はじめに
2024年も残すところあとわずか。今年もいよいよ注目を集めるのが、年末恒例の 「ユーキャン新語・流行語大賞」 です。
一年を通じて日本中で話題となった言葉やトレンドを振り返り、その年の「世相」を映し出すこのイベントは、多くの人が“その年を象徴するキーワード”を確認するきっかけになっています。
毎年11月上旬に発表される「流行語大賞ノミネート語」は、まさに2024年の日本社会を一言で表す“ことばの鏡”。
政治、スポーツ、エンタメ、SNS文化まで、さまざまな分野から30語が選出され、そのどれもが人々の関心・感情・時代の空気を反映しています。
本記事では、
🔸 「2024年流行語大賞ノミネート語」全30語を一覧で紹介 し、
🔸 それぞれの意味・誕生の背景・話題となった理由 をわかりやすく解説します。
単なる流行のまとめではなく、「なぜこの言葉が注目されたのか？」を掘り下げながら、2024年という一年の“社会の流れ”を言葉から読み解いていきましょう。
ノミネート語とは？選考のポイント
◆ ノミネート語とは
「流行語大賞ノミネート語」とは、その年に広く使われ、社会的な話題となった言葉の中から、ユーキャン新語・流行語大賞の選考委員会によって選ばれた“候補語”を指します。
2024年も例年と同様に、世の中で注目を集めた 新しい言葉・象徴的なフレーズ・時代を映す表現 が数多くリストアップされました。
ノミネートは、
- 一般メディアやSNSでの使用頻度
- 社会的インパクト（ニュースや流行への影響度）
- 言葉としての新しさや象徴性
などを総合的に考慮して選定されます。
つまり、「ノミネート語」は“ただの流行語”ではなく、一年の社会の縮図とも言える存在なのです。
◆ 選定基準とプロセス
流行語大賞のノミネートは、まず選考委員会が年間を通じて話題となった言葉を収集し、その中から約30語を選びます。
その後、12月上旬に発表される「年間大賞」および「トップ10」の候補となる仕組みです。
選考の主な基準は以下の3つ：
- 社会性 … 社会問題・事件・文化などを象徴しているか
- 話題性 … メディアやSNSでどれほど注目を集めたか
- 独自性 … 言葉としての新しさや時代感があるか
2024年も、ニュース発の言葉からネットスラング、スポーツ界の名言まで、幅広い層の人々に使われた語が選ばれているのが特徴です。
◆ 2024年ノミネート語が多様化した背景
2024年の流行語ノミネートの傾向を見ると、これまで以上にジャンルの幅が広がっています。
政治や経済だけでなく、Z世代が生み出したSNSミーム、AI・テクノロジー関連、さらには防災・環境などの社会的テーマまでが登場しました。
これは、
- 情報発信の中心がメディアからSNSへ移りつつあること
- 一人ひとりの発言や動画が“言葉を生む力”を持つようになったこと
- 社会全体が多様な価値観を受け入れる方向に進んでいること
を示しています。
言葉のトレンドが一方向ではなく、「多極化した時代の象徴」としてノミネートされる――それが、2024年の大きな特徴と言えるでしょう。
◆ ノミネート → トップ10 → 年間大賞 の関係
発表の流れは以下のようになっています。
- 11月上旬：「ノミネート語30語」が公開
- 12月初旬：「年間大賞」および「トップ10」が発表
- ノミネート語の中から、特にその年を象徴する1語が「年間大賞」に選ばれる
つまり、ノミネート語は “2024年の最終トレンドを占う言葉たち” と言っても過言ではありません。
この記事では、次章でそのノミネート語30語を一覧化し、ひとつひとつの意味と背景を詳しく解説していきます。
2024年ノミネート語30語一覧
ノミネート語30語一覧＋解説
- アサイーボウル：ブラジル原産のアサイーをスムージー状にし、フルーツやシリアルとともにボウルで食べる「映えフード」。Z世代に再ブーム。
- アザラシ幼稚園：映像／SNSで注目された“アザラシが幼稚園のように列や行動をとる”ユーモラスな動画・話題。
- インバウン丼：訪日外国人の増加や観光トレンドの中で「インバウンド需要×飲食」で生まれた“観光客向け豪華丼”。
- 裏金問題：政治・行政の資金や金銭の不透明な動きが社会問題化した用語。2024年の社会・政治動向を反映。
