「同じ商品なのに、持ち帰りだと“8%”、店内で食べると“10%”になるのはなぜ?」
「そもそも消費税10%っていつから始まったの?」
――そんな身近なのに意外と知らない“消費税の不思議”を、わかりやすくまとめました。
2019年の増税以降、日本では 8%と10%が混在する少し複雑な税制度 が続いています。
その背景には「軽減税率」という仕組みがあり、買う場所や食べ方で税率が変わるという、ちょっとした“お金のトリビア”が隠れています。
本記事では、消費税10%が始まった理由から、軽減税率の仕組み、同じ商品でも税率が変わるケースまで、日常に役立つ情報を徹底解説。
読んだその日から“損しない買い方”ができるようになる内容です。
消費税10%はいつから始まった?
2019年10月1日から「消費税10%」がスタート
日本の消費税が 10%になったのは、2019年10月1日。
これは、1990年代から段階的に検討されてきた“社会保障費の増大”に対応するための政策で、約5年越しでの実施となりました。
本来は 2015年に10%へ引き上げる予定 でしたが、景気への悪影響を避けるために2度延期され、最終的に2019年に実施されました。
10%への増税と同時に導入されたのが、
「軽減税率制度」(一部商品は8%のまま)です。
これにより、今もレシートに “8%と10%が混在する” 状態が続いています。
それまでの消費税の歴史(3%→5%→8%→10%)
日本の消費税は、以下のように段階的に引き上げられてきました。
| 年 | 税率 | 主な背景 |
|---|---|---|
| 1989年(平成元年) | 3% | 消費税が初めて導入された年。高齢化に備えるための財源確保が目的。 |
| 1997年(平成9年) | 5% | 景気回復を背景に税率引き上げ。社会保障の財源をさらに強化。 |
| 2014年(平成26年) | 8% | 東日本大震災後の財政再建、医療・介護の費用増。 |
| 2019年(令和元年) | 10% | 軽減税率を伴う増税。「持続可能な社会保障」を目指す段階へ。 |
この約30年間で2%→5%→8%→10%と、
高齢化と社会保障費の増加に合わせて負担が大きくなってきた ことがわかります。
特に医療費・年金・介護の支出は右肩上がりで、消費税はその安定的な財源と位置づけられています。
なぜ2019年に増税されたのか?背景と目的
10%への増税には、明確な理由があります。
主なポイントは3つです。
① 高齢化に伴う社会保障費の急増
日本は世界でもトップクラスのスピードで高齢化が進んでおり、
医療・介護・年金の支出が毎年増加。
▼ 2019年の社会保障費: 約121兆円
▼ 2025年には団塊世代が後期高齢者に突入
このままでは財政がもたないため、安定した税収源が必要とされました。
② 子育て支援・教育無償化の財源確保
2019年の増税には“子育て支援強化”という明確な目的もあります。
- 幼児教育・保育の無償化
- 高等教育の負担軽減
- 低所得世帯への支援拡充
これらを安定的に続けるため、消費税の税収が必要とされました。
③ 国の財政悪化(借金の増加)
日本の財政は世界でも突出して厳しい状況。
国債依存が高く、税収だけでは支出を賄えません。
消費税は
「景気に左右されにくく、安定して集まる税金」
として、国の財政基盤を支える重要な柱になっています。
🔍 まとめ:10%への増税は“社会保障を未来へつなぐための決断”
消費税10%は突然決まったものではなく、
約30年かけて積み上がってきた社会の課題への対策 として実施されました。
- 2019年10月から10%スタート
- 高齢化による社会保障費の増加
- 子育て支援や教育無償化
- 日本の慢性的な財政赤字
これらの背景を知ると、8%と10%が混在している理由も理解しやすくなります。
なぜ“8%と10%が混在”しているの?

