犬がしっぽを振っていると「嬉しそう!」と思いがちですが、実はそれ、喜びのサインとは限らないって知っていましたか?
犬のしっぽは、単なる“おしりの飾り”ではなく、感情を伝える大切なコミュニケーションツールです。
振る方向、スピード、角度によって、嬉しい・不安・警戒・恐怖など、驚くほど多彩な感情が込められています。
この記事では、犬がしっぽを振る本当の意味や、感情のサインを読み取るコツを、具体例つきでわかりやすく解説。
犬の気持ちを誤解せず、もっと信頼関係を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
犬がしっぽを振るのは「嬉しいから」だけじゃない!
犬がしっぽを振っていると、「嬉しそう」「喜んでるんだな」と思う人が多いでしょう。確かにそれは間違いではありませんが、犬のしっぽの動き=すべてが喜びのサインとは限らないのです。
実は、犬はさまざまな感情をしっぽで表現しており、その意味を読み違えるとトラブルになることもあります。
たとえば、緊張しているときや、恐怖を感じているときでもしっぽを振ることがあるのをご存じでしょうか?「しっぽ=喜び」というイメージだけで犬の気持ちを判断してしまうと、意図しないすれ違いや誤解が生まれることも。
だからこそ、しっぽの動きは“単独ではなく、全体のボディランゲージと合わせて”見ることが重要です。まずは、しっぽの振り方が意味する多様な感情を知っておきましょう。
実は多様!しっぽの動きは感情のサイン

犬にとってしっぽは、口ほどにものを言う「感情のアンテナ」。その振り方、角度、スピードなどによって、さまざまな感情を表現しています。
以下は代表的なパターンです。
- しっぽを右に振る:好意・親しみ
→ 飼い主や仲のいい犬と接するときによく見られます。 - しっぽを左に振る:不安・警戒心
→ 慣れていない人や物、威圧的な相手に対して。 - 高速で大きく振る:興奮・喜び
→ 散歩やご飯の前、遊びの誘いなど。 - ゆっくり小刻みに振る:戸惑い・緊張
→ 「近づきたいけど不安」「状況を探っている」時。 - しっぽを下げたまま振る:服従・恐怖
→ 無理に触ると噛まれる可能性もあるので注意。
このように、しっぽの動きには「嬉しい」以外にも様々な意味が込められているのです。
人間との誤解が起きやすいポイントとは?
犬のしっぽの動きを「喜んでいる」と勘違いしやすい場面は意外と多くあります。
たとえば、
- 相手がしっぽを振って近づいてきたから触ったら、唸られた/噛まれた
- しっぽを振っているのに、顔はこわばっていたり、目線がそらされていた
このようなケースでは、しっぽは振っていても警戒・緊張・威嚇の気持ちを含んでいた可能性が高いです。
誤解を防ぐためには、以下のようなポイントに注意して観察しましょう。
- 耳の角度や口元の緊張感は?
- 体の向きは逃げ腰ではないか?
- 目をそらしていないか、白目(ストレスサイン)が見えていないか?
つまり、しっぽだけを見るのではなく、全身のサインを総合的に判断することが大切なのです。
しっぽの振り方別!犬の感情を読み取るサイン集

