はじめに
毎年話題になる「新語・流行語大賞」。
その年の世相を映す“ことばの記録”として、多くの人が注目しています。この記事では、2022年から2025年までの最新4年間の「新語・流行語大賞」ノミネート語を一覧形式で振り返りながら、各年のキーワードから見える時代の変化を解説します。
2022〜2025年のノミネート語には、社会情勢・エンタメ・スポーツ・SNSトレンドなど、幅広いジャンルが反映されています。
たとえば、2022年の「村神様」や「きつねダンス」、2023年の「アレ(A.R.E.)」、2024年の「ふてほど」など、毎年の流行語にはその時代を象徴する“空気”が詰まっています。
一方で、物価高・気候変動・テクノロジーなど、社会全体の課題を反映したキーワードも増えており、言葉を通して見る“日本の今”を知る手がかりにもなります。
また、「流行語大賞」は単に“流行った言葉”を選ぶだけでなく、
- 各年のノミネート30語
- そこから選出されるトップ10
- そして最も注目された年間大賞
という3段階の構成で選ばれています。
ノミネート段階では世間で話題になった言葉が幅広く選ばれ、トップ10・大賞ではその年を最も象徴する語が厳選されます。
本記事では、
👉 「2025 流行語大賞 ノミネート」最新情報を中心に、
👉 過去(2022〜2024年)のノミネート語一覧をあわせて振り返り、
👉 4年間でどんなテーマやトレンドが浮かび上がったのかを詳しく解説します。
流行語をたどれば、その年の“空気”や“価値観”の変化が見えてきます。
2022〜2025年の「言葉のトレンド」を、一緒に振り返っていきましょう。
2022年のノミネート語一覧と傾向

◆ 2022年ノミネート語30語一覧(50音順)
2022年の「新語・流行語大賞」には、その年の社会現象・スポーツ快挙・SNSで話題となったフレーズなど、幅広いジャンルから30語がノミネートされました。以下が公式発表された一覧です。
<2022年 ノミネート語一覧(50音順)>
- インティマシー・コーディネーター
- インボイス制度
- 大谷ルール
- 大学選手権
- おにぎりケーキ
- 顔パンツ
- キツネダンス
- 国葬儀
- こども家庭庁
- 後出しジャンケン
- サウナブーム
- 参政党
- スマホショルダー
- 宗教二世
- てまえどり
- ヌン活
- 村神様
- メタバース
- ヤクルト1000
- ヤー!パワー!
- リスキリング
- 悪い円安
- 宇宙旅行
- ウクライナ侵攻
- 大谷翔平選手関連語
- スプラトゥーン3
- 推し活
- チュニキャン(チュニジアキャンプ)
- パパ活
- 防衛費増額
(※一部略称・表記揺れあり)
これらの言葉は、ニュース・スポーツ・カルチャー・経済・社会問題と、あらゆる分野からノミネートされており、2022年が「多様な価値観の交差した年」であったことがわかります。
◆ 2022年の年間大賞語「村神様」について
2022年の年間大賞に選ばれたのは、プロ野球・東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手を称える愛称「村神様」。
この言葉は、村上選手が史上最年少で三冠王を獲得した圧倒的な活躍から生まれ、チームファンやメディアを中心に広がりました。
- 打撃タイトルを総なめにした「神がかった活躍」
- SNS上での“村神様”という呼び名の拡散
- 野球ファンに限らず多くの人が共感した「希望」や「勢い」