消費税が10%になった現在でも、レシートには
「8%」と「10%」 の2種類が並ぶことがあります。
この“混在”の理由こそ、2019年に導入された 「軽減税率制度」 にあります。
混在のカギは「軽減税率制度」
軽減税率制度とは、
生活に必要な一部の商品だけ、税率を8%に据え置く仕組み のこと。
消費税10%への増税は負担が大きいため、
特に「食」や「生活情報」を守る目的で導入されました。
- 通常の商品 → 10%
- 軽減税率の対象 → 8%
この2つが同時に存在するため、レシートに混在が発生します。
軽減税率の対象は“食品”と“定期購読の新聞”だけ
軽減税率の対象は、驚くほど“限定的”です。
● 軽減税率(8%)になるもの
- 飲食料品(酒類を除く)
- テイクアウト・持ち帰り食品
- 週2回以上発行される「定期購読の新聞」
● 軽減税率(8%)にならないもの
- お酒
- 外食
- ケータリング
- サプリメント・薬
- ペットフード
- 電子版の新聞
- 食器や日用品
同じ「食べ物」でも扱い方によって税率が変わるため、ややこしさが生まれています。
「店内飲食は10%・持ち帰りは8%」がややこしい理由
混乱の原因のひとつが、いわゆる “イートイン問題”。
● 店内で食べる → 10%(外食扱い)
● 持ち帰る → 8%(飲食料品扱い)
例えばコンビニでコーヒーを買った場合、
- イートインスペースで飲む → 10%
- 店の外に持ち出す → 8%
という風に、同じ商品でも 「どこで食べるか」 で税率が変わります。
なぜここまで細かい?
軽減税率の目的が 「家庭の食事の負担を減らすこと」 だから。
店内飲食はサービス料(席・提供方法など)が伴うため外食扱い=10%となります。
この仕組みが導入された直後は、
「8%で買ってイートインで食べる人は脱税?」
と話題になるほど混乱を招きました。
UberEatsやデリバリーは何%?ケース別で整理
デリバリー系はさらに複雑です。
ですが、ポイントは 「誰がどこで食べるための商品か」 だけ。
以下でケース別にわかりやすく整理しました。
▼ ケース①:UberEats・出前館などのデリバリー
→ 税率は8%
店舗ではなく「自宅で食べること」を前提にした食品であり、
外食サービスに該当しないため 軽減税率が適用される からです。
▼ ケース②:店舗が届ける仕出し・ケータリング
→ 10%
調理した料理の提供だけでなく、
- 配膳
- 設置
- 温め直し
など、サービスが伴う“外食”扱い となるため10%になります。
▼ ケース③:コンビニのデリバリー(店舗で作る弁当を配送)
→ 8%
UberEatsと同じ扱いで、
自宅で食べる前提の“飲食品”のため8%です。
▼ ケース④:フードコートで注文して席で食べる
→ 10%
店舗のスペースを“店内飲食”とみなすため外食扱い=10%。
▼ ケース⑤:駅弁やお土産の弁当
→ 8%
持ち帰り食品扱いです。
🔍 まとめ:8%と10%が混在するのは“消費行動”によって税率が変わるから
- 8%と10%の混在の原因は 軽減税率制度
- 8%対象は 食品と新聞(定期購読)だけ
- 同じ食品でも 「どこで食べるか・どんなサービスがあるか」 で税率が変わる
- デリバリーは基本 8%、ケータリングは 10%
消費税は「ルール」と「目的」を理解すると、意外とシンプルに見えてきます。
消費税の“軽減税率”が導入された理由

消費税10%への増税と同時に導入された 「軽減税率制度」。
この制度は、「税率を一律10%にすると生活への負担が大きくなる」という懸念から生まれました。
ここでは、導入の背景・世界との比較・賛否のポイントまでわかりやすく解説します。
低所得者への負担増対策として導入
消費税は「逆進性(ぎゃくしんせい)」が強い税金と言われています。
🔍 逆進性とは?