犬のしっぽは、「どんなふうに振っているか」で気持ちが大きく変わります。ただ“振っている”だけではなく、振る方向・速さ・角度・しっぽの位置などを総合的に見ることで、犬の本当の感情が見えてきます。
ここでは、代表的なしっぽの振り方と、それが意味する感情について詳しく紹介します。
左右の振り方で感情が違う?(右=好意、左=警戒)
近年の研究で明らかになったのが、「犬は左右で異なる感情を表している」という事実。
- 右方向にしっぽを振る=好意的な気持ち・安心
- 左方向にしっぽを振る=警戒・不安・警告サイン
この違いは、犬の脳の左右で感情処理を行う場所が異なることに関係しています。
飼い主や仲の良い犬を見ると右側に振り、知らない人や威圧的な相手には左側に振る傾向があります。
振る“方向”にも注目することで、犬の微妙な気持ちの変化がわかります。
高速で振る=うれしい&興奮状態
しっぽをブンブンと勢いよく振っているときは、嬉しさや興奮がピークに達しているサインです。
特に、全身を巻き込むようにお尻ごと振っている場合は「大歓迎!」の気持ち。
ただし注意点として、過度な興奮状態だと噛み癖が出たり、制御がきかなくなることもあるため、落ち着かせる工夫も必要です。
しっぽをゆっくり振る=戸惑い・不安な気持ち
ゆっくりと控えめにしっぽを振るときは、犬が状況を判断しようとしている戸惑いのサインです。
「この人は安全かな?」「触っていいのかな?」と、警戒しつつも興味を持っている複雑な感情状態。
この場合は、無理に近づかず、犬の判断に任せるのが安心です。焦らず信頼を築く姿勢が大切です。
しっぽを下げて振る=服従・怖がっている状態
しっぽが下がっている、または足の間に入りそうな状態で振っているのは、恐怖や服従を意味するサイン。
この場合、振っているからといって「喜んでいる」と勘違いするのは危険です。
このような状態の犬に無理に触れたり、上からのぞき込むと、パニック反応や防衛本能で噛まれる可能性もあります。
ピンと立てたまま振る=自信・支配的な気持ち
しっぽを高く掲げて振っている場合は、自信に満ちた状態や、支配的な感情を示していることがあります。
特に他の犬に対してこの動きをする場合は、「自分の方が強いぞ」という意思表示でもあります。
ただし犬種によってはもともとしっぽが立ちやすい個体もいるため、耳・目・体の動きとセットで観察することが重要です。
しっぽを股の間に入れる=恐怖・パニック状態
犬がしっぽを完全に股の間に入れている場合、それは強い恐怖やストレス反応です。
「助けて!」「ここから逃げたい!」という心理状態に近く、非常にナーバスな状態といえます。
この場合は、音・人・他の犬など、何に怯えているのか環境を見直すことが先決です。
むやみに声をかけたり触ったりせず、安全な空間を確保し、落ち着くのを待つことが大切です。
犬種やしっぽの形によっても違いがある?

犬のしっぽから感情を読み取るには、「振り方」だけでなくしっぽの形や犬種の特徴も考慮する必要があります。
たとえば、プードルやポメラニアンのようなふさふさした長毛種と、柴犬のように巻き尾の犬ではしっぽの動きの「見え方」や「表現のしやすさ」が異なるため、同じ振り方でも受け取る印象に差が出ることがあります。
また、一部の犬種では生まれつきや医療的な理由でしっぽが短い・断尾されている場合もあるため、しっぽだけで感情を判断しようとするのは不十分です。
ここでは、犬種・しっぽの形・被毛の違いによる感情サインの読み取り方を詳しく解説します。
短毛・長毛で見え方が変わる
犬のしっぽは、被毛の長さや毛質によって動きの「視認性」が大きく変わります。
- 短毛の犬(例:ビーグル、ダックスフンドなど)
→ しっぽの動きがはっきりと分かりやすく、振る方向や速さの変化も捉えやすい。 - 長毛の犬(例:シェルティ、ポメラニアンなど)
→ 毛がふわふわしているため、実際のしっぽの振れ幅や方向が分かりにくくなることがあります。
→ 特に、ゆっくり振っているときは「毛が揺れているだけ」に見えてしまうことも。
このように、毛の長さがしっぽのサインを読み取る妨げになる場合もあるため、耳や表情・体の向きなど他のボディランゲージと合わせて確認することが大切です。
巻き尾や断尾犬は他のサインと組み合わせて判断
柴犬や秋田犬、スピッツなどの**「巻き尾タイプ」**の犬は、しっぽが背中の上に丸まっているため、振り方が小さく見えたり、常に立っているように見えて誤解されやすい特徴があります。
また、ドーベルマンやボクサーなど一部の犬種では、しっぽを断尾されているケースもあり、そもそも“振る”という動作がほとんど見えないことも。
こういった犬たちの感情を読み取るには、
- 耳の動き(ピンと立てている or 寝かせている)
- 目線(見つめているか・そらしているか)
- 口元の緊張(口角が上がっているか・唸っていないか)
- 体の重心(前傾 or 後ずさり)
など、全身のボディランゲージを複合的に判断する必要があります。
しっぽだけに頼らず、犬の性格や個体差にも注目して観察することが、誤解やトラブルの予防につながります。
しっぽの動きからわかる犬との信頼関係