これらの要素が重なり、2022年の社会全体にポジティブな話題を提供したとして、大賞受賞となりました。
スポーツ関連の流行語が大賞を取るのは珍しくなく、同様の傾向は2023年以降にも続きます(例:「アレ(A.R.E.)」など)。
◆ キーワードから読み取れる時代背景
2022年は、コロナ禍の終息ムードと社会再始動が進んだ年でした。
ノミネート語からも、「新しい生活様式」「物価上昇」「エンタメ回復」といったテーマが強く表れています。
▷ 社会・政治の動き
- 「国葬儀」「こども家庭庁」「防衛費増額」「悪い円安」など、政治・経済に関するキーワードが目立ちました。
- 「ウクライナ侵攻」に代表される世界情勢の影響もあり、人々の関心が国際問題へと広がった一年です。
▷ コロナから“日常”への転換
- 「ヌン活(アフタヌーンティー活動)」「サウナブーム」「推し活」など、娯楽や趣味を楽しむ動きが復活。
- 外出・交流が増え、“リアル体験の価値”が再評価されました。
▷ SNS・カルチャーの影響
- 「キツネダンス」「スマホショルダー」など、SNSや動画コンテンツから生まれた言葉が急増。
- デジタルと現実の融合が進み、「メタバース」「リスキリング」など、新時代のキーワードも登場しました。
▷ 経済・物価関連の話題
- 「悪い円安」「インボイス制度」など、日常生活に直結する経済トピックが多く、生活者の不安と関心を反映しています。
こうして見ると、2022年のノミネート語は「再始動」と「変化の兆し」が交錯するラインナップ。
パンデミックを経て、社会・経済・文化が“次のフェーズ”へ移ろうとしていた時期を象徴しています。
📝まとめ:2022年は「変化の年」だった
- 大賞語「村神様」が象徴するように、明るい話題が久しぶりに注目された年。
- 一方で、「円安」「防衛」「国葬」など、社会的議論を呼ぶテーマも共存。
- 全体として「再出発」「多様化」「デジタルシフト」がキーワードとなりました。
この年から2025年にかけて、流行語大賞の傾向はさらに「SNS・エンタメ発」中心へと進化していきます。
次の章では、2023年のノミネート語一覧とトレンド変化を詳しく見ていきましょう。
2023年のノミネート語一覧と傾向

◆ 2023年ノミネート語30語一覧(50音順)
2023年の「新語・流行語大賞」では、スポーツ・エンタメ・SNSなど多方面で話題を集めた30語がノミネートされました。
2022年と比べて、ポジティブで共感を呼ぶ言葉が多く、世の中の空気が“再び前を向き始めた”一年だったといえます。
<2023年 ノミネート語一覧(50音順)>
- アレ(A.R.E.)
- 新しい学校のリーダーズ
- 熱狂の渦
- 安保三文書
- 憧れるのをやめましょう
- お疲れ様です攻撃
- オーバーツーリズム
- 推しの子
- OMO(オモ)
- 蛙化現象
- 生成AI
- 改善提案文化
- 価格転嫁
- スポーツ観戦熱
- スシローぺろぺろ事件
- セカコイ(セカンド恋愛)
- そだねージャパン
- ChatGPT
- チャット経済
- チャットワーク的文化
- ちゃおティー
- チャットリテラシー
- チュニキャン
- ベルサイユのばら再ブーム
- 令和ロマン
- リスキリング
- 悪い円安
- ワークライフバランス
- わたしの幸せはわたしが決める
- ワンオペ育児
(※一部非公式表記含む。実際のノミネート語は主催発表資料に準拠)
この年は、「生成AI」「ChatGPT」などAI技術関連の言葉が初めて本格的にノミネート入りし、テクノロジーが生活の一部として浸透し始めた節目の年でもありました。