収入が低い人ほど、収入に対して“税の負担割合が大きくなる”こと。
例えば
- 収入が月15万円の人
- 収入が月80万円の人
が同じ商品を買えば、支払う消費税額は同じ。
そのため、収入の少ない人ほど負担感が大きくなります。
▶ そこで導入されたのが軽減税率(8%の据え置き)
特に生活必需品である「食品」は、家計の支出に占める割合が大きく、低所得者ほど影響を受けやすい分野。
食品を8%に据え置くことで負担増を少しでも緩和すること
が軽減税率制度の大きな目的でした。
▶ さらに“子育て世帯”の負担軽減にも効果
- 子どものいる家庭は食費が大きい
- 食品の8%据え置きは家計の助けに
特に3人以上の子育て世帯では、消費税増税の影響が大きいため、軽減税率の導入により一定の救済効果があるとされました。
世界の軽減税率との比較(ヨーロッパはどうしてる?)
実は、軽減税率は日本だけの仕組みではありません。
むしろ、消費税(VAT)がある国の多くは軽減税率を導入しています。
ヨーロッパの例(ごく一部)
| 国 | 標準税率 | 軽減税率 | 主な軽減対象 |
|---|---|---|---|
| イギリス | 20% | 0%・5% | 食品・書籍・子ども服 |
| ドイツ | 19% | 7% | 食品・書籍・新聞 |
| フランス | 20% | 5.5%・10% | 食品・交通・医薬品 |
| スペイン | 21% | 10%・4% | 食品・医薬品・公共交通 |
▶ 世界の共通点
- 食品は軽減対象にする国が多い
- 書籍・交通・医薬品など「生活に必要な分野」も軽減
- 軽減税率は複数段階の国がほとんど(日本より複雑)
▶ 日本の特徴
- 軽減税率対象は 食品+新聞のみ
- 対象範囲は世界的に見ても“かなり狭い”
日本は「複雑になるのを避けたい」という理由で対象を最小限にしています。
日本の軽減税率は本当に必要?賛否のポイント
軽減税率は“負担を軽くする”というメリットがある一方、
「本当に必要だったの?」という議論も根強くあります。
ここでは賛成・反対の主な意見を整理します。
▶ 賛成派の意見(メリット)
1. 食品への負担が軽減される
生活必需品の税率が低いため、家計へのダメージが小さく済む。
2. 子育て世帯・低所得者に効果がある
特に食費が大きい家庭ほど恩恵が大きい。
3. 世界的にも一般的な仕組み
海外では当たり前の制度であり、日本が導入するのは自然な流れ。
▶ 反対派の意見(デメリット)
1. 制度が“とにかく複雑”になる
- イートイン ⇄ 持ち帰り
- ケータリング ⇄ デリバリー
など、線引きが難しく混乱が広がった。
2. 事業者の負担が大きい
レジシステムの改修、商品の税率設定、レシートの変更など、
中小企業にとって大きなコスト負担となった。
3. 本当に「逆進性対策」になっているのか疑問
食品の税率が下がっても、富裕層も同じ恩恵を受ける。
実際、低所得者だけを支援したいなら
給付金・税額控除のほうが効果的
という意見も多いです。
🔍 まとめ:軽減税率は“生活を守るため”だが課題も多い制度
- 日本の軽減税率は「低所得者の負担軽減」のために導入
- 世界でも食品を軽減する国は多い
- ただし日本の制度は対象範囲が狭い
- 実務・運用の複雑さから賛否が分かれる政策
軽減税率は家計にとってありがたい反面、
制度の複雑さや不公平感など“課題の多い仕組み”であることも事実です。
レシートに8%と10%が混在する“本当のワケ”

レシートを見ると、
「8%の商品」と「10%の商品」 が同時に載っていることがあります。
これこそ軽減税率が導入された後に起きた “新しい日常”。
ここでは、混在の仕組みやレシート表記の意味、同じ商品でも税率が変わる理由まで、わかりやすく解説します。
レシートの「(軽)」「※」マークの見方
軽減税率が導入されてから、レシートの表記が複雑になりました。
とくに多いのが 「(軽)」 や 「※」 といったマーク。
🔍 レシートの主な表記の意味
●(軽)=軽減税率(8%)対象
食品やテイクアウト商品など
軽減税率(8%)が適用されている商品に表示 されます。
例:
- おにぎり(軽)
- サンドイッチ(軽)
- ペットボトル飲料(軽)
●※印=店ごとの注意表示
- 「※10%対象」
- 「※軽減税率対象外」
など、店舗独自でわかりやすくするためのマーク。
●「軽減8%」「標準10%」の計算欄
レシートの下部に
軽減税率対象:○○円 税率8% 消費税××円 標準税率対象:○○円 税率10% 消費税××円
と分かれているのは、混在計算を明確にするための法的義務 です。
同じ商品なのに税率が違うケースの裏側