- 界隈：SNSやネット上で「〜界隈」という言い方が広がり、特定のコミュニティや趣味の世界を指す言葉として浸透。
- カスハラ：カスタマーハラスメントの略。サービス業などで「客側からのハラスメント」が社会問題化している中で注目された。
- コンビニ富士山：訪日外国人や景観目的の撮影で「富士山のように見えるコンビニ駐車場」が話題に。観光・撮影トレンドを象徴。
- 侍タイムスリッパー：作品タイトル等から生まれた言葉で、時間を超える侍を題材にした話題作や流行語として注目。
- 初老ジャパン：年齢的に“初老”とされる世代が活躍する場面（たとえばスポーツチームなど）から出てきた言葉。
- 新紙幣：日本国内で紙幣のデザイン変更や発行が話題となった年に、流行語的にも使われた言葉。
- 新NISA：個人投資家向けの制度変更「新 NISA（少額投資非課税制度）」が話題化し、言葉としても広まった。
- ソフト老害：“ソフト（柔らかめ）だが老害的振る舞い”という言い回しで、働き方・職場文化を背景に広まった用語。
- トクリュウ：匿名・流動型犯罪やSNSを使った“突発的／連鎖的”なトラブルを表す新語として選出。
- 南海トラフ地震臨時情報：地震予測・災害対策の分野で注目を集めた“南海トラフ巨大地震”に関連する警報・臨時情報が言葉となった。
- 猫ミーム：SNS発で「猫×ミーム（インターネット上の流行）」。猫動画や猫写真を使った拡散文化が言語化された。
- はいよろこんで：若者の言い回しや動画発の語。軽い同意＋やる気の表現としてSNS上で使われ話題に。
- 8番出口：“8番出口”という場所／シチュエーションがSNSや話題で象徴化された言葉。背景には都市空間・待ち合わせ文化など。
- はて？：「なんだか腑に落ちない」「疑問だ」という意を込めて、“はて？”という言葉自体が流行語的に使われた。
- BeReal：SNSアプリ／サービス「BeReal」が話題になり、言葉としても“リアル投稿”などの文脈で使われた。
- 被団協：日本原水爆被害者団体協議会（被団協）の活動や報道が注目され、その略称が流行語候補に選出。
- 50-50：大谷翔平選手が米大リーグで記録した「50本塁打・50盗塁」達成を象徴する言葉として注目。
- ふてほど：ドラマのセリフ「不適切にもほどがある！」から派生し、「ふてほど」が2024年の年間大賞に選ばれた。
- Bling-Bang-Bang-Born：Creepy Nutsによるヒット曲名。音楽・若者文化を背景に言葉としても波及。
- ブレイキン：ダンス文化・B-boys／B-girls用語「ブレイキン（ブレイクダンス）」が再注目され、言葉としても流行語候補入り。
- ホワイト案件：求人やバイト募集で「ホワイト案件」という表現が話題に。働き方／職場環境のキーワードとしても。
- マイナ保険証一本化：マイナンバーカードの機能拡張や保険証統合施策がニュースになり、それを簡潔に表す言葉として“マイナ保険証一本化”が選出。
- 名言が残せなかった：パリ五輪・パラリンピックのアスリートたちの発言「名言が残せなかった」が話題となり、言葉そのものが流行語候補に。
- もうええでしょう：ドラマ／シリーズ作品のセリフが日常語化し、「もうええでしょう」が流行語候補に。
- やばい、かっこよすぎる俺：スポーツ・パラスポーツ選手の言葉から生まれたフレーズ。「やばい、かっこよすぎる俺」がSNSで拡散。
- 令和の米騒動：コメ需給・物価高・輸出入など“米（コメ）”を巡る社会問題が話題になり、「令和の米騒動」という言葉が提起された。
このように、2024年の新語・流行語大賞ノミネート30語は グルメ・食、観光、社会／政治、SNS・ネット文化、スポーツ／エンタメ、働き方・災害防止 など多様なジャンルから選ばれています。
特に注目すべき“背景に社会的意味を持つ言葉”5選
2024年のノミネート語には、単なる流行語を超え、社会の空気や価値観の変化を象徴する言葉が多く見られます。ここでは、特に注目すべき5つのキーワードを取り上げ、それぞれの背景や社会的意義を解説します。
1. 裏金問題
政治資金の不透明な流れを象徴した言葉で、2024年の政治ニュースを代表するキーワード。
政界の構造的な問題を浮き彫りにし、「説明責任」「透明性」への国民意識の高まりを示しました。SNSでも「#裏金問題」「#政治改革」がトレンド入りするなど、政治不信と改革への期待が交錯した一年を象徴しています。
