合いも変化し、ビー玉ごとに異なる輝き方になります。
まさに、「世界にひとつだけの光り方」と言ってもいいでしょう。
虹色に見えるのは「光の分散」も関係している!
ビー玉を光にかざしたとき、角度によっては虹のような色がチラッと見えることがあります。
これは「光の分散(ぶんさん)」という現象が関係しています。
光は実は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった色の“集合体”。
透明なガラスの中で光が屈折するとき、それぞれの色ごとに曲がり方が少しずつ異なるため、色が分かれて見えるのです。
これが「分散」であり、プリズムが虹を作る仕組みと同じです。
ビー玉の中でも、特定の角度や形状でこの分散が起こると、ほんのり虹色に輝く瞬間が見られます。
まるで宝石のような輝きに見えるのは、そんな“光の魔法”が働いているからなんですね。
ビー玉ひとつにも、たくさんの科学がつまっています。
光の模様、反射、分散――そのひとつひとつに目を向けてみると、いつものビー玉がぐっと面白く見えてきますよ!
まとめ|ビー玉の“キラキラ”は光のマジックだった!

透明なガラス玉が見せる、美しく複雑なキラキラ――その正体は、**「光のマジック」でした。
光は、ただまっすぐ進むだけではなく、屈折(進む方向が変わる)、反射(跳ね返る)、そして分散(色に分かれる)**といったさまざまな動きをします。
ビー玉の中では、これらの光の性質が何重にも重なって起こっており、その結果、私たちの目にはまるで宝石のような輝きとして映っているのです。
屈折・反射・分散…理科の世界はおもしろい
今回のテーマを通じてわかったように、私たちの身のまわりには、理科の知識につながる“ふしぎ”がたくさんあります。
ビー玉ひとつにも、「屈折」や「反射」「分散」といった光の原理がぎっしり詰まっているのです。
難しく感じるかもしれない理科の内容も、実際に目で見て・手で触れて体験することで、ぐんと身近に感じられます。
理屈を知ると、ただのビー玉も、まったく違って見えてくるからおもしろいですよね。
ビー玉ひとつで、光のふしぎを楽しもう
特別な道具や実験室がなくても、家にあるビー玉と光があれば、科学の世界に触れることができます。
ライトを当てて角度を変えてみたり、模様の違うビー玉を比べてみたり…。
そんな小さな観察からでも、「どうして?」「なんでこう見えるの?」という疑問がどんどん広がっていきます。
理科の楽しさは、知ることで世界の見え方が変わることにあります。
ビー玉を通して、光のふるまいや自然のルールに触れられる――それは、まさに日常の中の小さな冒険です。
さあ、あなたもビー玉を手にとって、光のマジックを楽しんでみませんか?
【コラム】ビー玉が人気だった「昭和の遊び」事情

今でこそインテリアや理科の観察道具として見かけることの多いビー玉ですが、昭和の時代には、子どもたちの間で大人気の遊び道具でした。
地面にくぼみを作ってビー玉を転がし合う「ビー玉遊び」は、友だちと勝ち負けを競う遊びとして定番。
ビー玉を弾いて相手の玉をはじき出すゲームや、線の中に入れると勝ちといったルールが地域ごとに存在しており、まさに“昭和キッズの青春アイテム”だったのです。
当時の子どもたちは、気に入った模様のビー玉を「宝物」のように大事にし、お小遣いを握りしめて文房具屋や駄菓子屋に買いに行ったもの。
中にはキラキラ光るビー玉をコレクションしたり、友だち同士で交換する文化もありました。
スマホもゲームもない時代、手のひらサイズのビー玉が、無限の遊びとワクワクを生み出していた――そんな時代の記憶が、ビー玉にはぎゅっと詰まっています。
【豆知識】ビー玉と水晶の違いってなに?
ビー玉と水晶――どちらも透明で美しく、遠目にはそっくりに見えるかもしれません。
でも、実はその“中身”には大きな違いがあります。
まず、ビー玉はガラス製。人工的に作られた素材で、安価に大量生産ができます。
形は基本的にまんまるで、中に模様が入っていたり、気泡が入っていることも。
一方、水晶(クリスタル)は天然の鉱物で、主成分は「二酸化ケイ素(SiO₂)」。
自然の中で長い時間をかけてできるため、ビー玉よりも硬く、重みがあります。
また、カット加工された水晶は「パワーストーン」や「宝石」としても人気があり、光の屈折率も高いため、虹のような輝きを放つこともあります。
つまり、見た目は似ていても、
- ビー玉は人工物・ガラス製
- 水晶は天然物・鉱物系
という大きな違いがあるのです。
見分けるポイントは、表面の質感・重さ・輝きの種類。もし気になる場合は、光にかざしてみたり、実際に手に持ってみると違いがよくわかりますよ。
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