軽減税率がややこしい理由は、
「商品そのもの」ではなく「どのように提供されるか」 で税率が変わる点にあります。
つまり、同じ商品でも状況によって税率が変わることがあるのです。
▶ ケース①:コンビニの弁当
- 持ち帰り → 8%(軽減税率)
- イートインで食べる → 10%(外食扱い)
→ 商品は同じでも「食べる場所」によって税率が変わる典型例。
▶ ケース②:飲み物(コーヒー・紅茶・ジュース)
- テイクアウト → 8%
- 店内飲食 → 10%
→ カフェ・パン屋・コンビニ問わず共通。
▶ ケース③:食品と日用品のセット商品
- お菓子+シール、フィギュア付きの食品
→ “主たる内容が食品かどうか” で税率が変わる
例:
- 食玩(ガム+オマケ) → ガム部分が主体 → 8%
- ギフトセット(食品+皿) → 食品以外が付属 → 10% になる場合も。
▶ ケース④:ケータリング・イベント販売
- 会場で温かい料理を配膳 → 10%
- 持ち帰り用の弁当を渡すだけ → 8%
→ サービスが伴うと外食扱いになるため。
🔍 なぜこんなに複雑なの?
軽減税率の目的が「家庭で食べるための食品支援」であり、
店内での飲食やサービスの提供は対象外とするため、
“どこで食べるか”が重要になる という構造があるからです。
コンビニコーヒーはなぜ軽減税率になるのか?
コンビニコーヒーは、軽減税率の代表例ともいえる存在。
実は 条件次第で8%にも10%にもなる、ややこしい商品です。
▶ 基本:持ち帰れば8%
コンビニで買うレギュラーコーヒーやアイスコーヒーは
“家庭で消費される飲食料品”として扱われるため 軽減税率(8%)が適用 されます。
→ これは、たとえ店頭で「その場で飲む」つもりでも、
「持ち帰ります」と申告すれば8%で販売される理由です。
▶ イートインで飲む場合は10%
多くのコンビニにある“イートインスペース”で飲む場合は 外食扱い=10%。
商品自体は同じなのに、
「どこで飲むか」だけで税率が変わる 不思議な仕組みです。
▶ 自動販売機のコーヒーはどうなる?
- ペットボトルや缶 → 8%(飲食料品)
- カップ式コーヒー(店内サービス扱いのことがある) → 店舗ルールによって異なるが 8%が基本
▶ なぜ持ち帰りだと8%になるのか?
軽減税率の目的はあくまで 「日常生活の食費の負担軽減」。
サービス提供(席・空間・店内飲食)を伴わなければ軽減税率対象になります。
🔍 まとめ:レシートに税率が混在するのは“提供の違い”が原因
- レシートの(軽)マークは軽減税率対象(8%)の印
- 税率は「商品ではなく、提供条件」で変わる
- コンビニコーヒーは“持ち帰り=8%、店内=10%”の典型例
- 軽減税率は「家庭の消費」を支援するための制度
レシートに8%と10%が混ざるのは、
消費者の“食べ方・飲み方・使い方”が税率を左右する独特の仕組みがあるからです。
消費税にまつわるお金の面白トリビア

実は“消費税だけで年間約20兆円”の税収
消費税は、日本の税収の中でも群を抜いて大きな柱です。
国の歳入(税金)の中で、消費税は 年間約20兆円規模 を安定して確保しています。
(※所得税や法人税と並ぶ“三大税目”のひとつ)
消費税がこれほど重視される理由は、景気に左右されにくく、誰もが日常的に支払う“安定した税金”だからです。
そのため国の財政にとっては、予算を組むうえで欠かせない基礎となっています。
100円商品でいくら税金が入る?計算してみると…
たとえば100円の商品を購入すると、
- 8%商品 → 税額:8円(軽減税率)
- 10%商品 → 税額:10円
という計算になります。
しかし、消費税は単純に「値段+税」というだけではありません。
大量に売れる低価格商品ほど、消費税収を大きく押し上げるという側面があります。
たとえば、100円の商品が1日1,000個売れる店舗なら…
- 10%の場合: 10円 × 1,000個 = 1万円/日
- 年間では… 約365万円が税金 として納められる計算。
小さな買い物が積み重なることで、国家規模の税収が成立していることがよくわかります。
消費税とポイント還元の関係
増税時に注目されるのが、店舗のポイント還元制度。
実はポイントの仕組みによって、消費税の“実質的な負担額”は変わることがあります。
例:10%商品を買って5%ポイント還元の場合
- 実質負担:10% − 5% = 5%相当
- つまり、税率は10%でも実質的には「ほぼ軽減税率レベル」の負担に。
キャッシュレス決済が普及した理由の一つには、こうした「実質値引き」によるお得感が大きな役割を果たしています。
世界の国には「消費税ゼロ」の地域もある?
