テレビやオンライン会議で「なんだか浮いて見える」「思った印象と違った」と感じた経験はありませんか?
実は、画面に映る服には“普段のオシャレ”とは違う視点が必要です。
本記事では、番組やシーン別の服装マナーや、**画面映えする服の選び方(素材・柄・色)**をわかりやすく解説。
信頼感・清潔感・個性など、伝えたい印象を服装でどう演出するかを考えるヒントが詰まっています。
初出演の方も、慣れてきた方も、“映る自分”を好印象に整えるための参考にどうぞ。
そもそも「テレビに映ってはいけない服」とは?
スタジオで浮く!NGファッションの代表例
テレビ画面では、日常では気にならない服装が“浮いて”見えることがあります。代表的なNGファッションは以下の通りです。
- 光沢のある素材(サテン・ビニール・エナメルなど):照明を強く反射し、目障りなテカリになることがあります。
- ストライプや細かいチェック柄:カメラで“モアレ現象”が発生し、画面がチラチラする原因に。
- 真っ白・真っ黒の服:露出設定が難しく、顔色や背景とのコントラストが不自然になることも。
- 極端に派手な柄や蛍光色:視聴者の目を疲れさせたり、番組の雰囲気と合わずに悪目立ちする可能性があります。
つまり、“普段のオシャレ”がそのままテレビ向きとは限りません。大切なのは、視聴者の目にやさしい・背景になじむ服装を意識することです。
「画面映えしない」だけでなく“視聴者への配慮”も大切
テレビ出演の服選びは、「自分がどう見えるか」だけでなく、「視聴者がどう感じるか」がとても重要です。たとえば:
- ノースリーブや過度な露出 → 「だらしなく見える」と感じる人も
- ブランドロゴやメッセージTシャツ → 内容によっては企業や番組の意図に反する場合も
- 派手すぎる装飾やアクセサリー → 音や反射でマイクや照明に影響が出ることも
視聴者の年齢層・番組の雰囲気・トーク内容に応じて、「控えめ」「落ち着き」「誠実さ」といった印象を与える服装がベストです。特にニュースや情報番組では、ファッションで主張しすぎないことが好印象につながります。
テレビとYouTubeではNG服の基準も違う?
実は、テレビとYouTube(動画配信)では“映え方のルール”が異なります。
| メディア | 映像処理 | NGになりやすい服 |
|---|---|---|
| 地上波テレビ | 高性能カメラ・多方向照明 | 光沢素材、細かい柄、極端な白・黒 |
| YouTube | 照明・画質は制作者次第 | 緑や青(クロマキー処理で背景に消える)など |
YouTubeではクロマキー合成を行う場合、緑や青の服は背景に溶け込んで“体が消える”ように映ってしまうこともあります。また、スマホやWebカメラの映像では、テレビ以上に色の飽和や映像のにじみが出やすく、素材や柄の影響が強く表れます。
どちらの場合も、「無地でマットな中間色(ネイビー・グレー・パステル系)」を選ぶのが安全です。媒体に応じた服選びを心がけましょう。
要注意!テレビ出演で避けるべき服の「素材」とは?

光を反射する「ツルツル素材」はカメラ泣かせ
テレビスタジオでは、強い照明が多方向から当たるため、光を反射しやすい服は画面上でギラついて見えたり、ハレーション(白飛び)を起こす原因になります。
📌避けたい素材例:
- サテン
- シルク風ポリエステル
- エナメル・ラメ加工
- ナイロン・ビニール素材のジャケットやスカート
見た目には高級感があっても、テレビ画面では安っぽくテカる・汗っぽく見えるなど逆効果になることも。特に顔の近く(襟・胸元・肩まわり)に光沢があると、視聴者の目線がブレる原因にもなるため注意が必要です。
✅ 対策ポイント:
→ マット(非光沢)素材の服を選ぶ。 コットンやウール混、ダブルクロス生地などが映像向きです。
シワやホコリが目立つ「リネン・ベルベット」もNG
高解像度カメラは、細かい質感や汚れまでしっかり映し出します。見落としがちなのが、「シワ」や「ホコリ・繊維クズ」がつきやすい素材です。
📌避けたい素材例:
- リネン(麻)→ しわが入りやすく、だらしない印象に
- ベルベット・コーデュロイ → 繊維の方向で色ムラ&ホコリが付きやすい
- フリースやウール100%素材 → 静電気で糸くずが目立つことも
衣装チェックでは目立たなかったのに、**カメラを通すと“くたびれて見える”**原因のひとつがこのタイプの素材です。
✅ 対策ポイント:
→ 番組直前に衣類用ブラシ・エチケットブラシ・スチーマーで整えるのがマナー。しわが寄りにくいポリエステル混素材もおすすめです。
ストライプや千鳥格子も要注意?モアレ現象の落とし穴
テレビ映りを左右する“隠れたトラップ”が、**「モアレ現象」**です。これは細かい柄の繰り返し模様がカメラの映像と干渉し、画面上でチラチラと動いて見える現象のこと。
📌発生しやすい柄・織り:
- 細いストライプ
- 細かいチェック(ギンガム、千鳥格子など)
- 網目のような織り模様やメッシュ素材
これらは肉眼ではおしゃれに見えても、画面では集中力をそがれるようなノイズになってしまいます。
✅ 対策ポイント:
→ 柄は大きめ、または無地が安心。 細かい模様を避けて、カメラでも柄がしっかり認識できるデザインを選びましょう。
柄と色の選び方で“映り方”が激変!