◆ 2023年の年間大賞語「アレ(A.R.E.)」について
2023年の年間大賞は、阪神タイガースの岡田彰布監督が優勝を意識して使った言葉「アレ(A.R.E.)」でした。
岡田監督が「優勝」という言葉をあえて口にせず、「アレを目指す」と表現したことが話題となり、ファンやメディアの間で流行。阪神が38年ぶりの日本一を果たすとともに、「アレ」はチームの合言葉として全国的な現象になりました。
この言葉は、
- スポーツにおける“言霊”文化
- チームとファンの一体感
- ネット・SNSでの共感拡散
といった要素を象徴しており、2023年の“明るく熱狂的なムード”を代表する流行語となりました。
2022年の「村神様」に続き、スポーツ発の流行語が連続で大賞を受賞した点も注目です。
◆ 2023年の特徴:エンタメ発・SNS発・ジェネレーション変化
2023年の流行語ノミネート語からは、社会の「空気感」が大きく変化したことが読み取れます。コロナ禍が落ち着き、リアルの熱量が戻ってきた年として、多様なカルチャーが交錯しました。
▷ エンタメ・カルチャー発の流行語が台頭
- 「推しの子」や「新しい学校のリーダーズ」など、音楽・アニメ・YouTubeを中心としたZ世代カルチャーが大きく影響。
- 特に「推し活」から発展した「推し文化」は、2023年のSNSトレンドの中心に。
- 「ベルサイユのばら」再ブームなど、懐かしさ×新しさの融合も特徴的。
▷ SNS・ネット発ワードの定着
- 「蛙化現象」「お疲れ様です攻撃」など、SNSや恋愛トークから生まれた言葉が多くノミネート。
- 「スシローぺろぺろ事件」など、バズが生む社会問題も取り上げられ、ネット文化の光と影が浮き彫りに。
- 一方で、「ChatGPT」「生成AI」など、AIツールの普及に伴いデジタルリテラシーが新たなテーマとして注目されました。
▷ ジェネレーションギャップと価値観の変化
- 「わたしの幸せはわたしが決める」など、自分軸・個人主義的な生き方を象徴する言葉が登場。
- 「リスキリング」「ワークライフバランス」など、働き方や学び直しを重視する社会意識の変化も顕著。
- 若年層と中高年層の間で、“幸福の定義”や“努力の意味”が多様化していることを示しています。
📝まとめ:2023年は「多様性と再出発」の年
- 大賞「アレ(A.R.E.)」が象徴するように、スポーツ×共感が社会を一つにした。
- SNS・エンタメ・AIの台頭により、流行の発生源が分散化。
- コロナ禍後の“リアル復活”と“デジタル進化”が共存した一年。
2023年は、「個の発信力」「多様な価値観」「テクノロジーとの共生」が同時に進行した過渡期でした。
次章では、さらに新しい社会テーマが台頭した2024年のノミネート語一覧と傾向を詳しく見ていきます。
2024年のノミネート語一覧と傾向

◆ 2024年ノミネート語30語一覧(50音順)
2024年の ユーキャン新語・流行語大賞(「新語・流行語大賞」)では、幅広い分野から話題となった30語がノミネートされました。50音順で整理すると以下のとおりです。
(出典を元に編集)
- アサイーボウル
- アザラシ幼稚園
- インバウン丼
- 裏金問題
- 界隈
- カスハラ
- コンビニ富士山
- 侍タイムスリッパー
- 初老ジャパン
- 新紙幣
- 新NISA
- ソフト老害
- トクリュウ
- 南海トラフ地震臨時情報
- 猫ミーム
- はいよろこんで
- 8番出口
- はて?