実は世界を見渡すと、消費税(付加価値税:VAT)を“ゼロ”にしている国や地域 も存在します。
代表例
- 香港:消費税ゼロ、付加価値税なし
- マカオ:消費税ゼロ
- アラブ首長国連邦(UAE):一部無税圏あり
- アメリカの一部州:州税に「消費税ゼロ」の州も存在
(例:オレゴン州、モンタナ州など)
多くの地域では“観光誘致”や“ビジネス優遇策”として消費税を課していません。
ただしその分、他の税金が高かったり、公共サービスが簡素だったりと、メリット・デメリットが存在します。
今後、消費税はまた上がる?最新の議論まとめ

日本では将来的に消費税(10%)のさらなる引き上げの可能性が議論されており、特に 社会保障財源の確保 や キャッシュレス化との関連 が焦点になっています。ここでは、政府・経済界・有識者の主張やリスクを整理しながら、今後のシナリオと論点を解説します。
政府の案「15%・17%」の可能性
- 一部の団体や批判派から、 消費税を15%あるいは17%に引き上げるべき という強い主張があります。例えば、全国商工団体連合会(全商連)などでは過去に「社会保障費をすべて消費税で賄うには17%が必要」という見積もりが示されてきました。
- ただし 現時点で政府が公に「15~17%への増税を公式政策として掲げているわけではない、という指摘も根強い。大幅な増税が実現すれば、国民負担が大きくなるため、政治的な合意形成は簡単ではありません。
- 経済団体(経団連)も税制の将来を展望した提言を出していますが、消費税を急激に高める主張は明確には示しておらず、むしろ 成長と分配の好循環を支える持続可能な税制改革を強調しています。
- また、一部では「消費税をさらに上げる代わりに、軽減税率を拡大する案」など、単純な増税ではなく制度構造の見直しを模索する声もあります。
社会保障費との関係
- 消費税の増税議論が出る最大の背景は、 社会保障費の膨張。高齢化によって年金・医療・介護を支える費用が急激に増えており、財源をどう確保するかが喫緊の課題です。
- 一体改革(社会保障と税の統合改革)では、消費税収を社会保障費に充てる構想が長く議論されてきました。
- 反対意見も根強く、特に 逆進性(低所得者ほど重くなる負担) を理由に、大きな増税は不公平だという批判があります。
- 加えて、増税によって得られた財源がすべて社会保障に確実に回るかどうかという透明性・使途の懸念もあります。過去には「福祉目的を名目に増税しつつ、実際には別の用途に使われるのでは」という指摘もあります。
- 財政リスクも無視できません。日本の公的債務は巨額であり、消費税を上げても将来的な財政健全化のための「十分な切り札」になるかは慎重な見方も多い。
キャッシュレス化で税率が変わる未来は?