細かい柄はNG?「モアレ現象」とは
テレビやカメラで映したときに、細かい縞模様やチェック柄がチラチラと揺れて見える現象を「モアレ現象」といいます。これは、服の模様とカメラの撮影画素(センサー)の干渉によって起きる視覚的ノイズです。
📌 モアレが起こりやすい柄の例:
- 細かいストライプ(ピンストライプなど)
- 細かなチェック(ギンガム・千鳥格子)
- 網目模様・メッシュ・幾何学柄の連続パターン
これらの柄は、肉眼では落ち着いた印象でも、テレビ画面では動いて見えたり、目がチカチカして不快に感じられることがあります。
✅ 対策ポイント:
- 柄物を着る場合は、大柄・単純なパターンを選ぶ
- 無地 or 無地に見える程度の織り柄が安心
- 撮影前にテスト映像でモアレが出ないか確認できるとベスト
真っ白・真っ黒も映りづらい!意外な落とし穴
「シンプルで無難」と思いがちな白と黒の服ですが、テレビカメラの露出や色補正の影響を受けやすく、顔色や背景とのバランスが崩れやすい色でもあります。
📌 白の落とし穴:
- 強い照明で“白飛び”して、服の輪郭が消える
- 顔が暗く見えたり、表情が沈んで見えることも
📌 黒の落とし穴:
- 暗い背景や髪色と同化して、のっぺりした印象に
- カメラが顔を明るく映そうと補正し、服だけが重たく見える
✅ 対策ポイント:
- 真っ白よりオフホワイト・ベージュ・ライトグレー
- 真っ黒よりチャコールグレー・ネイビー・ダークブラウンなどに置き換える
- 顔まわりには明るめの色を配置し、照明効果を補うのがコツ
背景と同化しない“コントラスト”が重要
テレビスタジオや撮影現場には、それぞれに設定された背景色があります。服の色がその背景と近い場合、人物の輪郭がぼやけてしまうという“同化現象”が起きます。
たとえば:
- グリーンバック合成の前で緑の服 → 体の一部が消える
- 木目調セットでブラウン系の服 → 背景と同化して地味な印象に
- 明るい壁紙×パステル系 → 顔や体の輪郭がぼやける
✅ 対策ポイント:
- 背景との“明暗・色相の差”を意識して服を選ぶ
- 背景が明るければ濃いめの服、暗ければ明るめの服を選ぶ
- わからない場合は**中間色(ネイビー・ラベンダー・サーモンピンクなど)**が安全
**映像は「引きで見たときの印象」が勝負。**遠くから見ても輪郭がはっきりする服を選ぶことで、視聴者にとってもストレスのない“映り”が叶います。
カメラ映えする服選びのコツと対策

素材は「マットで質感のあるもの」が基本
テレビやカメラ映像では、素材の「ツヤ」や「表面感」が画面の印象に直結します。特に照明が強く当たるスタジオや屋内撮影では、反射の少ない“マット素材”が最も安定して映えます。
📌おすすめの素材:
- コットン(厚みのあるシャツ生地など)
- ウール混(秋冬向けでも光を吸収して美映え)
- ポンチ・ダブルクロスなどの滑らかな化繊
- 麻混などでもシワが出にくい加工のあるもの
逆に避けたいのは、光沢のあるサテン・エナメル・ビニール・ナイロン系など。マットな素材は光を均等に拡散し、顔色や表情が自然に映るメリットもあります。
✅ ワンポイント対策:
「素材がマットかどうか」は自然光やスタジオ照明の下でチェック。スマホで撮って不自然な光の反射がないか確認しておくと安心です。
柄は控えめに。無地or大柄が安全
服の柄は個性を表現する要素ですが、**テレビ画面では“控えめ”が基本。**繊細な柄は、カメラに映した際にちらつきやモアレを起こすリスクがあります。
📌安心して使える柄の例:
- 無地(色で印象をコントロールしやすい)
- 大きめのボーダーや花柄(背景と被らなければOK)
- 織り柄やワンポイント刺繍など、視線を集めすぎないもの
📌避けたい柄:
- 細かいチェック、ピンストライプ、細かい幾何学模様
- モノトーンの細密柄(ぼやけて見えやすい)
✅ ワンポイント対策:
柄物を選ぶときは、引きの画面でどう見えるかを意識。カメラのテスト映像で“見やすさ”を確認するのが確実です。
色選びは「明るめの中間色」がベター
カメラ映りにおいて最も“印象を左右する”のが色選びです。奇抜すぎず、沈みすぎず、顔色を自然に引き立てるのは、**「明るめの中間色」**と呼ばれる色たち。
📌おすすめのカラー:
- ソフトネイビー/スモーキーグリーン/ラベンダー
- サーモンピンク/オフホワイト/グレージュ
- ミント/ライトブルー/淡いマスタード など
📌避けたほうがいいカラー:
- 真っ白、真っ黒(コントラストが強すぎる)
- 蛍光色(カメラに強く反応しすぎる)
- 背景に溶け込みやすい色(スタジオによって異なる)
✅ ワンポイント対策:
服の色が顔色にどう影響するかは、**“レフ板効果”**を意識するのがポイント。明るめカラーは肌を健康的に見せ、全体に清潔感と信頼感をプラスします。
📌【まとめチェックリスト:カメラ映えする服装とは?】
- マット素材で光をやわらげる
- 無地〜大柄で視覚ノイズを減らす
- 明るめ中間色で顔色UP&印象アップ
- 背景とのコントラストを意識する
番組・シチュエーション別の服装マナー