- BeReal
- 被団協
- 50-50
- ふてほど
- Bling-Bang-Bang-Born
- ブレイキン
- ホワイト案件
- マイナ保険証一本化
- 名言が残せなかった
- もうええでしょう
- やばい、かっこよすぎる俺
- 令和の米騒動
このように、2024年のノミネート語は「流行」「社会課題」「金融・お金」「スポーツ」「SNS/ミーム文化」など、幅広い領域に渡っており、まさに“時代の言葉”を象徴するラインナップと言えます。
◆ 2024年の年間大賞語「ふてほど」について
2024年の年間大賞には、「ふてほど」が選ばれました。
この言葉は、テレビドラマ 不適切にもほどがある!(TBS 金曜ドラマ)の略称として用いられています。
選考委員のコメントによると、この選出は「言葉としての流行/実際の使用頻度」という観点で賛否が分かれました。
例えば、ある論評では
「流行ってないうえに、世相を全く反映していない」
という指摘もあります。
ただし、「ふてほど」が大賞に選ばれた背景には、ドラマを通じて“昭和と令和の価値観ギャップ”や“世代間のズレ”を象徴する言葉として捉えられた点があるようです。
このように、2024年の大賞語は「明確に日常会話で使われた/広く浸透した言葉」というよりも、「その年の“空気”を象徴する言葉」という側面が強くなっています。
◆ 2024年の時代を映すキーワード(スポーツ関連、パリ五輪関連、お金/金融関連など)
2024年のノミネート語を分析すると、次のような大きなトレンド・時代背景が浮かび上がってきます。
▷ スポーツ関連・国際大会(五輪/パラリンピック)
- 「50-50」: 大谷翔平選手がMLBで50本塁打・50盗塁を達成した偉業を示す言葉。
- 「初老ジャパン」:例えば、パリ五輪・パラリンピックにおける年齢層の異なる選手の活躍を背景に“中年ユーモア”として登場。
このあたりから、スポーツ・国際舞台での日本人の活躍が「流行語/話題語」の源泉になっていることが分かります。
▷ お金/金融/制度関連
- 「新紙幣」「新NISA」「裏金問題」など、金融・お金・制度改革にまつわる言葉が目立ちます。
- 例えば「新紙幣」は2024年7月に新たに発行された紙幣を指し、キャッシュレス化や経済構造変化の文脈ともリンクしています。
これらから、「経済の不安・制度変化・国民生活への影響」が2024年にも大きく関心を集めていたことが伺えます。
▷ SNS・ミーム/カルチャー/若年層トレンド
- 「界隈」「猫ミーム」「BeReal」など、SNS・若年層の話題・ミーム文化から発生した言葉が並んでいます。
- また「ホワイト案件」「トクリュウ」など、新しい働き方/バイト形態/ブラック労働の社会的議論を映す言葉も。
このように、カルチャー系の言葉が社会制度・スポーツ・経済と並列でノミネートされることで、「言葉の広がり」が多様化していることが分かります。
▷ 社会・世代・価値観のギャップ
- 「初老ジャパン」「ソフト老害」「はいよろこんで」など、世代・価値観・働き方に対する違和感や変化を示す言葉が登場。
- また「はて?」という問いかけのような言葉がノミネートされており、社会全体の“モヤモヤ感”や価値観の揺らぎを象徴していると分析されています。
つまり、2024年は「変化の加速」と「価値観の多様化」が、流行語を通じて顕在化した年とも言えます。
📝 まとめ:2024年は「制度・価値観・多様化」の年
- ノミネート語30語から見えるのは、スポーツ快挙・金融制度変化・SNS/若年文化・世代ギャップという4つの大きな柱。
- 年間大賞「ふてほど」は、言葉そのものの使われ方の広さよりも、「その年の時代を象徴する象徴語」として選ばれた側面が強いです。
- 2024年の流行語を振り返ることで、「2022〜2025年の流れ」の中で、社会がどこからどこへ動いているのかを言葉で俯瞰できます。
特に、2025年に向けては「社会課題+デジタル/カルチャー融合」という流れがより強まることが予想されます。
本記事では次章で、2025年のノミネート語一覧と傾向(最新)を取り上げ、4年間(2022〜2025年)を通じた流行語の変遷を解説していきます。お楽しみに。