犬は言葉を話せませんが、しっぽを使って「信頼」や「好意」をしっかりと伝えてくれます。
とくに、長く一緒に過ごしている飼い主に対しては、**他人には見せない“特別なしっぽの動き”**をすることがあります。
しっぽはただの喜びのサインではなく、**深い安心感や愛情、信頼の気持ちがにじみ出る「心の動き」**でもあります。
ここでは、しっぽの動きから読み取れる「信頼のサイン」とその活かし方を解説します。
飼い主に見せる「特別なしっぽの動き」とは
信頼関係のある飼い主に対して、犬がよく見せるしっぽの動きには共通する特徴があります。たとえば:
- お尻ごと左右にブンブン振る
→ 嬉しさと安心感が入り混じった、まさに“再会の喜び”のサインです。 - やや右寄りにしっぽを振る
→ 好きな相手への信頼と親しみを表す、ポジティブな感情表現。 - 近づくだけでしっぽが自然に振れ始める
→ 声をかけなくても反応するのは、常に心を許している証拠です。 - 飼い主の顔を見上げながら控えめに振る
→ 興奮よりも穏やかな安心・落ち着いた愛情を示すしぐさです。
このようなしっぽの動きは、**他の人や犬にはあまり見せない“あなただけへの反応”**であることが多く、日々の信頼の積み重ねによって生まれます。
信頼のサインを見逃さず、関係性を深めよう
犬が見せる信頼のサインをきちんと読み取り、それに応えることが信頼関係をより強固にするカギです。
たとえば…
- 犬がしっぽを振りながら寄ってきたら、やさしく声をかけたり触れてあげる
- 無理にスキンシップせず、「信号を出してくれるのを待つ」姿勢も大切
- 怖がっている時は無理に近づかず、落ち着いてしっぽの位置を観察する
犬は、自分の気持ちに気づいてくれた相手に対して、より深く心を開いてくれるようになります。
また、しっぽだけでなく、目線・耳・表情・体のリズムなどのサインも総合的に見ることで、犬との「心の会話」が成り立っていきます。
小さなしぐさを見逃さず、「気づいてあげられる関係性」を築いていくことが、犬との幸せな暮らしの第一歩です。
しっぽの動きだけで判断するのは危険!

犬の感情を読み取るうえで、しっぽの動きはとても大きなヒントになります。
しかし、「しっぽを振っている=嬉しい」と決めつけてしまうのは非常に危険な思い込みです。
実際には、犬は嬉しいときだけでなく、不安・戸惑い・警戒・恐怖などの感情でもしっぽを振ることがあります。
そのため、しっぽの動き“だけ”に注目して感情を判断してしまうと、トラブルの元になりかねません。
犬の気持ちを正確に読み取るには、ボディランゲージ全体を観察し、多角的に判断することが大切です。
ボディランゲージ全体を読み取るのがコツ
犬は「しっぽ」だけでなく、全身を使って感情を伝える生き物です。
つまり、“犬語”を読み解くには、以下のようなポイントを合わせて見ることが重要です。
- 体の重心や姿勢:前のめりなら警戒・後ろ足に重心なら不安の可能性
- 耳の向き:前に立っていれば興味や警戒、寝ていればリラックスまたは怯え
- 口元の動き:開いていれば安心、閉じて歯を見せているなら威嚇のサイン
- 目の様子:リラックスしていればやわらかく、警戒時は白目が見える(くじら目)ことも
これらのサインをしっぽの動きと組み合わせて判断することが、犬との正しいコミュニケーションの第一歩です。
吠える・耳・目線など他の行動と合わせて観察しよう
犬がしっぽを振っているからといって「喜んでる」と思い、近づいた瞬間に唸られたり噛まれたりするケースも少なくありません。
それは、しっぽ以外のサインが「警戒」や「拒否」の意志を示していた可能性があります。
具体的には、こんな行動に注意しましょう:
- 吠える:興奮だけでなく、警告や「これ以上近づかないで」という意味もある
- 耳が寝ている:恐怖や服従のサイン。無理に触らないことが重要
- 目線をそらす・白目が見える:ストレスを感じている状態
- 体が硬直している:一見落ち着いて見えても、実は緊張や攻撃前のサイン
こうしたサインとしっぽの動きを総合的に見れば、犬の本当の気持ちを誤解せずに済みます。
犬のボディランゲージを“全身で”読み取ることは、誤解を防ぎ、信頼関係を築くうえで欠かせないスキルです。
しっぽはあくまで「ひとつの感情表現」にすぎないと心得て、犬の心をまるごと受け取る姿勢を大切にしましょう。
まとめ|犬のしっぽは「心の窓」!正しく読み取ればもっと仲良くなれる