2. 50-50（フィフティ・フィフティ）
メジャーリーグの大谷翔平選手が記録した「50本塁打・50盗塁」の偉業から生まれた言葉。
スポーツ界では単なる記録以上に、“二刀流の進化形”としての新たな可能性を示しました。
「努力と才能の50-50」という比喩的な使われ方も広がり、挑戦やバランスを重んじる時代精神ともリンクしています。
3. 初老ジャパン
パリ五輪で活躍したベテラン選手たちを称える言葉。
年齢ではなく経験と実力で評価される新しい価値観を体現しています。
「若さ」一辺倒だったスポーツ報道の潮流を変え、社会全体でも「年齢よりも中身」という考え方が浸透し始めました。
4. ホワイト案件
もともとSNSや転職サイトなどで使われた言葉で、「働きやすく健全な職場環境」を意味します。
2024年はリモートワーク定着や「残業ゼロ」志向の広がりとともに、
「ブラック企業」から「ホワイト案件」へという価値転換が進行。
仕事選びや転職活動の新基準として、若い世代を中心に支持されました。
5. 界隈（かいわい）
SNS発信の文脈で使われる「○○界隈」という表現が一般化し、Z世代の“コミュニティ感覚”を象徴する言葉に。
「アイドル界隈」「創作界隈」など、価値観や関心によってゆるやかにつながる文化が形成されています。
個人の時代における「所属意識」や「情報の伝播構造」を反映した、デジタル世代特有の新語です。
✍️ 総括：言葉が映す“時代の鏡”
これら5つの言葉は、2024年の世相を多角的に映し出しています。
政治・スポーツ・働き方・世代意識など、どの分野にも「価値観の再定義」という共通点がありました。
流行語は一過性のものではなく、社会の変化を読み解く手がかりでもあります。
エンタメ・SNS発の“軽めだけど流行を示す言葉”5選
流行語の中には、深い社会背景を持つ言葉だけでなく、日常に笑いや明るさをもたらした“軽めのトレンド語”もあります。
ここでは、2024年のノミネート語の中から、エンタメ・SNS発の人気ワード5選をピックアップ。
ネット文化・音楽・食・ミームといった、若者を中心に盛り上がった流行をまとめました。
1. アサイーボウル
スーパーフードとして知られるアサイーを使ったスイーツボウル。
再びブームが再燃した理由は、“映える見た目×健康志向”の融合。
カフェやSNS投稿で「#アサイーボウルチャレンジ」などのタグが流行し、
Z世代の“朝食インスタ文化”を象徴するトレンドフードとして定着しました。
2. Bling-Bang-Bang-Born（ブリンバンバンボーン）
テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』のオープニング曲として爆発的ヒット。
TikTokを中心に「BBBBダンス」として拡散し、音楽と振付が一体化したバズの典型例に。
一度聴いたら耳に残るフレーズとリズムが、「ことば」そのものを流行語化させました。
3. はいよろこんで
飲食業界や接客業での掛け声をモチーフにした、ポジティブでノリのいい返答フレーズ。
SNSでは「上司の無茶ぶりにも“はいよろこんで”で返す自分えらい」など、
ユーモラスな文脈で使われ人気化。
軽快な響きと汎用性の高さで、“令和の了解語”として定着しました。
4. 猫ミーム
SNSや動画サイトで流行した、猫の動きや表情を用いた“ミーム動画”群。
「感情を猫で表現する」文化が広まり、ネット言語の多様化と癒し需要を象徴。
「疲れたときは猫ミームで回復」「推し猫ミーム投稿」など、SNSでの拡散力も抜群でした。
5. コンビニ富士山
富士山の撮影スポットとして知られるコンビニがSNSで話題化。
訪日観光客が投稿した写真をきっかけに、“日本らしさ×日常”の絶妙な対比が人気に。
“コンビニから見える絶景”という構図が「偶然のアート」として注目され、
観光とネットミームの融合を象徴する言葉になりました。
🎤 総括：SNSは“ことばの発生源”に
2024年は、エンタメやSNSを発信源にした言葉が次々と誕生しました。
共通しているのは、「共感」「笑い」「シェアしたくなる軽さ」。
これらの流行語は、ネット文化のスピード感と、日常を楽しむ感性を反映しています。
まさに、“SNS発の言葉が文化を動かす”時代を象徴するラインナップといえるでしょう。