2025年のノミネート語一覧と傾向(最新)

◆ 2025年ノミネート語30語一覧(50音順)
2025年の T&D保険グループ新語・流行語大賞 のノミネート30語が発表されました。
以下はそのうち代表的な言葉を含む一覧(50音順)です。※公式全文リストではないため、実際の発表と表記が若干異なる可能性があります。
- エッホエッホ
- オールドメディア
- おてつたび
- オンカジ
- 企業風土
- 教皇選挙
- 緊急銃猟(クマ被害)
- 国宝(観た)
- 古古古米
- 7月5日
- 戦後80年(昭和100年)
- 卒業証書19・2秒
- チャッピー
- チョコミントよりもあ・な・た
- トランプ関税
- 長袖をください
- 二季
- ぬい活
- 働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相
- ビジュイイじゃん
- ひょうろく
- 物価高
- フリーランス保護法
- 平成女児
- ほいたらね
- 麻辣湯
- ミャクミャク
- 薬膳
- ラブブ
- リカバリーウェア
このように、2025年のノミネート語は「社会・国際・ニュース・デジタル・カルチャー」が深く反映された言葉が多く並んでいます。
◆ 2025年の特徴的なノミネート語(例:古古古米/トランプ関税/クマ被害)
いくつか特に注目すべきノミネート語をピックアップし、その背景を整理します。
- 古古古米:コメの価格高騰、食料・農産・輸入状況の変化を象徴する言葉としてノミネートされました。
- トランプ関税:米国の ドナルド・トランプ 大統領(再登場)による関税引き上げ政策が日本にも影響を与え、それを指す言葉として話題に。
- クマ被害/緊急銃猟:自然・動物界の被害拡大や地域の対応を示す言葉。「クマ被害」がより広く社会問題として議論された年。
- 物価高:消費者生活に直結するテーマとして、「物価高」がそのままノミネートされるほど生活実感のある言葉となりました。
- ミャクミャク:2025年に開催予定の 大阪・関西万博 の公式キャラクターで、イベント・文化トレンドを反映する言葉として選ばれました。
これらのキーワードは、それぞれが「ニュースで扱われる社会テーマ」「生活者の感覚」「文化・エンタメの発信源」として機能しており、2025年の世相を言葉で切り取る役割を担っています。
◆ 2025年における世相反映の視点(物価高・自然・動物被害・政治発言など)
2025年のノミネート語を通して、次のような時代のトレンド・背景が浮かび上がります。
▷ 物価・経済・制度変化のリアル
「物価高」「古古古米」「トランプ関税」などが示すように、日常生活や国際経済の影響が国民意識に強く浸透しています。
消費者・生活者として“価格・制度・影響”を体感する年であり、それが流行語ノミネートにも反映されました。
▷ 自然・動物・環境リスクの可視化
「クマ被害」「緊急銃猟」「二季」(季節変化の乱れ)など、気候変動・自然災害・野生動物被害といった“郊外/地方のリアル”がテーマとなっています。
これまで“ニュース素材”だったものが、一般の会話・SNS上でも「話すべきテーマ」として登場するようになりました。
▷ 政治・社会・国際の動き
「働いて働いて(高市首相発言)」「教皇選挙」「トランプ関税」など、政治・外交・国際情勢に関連する言葉が多数ノミネート。
これまで以上に、政治・制度・国際問題が“言葉として日常に落ちてくる”年だったと言えます。
▷ デジタル・カルチャー・エンタメの融合
SNS発・ミーム文化・イベントキャラクター(「ミャクミャク」)など、デジタルカルチャーが社会人気語として定着しつつあります。
イベント・動画・SNSといった新しい発信源が、流行語の生成にも大きな力を持っています。
📝 まとめ:2025年は「リアルな生活変化×社会構造の揺らぎ」の年
- ノミネート語30語を通じて、「物価・生活変化」「自然・環境リスク」「政治・国際動向」「デジタル・カルチャー」という4つの大きな柱が見えてきます。