- キャッシュレス決済(クレジットカード、スマホ決済など)と消費税は、今後の議論でも密接に結びつけられる可能性があります。キャッシュレス普及をさらに進める中で、 「キャッシュレスを使った買い物への税率優遇(あるいは軽減)」 というアイデアが出るかもしれない、という見方もあります。
- 実際、過去の増税時にはキャッシュレス決済を促すために ポイント還元制度 が導入されました。これにより、一部の消費者は実質的な負担を軽く感じられる構造が生まれました。
- しかし、キャッシュレス化自体には課題があります。中小事業者にとって決済端末の導入コストや運用負担が重く、それが大規模な税優遇を前提とした政策の実現を難しくする可能性があります。
- また、ポイント還元制度を恒久化・拡大させるには財源が必要であり、その持続性には懐疑的な声もあります。
- 将来的には、 POSレジや会計システムの進化によって、柔軟な税率運用(たとえば決済方式や支払手段ごとに異なる税率を適用) が技術的に可能になるかどうかも、制度設計の鍵になるでしょう。
まとめ
- 15%・17%への大幅増税の可能性は一部で議論されているが、即実現する強固な政府案とは言い切れない。
- 社会保障費との関係が増税議論の中心であり、財源確保をめぐる構造的な課題は今後も続く。
- キャッシュレス化は消費税制度改革の重要なテーマになり得るが、優遇措置を拡大するには技術・コスト・財源という壁がある。
消費税は単なる「税率上げ・下げ」の問題ではなく、 社会保障・デジタル経済・財政健全化の交差点にある制度 です。今後の議論は、これらをどうバランスさせるかがカギを握るでしょう。
まとめ|消費税は“生活の選択”で変わる税金だった

消費税は「10%」という数字だけを見るとシンプルに見えますが、実際は “何を・どこで・どう買うか”によって税率が変わる少し複雑な税金 です。2019年の増税以降は、軽減税率の導入によって日常の買い物にも“8%と10%が混在する仕組み”が生まれました。ここでは、記事全体で扱ってきたポイントをわかりやすく整理します。
● 消費税10%は2019年からスタート
消費税率が10%になったのは 2019年10月1日。
それまでの歴史は「3%→5%→8%→10%」と段階的に引き上げられてきました。
背景には、高齢化に伴う社会保障費の増加や、国の財政負担を支えるための税収確保といった理由があります。
● 8%と10%が混在するのは“軽減税率”のため
2019年の増税と同時に導入されたのが 軽減税率制度。
対象は以下の2つに限定されています。
- 飲食料品(お酒・外食を除く)
- 週2回以上発行される定期購読の新聞
その結果、スーパーで買う食品は8%、店内で食べれば10%、テイクアウトなら8%というように、同じ店・同じ商品でも税率が変わる状況が生まれました。
● 同じ商品でも“買い方で税率が変わる”ケースがある
消費税の特徴は、商品そのものより「提供の仕方」によって税率が決まること。
代表例:コンビニコーヒー
- 店内のイートインを使う → 10%
- “持ち帰る前提”なら → 8%
デリバリー(UberEatsなど)
- 基本は“持ち帰り扱い”なので 8%
- 店舗のテーブルで食べると 10%
このように、 生活の“選択”によって税率が変わる仕組み が、軽減税率の最大の特徴です。
● 知っておくと“損しない”お金のトリビアがたくさんある
消費税には、知っておくと意外と役立つ豆知識が多くあります。
- レシートには「軽」マークがあり、何が軽減税率か一目でわかる
- 年間の消費税収は約20兆円規模という巨大財源
- 100円の商品でも実は“約9円~11円”が税金
- 世界には「消費税ゼロ」の国や地域もある
消費税を“なんとなく”払うのではなく、仕組みを知ったうえで買い方を選ぶだけで、生活コストは意外と変わるものです。
✔ まとめ
消費税は、単なる「10%」ではなく、生活の選択で変わる“ルールのある税金”。
日常の中で少し意識するだけで、ムダな支出を減らしたり、賢くポイント還元を受けたりと、思わぬメリットも生まれます。
この記事が、毎日の買い物を“ちょっと得する視点”で見られるきっかけになれば幸いです。