もう少し掘り下げたい“専門性・社会派”言葉5選
2024年のノミネート語の中には、社会問題や専門分野に関わる、知的で考えさせられるワードも多く見られました。
ニュースや政策、社会運動などを背景に生まれたこれらの言葉は、**時代の「課題意識」や「変化の兆し」**を映し出しています。
ここでは、深掘りしたい社会派・専門性の高い5語を紹介します。
1. カスハラ（カスタマーハラスメント）
「カスタマーハラスメント」の略で、顧客による過度な要求や暴言など、従業員への迷惑行為を指す言葉。
サービス業界を中心に被害報告が増え、2024年には企業や自治体による「カスハラ対策マニュアル」が広がりました。
社会全体で「お客様は神様」から「お互いを尊重する関係へ」と価値観が変化している象徴的なワードです。
2. 南海トラフ地震臨時情報
大規模地震の前兆とされる活動が観測された際に発表される情報で、防災意識の高まりを象徴する専門用語。
2024年は防災訓練や自治体の備えが強化され、ニュースでも頻繁に登場しました。
「臨時情報＝すぐに地震が来る」ではないという正しい理解が広まり、“備えと冷静さ”の両立が求められる年でもありました。
3. 被団協（ひだんきょう）
「日本原水爆被害者団体協議会」の略称。
核兵器の廃絶を訴える団体として長年活動してきましたが、2024年は世代交代や国際的対話の進展により再注目。
戦争体験をどう次世代に伝えるかという問いが強く意識され、若い世代が“平和の語り部”として活動を始める契機にもなりました。
4. 新NISA
2024年に制度が刷新された「NISA（少額投資非課税制度）」の新バージョン。
投資枠の拡大や恒久化によって、個人投資の裾野が一気に広がった年となりました。
“貯蓄から投資へ”という国の方針を象徴し、SNSでは「#新NISAデビュー」「#投資初心者」などのタグが流行。
金融リテラシーの重要性を世代を超えて広めたキーワードです。
5. 侍タイムスリッパー
一見ユニークな響きながら、アニメ・ゲーム・ネット文化を背景にした時空を超える“侍キャラ”ブームを象徴する言葉。
作品のタイトルやSNSミームなどで話題を集め、「日本文化×SF・ファンタジー」の融合を象徴する存在として注目されました。
エンタメ要素を持ちながらも、“時代を超えて日本的価値をどう継承するか”というテーマを内包しています。
🧭 総括：言葉は社会の「今」を記録する
これらの言葉は、政治・防災・経済・文化といった多様な領域で、社会の課題と希望を可視化する役割を果たしています。
2024年の流行語大賞は、単なる流行ではなく、「私たちは今、何に関心を持ち、何を変えようとしているのか」を映し出す“社会の鏡”ともいえるでしょう。
ノミネート語から読み解く “2024年の世相”
2024年の流行語ノミネート30語を見渡すと、単なる一時的なブームではなく、社会の価値観の変化や人々の感情が反映された“世相の縮図”であることが分かります。
ここでは、今年のキーワード群から見える時代の流れと傾向を整理してみましょう。
1. 若年層・SNS発の言葉が増えている傾向
2024年は、Z世代を中心にSNSから生まれた言葉が数多くノミネートされました。
「はいよろこんで」「猫ミーム」「コンビニ富士山」など、ネット上の共感や拡散の速さが流行を決定づける時代に。
かつてのテレビ発信型の流行語から、**“個人が発信し、共感で広がる文化”**への移行が鮮明になっています。
2. 政治・社会問題・働き方・災害意識などのキーワードが流行語と結びつく
「裏金問題」「カスハラ」「南海トラフ地震臨時情報」「ホワイト案件」など、
2024年はニュースや社会課題を背景にした言葉が多く登場しました。
これらの流行語は、人々の関心が“社会の仕組み”や“生活の安全”に向かっていることを示しています。
日常の中で政治・労働・防災といったテーマを“自分ごと化”して語る文化が広がっているのです。
3. 映像・音楽・スポーツが言葉を生む力を持っている
「Bling-Bang-Bang-Born」「50-50」「初老ジャパン」など、エンタメやスポーツ分野からも多数のノミネートがありました。
SNS動画、テレビ、YouTubeなど、**“映像発のことば”**が人々の感情を動かし、言葉として独り歩きする傾向が強まっています。