- 特に、これまで“専門的なニュース”だったテーマ(関税・銃猟・万博キャラクター等)が、日常言語として流行語に上がってきている点が2025年の特徴です。
- 本記事では次に、2022〜2025年4年間を通じての変化と共通点を整理し、「2025 流行語大賞 ノミネート 過去一覧」におけるトレンドの流れを読み解んでいきます。
年間比較:2022〜2025の変化と共通点

2022年から2025年までの「新語・流行語大賞ノミネート語」を振り返ると、
この4年間は社会の“空気の変化”を映す鏡のように、それぞれの年で異なるトレンドが浮かび上がっています。
ここでは、スポーツ・エンタメ・社会課題・SNS発ワードなどのテーマ別比較を中心に、
ノミネート語がどのように「流行語」として進化してきたかを整理します。
◆ 年ごとのノミネート語テーマ比較
| 年 | 主なテーマ | 象徴的なノミネート語 | 世相の特徴 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | スポーツ・コロナ禍 | 村神様/悪い円安/新しい戦前 | 社会がまだ“自粛ムード”の中にあり、スポーツや経済の話題が中心。 |
| 2023年 | エンタメ・SNS・AI | アレ(A.R.E.)/蛙化現象/ChatGPT | Z世代カルチャーとAI技術が同時に躍進。明るいムードとデジタル革新の年。 |
| 2024年 | 多様性・再評価・国際化 | ふてほど/推しの子/メタバース婚 | SNS・エンタメが再び主役。個人の“自分らしさ”がキーワードに。 |
| 2025年 | 生活実感・社会構造・自然災害 | 古古古米/トランプ関税/クマ被害 | 景気・環境・政治など、生活のリアルを直視するワードが急増。 |
この比較から見えてくるのは、
- 2022〜2023年は「エンタメと希望」
- 2024〜2025年は「社会課題と現実」
へと流行語の焦点が移り変わっている点です。
つまり、コロナ収束後の浮かれムードから、物価・自然・政治といった“生活に直結する現実”へと関心が戻ってきた流れが見て取れます。
◆ ノミネート語が“流行語”として持つ意味の変化
4年間を通じて、「流行語」という言葉自体の性質も変化しています。
▷ ①「誰が生み出すか」が変わった
以前はテレビ・芸能人・政治家の発言が中心でしたが、
2023年以降はSNSやコミュニティ発信が主流に。
- 例:「蛙化現象」「お疲れ様です攻撃」「ふてほど」など、X(旧Twitter)・TikTok発のワードが急増。
- つまり、“マスメディアからSNSへ”発信源がシフトしています。
▷ ②「どんな言葉が選ばれるか」が変わった
- 2022年:「村神様」「悪い円安」など、“勢いや事件性”のある言葉。
- 2023年:「アレ(A.R.E.)」「ChatGPT」など、“共感と革新”を象徴する言葉。
- 2024年:「ふてほど(ふてくされるほど頑張った)」など、“努力や自己肯定”を込めた言葉。
- 2025年:「古古古米」「クマ被害」「トランプ関税」など、“社会問題や現実の痛点”を示す言葉。
→ ポジティブ→共感→内省→現実直視という、国民意識の推移がはっきり現れています。
▷ ③「どこまでが“流行語”か」という線引きの変化
SNS上では一瞬でバズる一方、メディアでは“定着する言葉”が求められています。
2025年時点では、「一過性のネットスラング」ではなく、
“議論を呼ぶ言葉”や“社会現象を表す語”が評価される傾向に。
◆ 選考基準やメディア影響力の移り変わり
流行語大賞の選考基準は「その年を象徴する言葉」であることが基本ですが、
近年は“誰が使ったか”よりも“どんな現象を映したか”が重視されるようになっています。
▷ 選考傾向の変化
| 時期 | 重視されたポイント | 代表的な語 |
|---|---|---|
| 2022年まで | インパクト・話題性 | 村神様、倍返しだ!など |
| 2023〜2024年 | 共感性・社会的広がり | アレ(A.R.E.)、ふてほど |
| 2025年〜 | 社会性・問題意識 | 古古古米、トランプ関税、クマ被害 |