犬にとって「しっぽの動き」は、私たち人間でいうところの表情や言葉に近い、大切な感情表現です。
嬉しいときだけでなく、戸惑いや恐怖、信頼や不安といったさまざまな気持ちを、しっぽ1本で伝えようとしてくれています。
しかし、しっぽの振り方だけを見て単純に「喜んでる」と決めつけてしまうと、犬の本当の気持ちを見逃してしまうこともあります。
だからこそ、しっぽの動きとあわせて、犬の全身のサインを丁寧に読み取ることが重要です。
誤解しないために、しっぽの意味を理解しよう
しっぽは、「振っている=うれしい」とは限りません。
振り方のスピード、位置、方向、そして犬種ごとの特徴など、しっぽの意味は多様で、誤解されやすいものです。
たとえば:
- 右寄りに振る=好意や信頼の表れ
- 左寄りに振る=不安や警戒心の可能性
- 下げたまま振る=怯えや服従のサイン
こうした情報を正しく理解しておけば、犬の感情に気づいてあげられる機会が増えます。
また、しっぽが振れていない=感情がない、という誤解も避けられるでしょう。
犬と本当に通じ合いたいなら、しっぽの動きの“意味”にもっと敏感になるべきです。
感情のサインを知れば、犬との暮らしがもっと豊かに
犬のしっぽの動きを理解することは、単なる「しぐさの読み方」を超えて、
犬の心に寄り添い、より深い絆を築くための第一歩です。
しっぽの動きや体全体のサインを知ることで、
- 不安を感じているときに早く気づける
- 喜んでいる瞬間をもっと共有できる
- トラブルやストレスを未然に防げる
- お互いにとって居心地の良い関係が築ける
といった、実生活に役立つ効果がたくさんあります。
犬とのコミュニケーションは、「言葉のいらない会話」。
しっぽの動きはその“心の声”のひとつ。
その声を受け取ることができれば、あなたと愛犬の暮らしは、もっと優しく豊かになるでしょう。
よくある質問(FAQ)

犬のしっぽに関する感情表現は、とても奥深く、見た目だけでは判断が難しい場面もあります。
ここでは、飼い主さんからよく寄せられる疑問に、理由と対策を含めてわかりやすく解説します。
【Q1】犬がしっぽを振ってるのに噛まれたことがあります。なぜ?
一見、「しっぽを振っている=友好的」と思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
しっぽを振っていても、それが必ず「喜び」のサインではなく、
- 警戒しながら緊張している状態
- 不安を感じつつ距離を取ろうとしている
- 混乱やストレスからくる“複雑な感情”の表れ
であることもあります。
特に、しっぽが左寄りに振れている場合や、下げ気味・固めに振っているときは注意が必要。
このような状態で不用意に手を出すと、「防御的な噛みつき」が起こる可能性が高くなります。
✅ 対策ポイント:
しっぽだけでなく「耳の向き」「体の緊張感」「唸り声」「目線」などを総合的に見てから接触するようにしましょう。
【Q2】しっぽを振らない犬もいる?
はい、います。しっぽを振らない犬が必ずしも「無感情」なわけではありません。
考えられる理由は以下の通りです:
- 犬種やしっぽの形状の違い(巻き尾、短尾、断尾など)
- 元々の性格が落ち着いていて、感情表現が控えめ
- 過去の経験から感情を出すことに慎重になっている
- リラックス状態で、わざわざしっぽを振る必要がない
また、極端にしっぽを振らない・動かない場合は、神経的な異常や怪我の可能性もあるため、気になる場合は獣医師に相談を。
✅ ポイント:
「しっぽを振らない=冷たい犬」と思い込まず、その子の性格や体のつくり、心の状態を理解してあげましょう。
【Q3】寝ているときにもしっぽを動かすのはなぜ?
寝ている最中に犬がしっぽを振ったり動かしたりするのは、主に夢を見ているときの無意識な反応と考えられています。
レム睡眠中、犬も人間と同じように夢を見るとされており、その際に以下のような動きを見せることがあります:
- しっぽが軽く左右に動く
- 足がピクピク動く・小さく鳴く
- 口が少し開く・舌が動く
こうした動きは、夢の中で走っていたり、誰かに会って喜んでいるシーンを再現しているのかもしれません。
✅ 心配しなくてOKなケースがほとんど
ただし、激しく震える・苦しそうな表情をしている場合は、てんかんなどの異常の可能性もゼロではないため、様子を注意深く見守ることも大切です。
しっぽの動きに込められた犬の心を正しく読み取ることで、
ちょっとした誤解や危険を避け、より安全で幸せな関係を築くことができます。
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