音楽やスポーツが「名場面」だけでなく「名フレーズ」を生み出す時代へ。
この傾向は、言葉が“文化的エネルギー”として機能していることを示しています。
4. 言葉が“話題”ではなく“意味”を持つ時代へ
2024年の流行語大賞をめぐる特徴的な変化は、「面白い言葉」よりも「考えさせる言葉」が増えたことです。
「被団協」「新NISA」「界隈」など、背景に社会構造や文化的意味を持つ言葉が注目を集めました。
つまり、言葉は一過性の「ネタ」ではなく、社会の“価値観を記録するメディア”になりつつあるのです。
流行語が“社会と人をつなぐキーワード”になった2024年は、まさに「意味の時代」の到来を感じさせます。
🔍 総括：2024年の流行語が映す「時代のリアル」
2024年のノミネート語は、笑い・共感・考察・行動のすべてが混ざり合った“多層的な言葉たち”でした。
SNSで生まれ、社会で広まり、個人の中で意味を持つ——
そんな“言葉の進化”が、今年の世相を象徴しています。
来年（2025年）に向けての展望
――言葉の行方と“次の時代”をつくるキーワード
2024年の流行語を振り返ると、社会の変化や個人の意識の変動が、はっきりと言葉に現れた一年でした。
では、来年（2025年）にはどんな言葉が注目され、何が“流行語”になるのか？
そのヒントは、2024年のノミネート語の傾向の中にあります。
1. 流行語の選び方・変化の予測
2025年の流行語は、「社会課題 × テクノロジー × 個人の感情」がキーワードになる可能性が高いと考えられます。
🌍 注目のテーマ例
- AI（人工知能）／生成AI
ChatGPTや画像生成AIの進化が止まらず、教育・ビジネス・クリエイティブの現場で“日常語化”が進行。
「AI彼氏」「AI部下」など、AIを人格的に語る言葉が生まれる可能性も。 - ジェンダー／多様性の再定義
「女性活躍」や「LGBTQ＋」といった言葉が既存の枠を超え、
より生活の中に浸透する新しい表現――たとえば「ジェンダーレス制服」「リーダーシップの多様化」などがキーワードに。 - 脱炭素／サステナブル
気候変動が社会全体の関心事となる中で、
「カーボンゼロ」「エコ旅」「リユース経済」といった“行動を促す言葉”が流行の中心に来る可能性があります。
つまり、2025年は**「テクノロジーと社会意識が融合する言葉」**が時代を象徴していく年になりそうです。
2. 自分でも“流行語”になる言葉を生み出すには？
流行語は偶然ではなく、「共感」「発見」「言語センス」の組み合わせから生まれます。
個人や企業が“発信者”として注目を集める時代において、
以下の3つの視点が、流行語を作るためのヒントになります。
- 共感性：他人が「わかる！」と感じる日常の瞬間を切り取る。
例：「ホワイト案件」「界隈」など、誰もが感じていたけど言語化されていなかった感情。 - 簡潔性：短く・リズムよく・覚えやすく。
例：「はいよろこんで」「Bling-Bang-Bang-Born」など、響きや音感が印象に残る言葉。 - 再現性：SNSで真似したくなる、タグ化・引用化できる語感を持たせる。
例：#〇〇した件 #〇〇力 #〇〇すぎる など、“拡散される文脈”を意識。
3. ノミネート語を振り返りつつ「使える言葉」としてどう活かすか
2024年のノミネート語には、ただ“話題になる”だけでなく、
自分の意見や気持ちを表す“使える日本語”が多く含まれていました。
たとえば——
- 「ホワイト案件」＝働きやすい環境を褒めるポジティブな表現
- 「カスハラ」＝問題行動を正しく言語化して防ぐ社会的ツール
- 「界隈」＝自分の所属する文化圏を表す新しい“コミュニティ言語”
これらのように、流行語を“語彙力の拡張”として活用することが、次の年に向けた知的トレンドの活かし方です。
言葉は一度流行して終わるものではなく、社会を理解し、未来を語るための道具なのです。
総括：2025年は「意味を持つ言葉」と「行動を生む言葉」が主役に
2024年は、社会問題や個人の意識を言葉にした年。
それを受けて2025年は、“社会を動かす言葉”の時代になるでしょう。
AI・環境・多様性・平和――。
どのテーマにおいても、「発信する一人ひとりの言葉」が共感を呼び、
次の流行を生み出していく時代が、すぐそこに来ています。