報道番組・インタビューでは“信頼感”が最優先
報道番組やドキュメンタリー、専門家インタビューなどでは、「この人の話を信じてよさそう」と思わせる服装が最も重要です。視聴者は話の内容だけでなく、服装・身だしなみからも「信頼できる人物か」を判断しています。
📌服装のポイント:
- 無地または控えめな柄のスーツやジャケット
- 落ち着いた中間色(ネイビー・グレー・ベージュ)
- シャツやブラウスは清潔感とアイロン仕上げが命
- アクセサリーは小ぶりで主張しないものを選ぶ
📌避けたい服装:
- 派手な色・柄、露出が多い服(軽薄に見える可能性)
- カジュアルすぎる服装(Tシャツ・ジーンズなど)
- トレンド感が強すぎるファッション(内容が入ってこない)
✅ 対策のコツ:
「面接に行くつもりで服を選ぶ」が基本。清潔感と落ち着きがあり、視聴者に安心感を与えるスタイルを心がけましょう。
バラエティ番組は“個性”と“清潔感”のバランス
バラエティ番組や情報エンタメ系では、ある程度**“華やかさ”や“個性”がある服装**が求められます。とはいえ、行き過ぎると「下品」「悪目立ち」と受け取られてしまうことも。
📌映える服のコツ:
- 色はやや明るめやビビッドカラーもOK(画面が華やぐ)
- 柄は大柄・ポップなものでもOKだがモアレには注意
- キャラに合ったファッション(カジュアル・フェミニンなど)を意識
📌注意すべき点:
- 奇抜すぎるデザインやブランドロゴの主張は控える
- カジュアルでも“ヨレ・汚れ・しわ”があると一気に不潔に見える
- 番組の色(雰囲気・共演者)とのバランスも考慮する
✅ 対策のコツ:
**「清潔感×キャラ立ち」が最強の組み合わせ。**番組のトーンを事前にチェックして、出演者の中で浮かない範囲で“自分らしさ”を出しましょう。
オンライン出演・Zoom会議での注意点も
Web会議・リモート出演・オンラインセミナーなど、自宅からの映像参加では背景・カメラ位置・服の素材が与える印象に直結します。
📌映りをよくする服装のコツ:
- カメラに近い上半身の色・素材を重視
- 明るすぎず暗すぎない中間色のトップスがおすすめ
- 無地または大柄のシンプルな服がベスト
- 背景が白なら暗め、背景が暗ければ明るめの服で“輪郭を出す”
📌避けたい例:
- 緑や青の服(バーチャル背景で体が消える)
- 光沢のある服(照明や画面にテカリが映る)
- 派手なパジャマや部屋着(だらしない印象に)
✅ 対策のコツ:
画面越しでも「しっかり感」「誠実さ」を感じさせる服装が好印象につながります。必要に応じてライトや背景ボードも活用して、映り全体を整えましょう。
まとめ|“映る服”は「素材・柄・色」で選ぼう

「普段の正解」がテレビではNGになることも
日常生活では好印象な服装も、テレビ画面では思わぬ“映りの悪さ”につながることがあります。たとえば、ピンストライプや細かい千鳥格子柄は、カメラ越しだとモアレ(ちらつき現象)を起こしやすく、視聴者に不快感を与えてしまうことも。また、白や黒の単色は照明の影響を強く受け、輪郭が飛んだり沈んだりしてしまう原因に。普段のファッションセンスと、テレビ映えは必ずしも一致しないことを理解しておくことが大切です。
服装で伝えたい印象をデザインしよう
「清潔感」「信頼感」「親しみやすさ」など、テレビ出演時に伝えたい印象は人それぞれ。服の素材や柄、色は、そうしたイメージ戦略の一部と捉えましょう。たとえば、落ち着いたトーンの無地シャツは誠実な印象を与え、淡いブルーやベージュは柔らかく親しみやすい雰囲気を演出できます。反対に、派手な色や装飾過多な服は、場面によっては浮いてしまうことも。目的や番組の雰囲気に合わせて、「どう見られたいか」を意識した服選びを心がけることが、テレビ映えの第一歩です。