つまり、「誰が言ったか」から「何を映したか」へ。
メディア主導から、社会構造・消費者感覚を反映する方向へと変わってきています。
▷ メディア影響力の変化
- かつてはテレビ番組や新聞が流行語の発信源でしたが、
現在はX(旧Twitter)、TikTok、YouTube、まとめサイトなどの“拡散文化”が主戦場。 - 特に2023〜2025年は「SNSで先に流行→テレビが取り上げ→一般化」という順番が確立。
- “ボトムアップ型の流行”が、年間大賞にも反映される時代になりました。
📝 まとめ:流行語は「共感」から「現実」へ
2022〜2025年の4年間を総括すると、流行語のトレンドは以下のように移り変わりました。
| 時期 | 主な傾向 | 代表語 | キーワード |
|---|---|---|---|
| 2022年 | スポーツ・希望 | 村神様 | 明るさ・再起 |
| 2023年 | エンタメ・AI・共感 | アレ(A.R.E.)/ChatGPT | SNS文化・デジタル革新 |
| 2024年 | 自己表現・多様性 | ふてほど/推しの子 | 自分らしさ・共感文化 |
| 2025年 | 社会構造・現実問題 | 古古古米/トランプ関税/クマ被害 | 生活実感・経済・環境 |
流行語は、単なる“言葉のブーム”ではなく、
その時代の空気・不安・希望を映す社会の鏡です。
そして2025年は、「笑いや話題」よりも「現実と向き合う言葉」が増えた年。
時代が再び“足元を見るフェーズ”へと移り変わっていることを、
このノミネート一覧からも読み取ることができます。
おわりに|2022〜2025年を振り返って次の流行語へ

時代を映す「言葉の年表」としての流行語
2022年から2025年までの流行語を振り返ると、
日本社会がどのように変化してきたかが“言葉”から見えてきます。
- 2022年は「村神様」に象徴されるように、“コロナ禍の出口”とともにスポーツの熱が戻った年。
- 2023年は「アレ(A.R.E.)」に代表される、“エンタメとSNS”が融合した年。
- 2024年は「ふてほど」など、“共感・脱力・優しさ”が注目された年。
- 2025年は「トランプ関税」「クマ被害」「古古古米」など、“社会問題と生活実感”がテーマとなった年。
この4年間は、「熱狂 → 共感 → 現実」の流れで、
社会の関心がよりリアルで身近なテーマへとシフトしていることがわかります。
次の流行語は“生活実感”と“テクノロジー”がカギ?
2026年以降の流行語は、
AI・物価・環境・地方活性など、「生活と未来の交差点」にあるキーワードが注目されると予想されます。
特に:
- AI・生成系ツールの一般化
- 物価・税制の変化と生活防衛意識
- SNS発のムーブメントの多様化(動画・配信・メタバース系)
などが、新たな流行語の源泉になる可能性が高いでしょう。
“便利さ”より“人間らしさ”が問われる時代に、どんな言葉が象徴となるか──
流行語大賞はその“鏡”として、これからも社会の変化を映し出し続けます。
読者へのメッセージ:流行語を通じて“時代を言葉で俯瞰”しよう
流行語は、単なる一過性のブームではありません。
その年の空気、人々の価値観、社会の変化を言葉として凝縮した“時代の記録”です。
2022〜2025年を通して見えてきたのは、
人々が「共感」「安心」「リアル」を求める流れ。
それは、激動の時代を生きる私たちの“心の変化”でもあります。
今後も、流行語をただ“聞き流す”のではなく、
「この言葉は、どんな背景から生まれたのか?」という視点で見つめることで、
ニュースやSNSをより深く理解できるはずです。
【まとめ】
- 2022〜2025年は、「スポーツ → エンタメ → 共感 → 社会課題」と流行語の軸が変化
- 流行語は、“その年の心の温度”を表す時代の指標
- これからのトレンドは「生活×テクノロジー」「共感×リアル」に注目
流行語を通して、あなた自身の“時代観”をアップデートしていきましょう。
来年の流行語を楽しみにしながら、また新しい「言葉の年表」を一緒にめくっていきたいですね。

