慣用句の落とし穴:間違えやすい表現のトップランキング

おもしろネタ

日本語はその難解さから世界的に有名ですが、中でも日本人でもよく間違えるのが慣用句です。友人同士であれば、意味が伝われば良いとされることもありますが、ビジネスの場では話は違ってきます。

ビジネス上では、取引相手としての品格が問われる場面もありますし、上司に失礼な発言をすることで、職場の雰囲気を損ねてしまう可能性もあります。

今回は、そんな「間違えがちな慣用句」を調査し、トップランキングにしてみましたので、ぜひご覧ください。

慣用句の落とし穴:間違えやすい表現のトップランキング

みんなが選ぶ、慣用句の落とし穴:間違えやすい表現のトップランキングの23位から4位までを一気にご紹介していきます。

順位正しい表現間違いがちな表現意味
23火を見るより明らか日を見るより明らかきわめて明らかで、疑いを入れる余地がない。
22檄を飛ばすカツを飛ばす自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める。また、それによって人々に決起を促す。
21眉をひそめる目をひそめる心配なことがあったり、また、他人の嫌な行為に不快を感じて顔をしかめる。
20言わずもがな言わずがな言わないほうがよい。言うまでもなく。もちろん。
19やおら立ち上がるやわら立ち上がるゆっくりと動作を起こすさま。おもむろに。
18舌先三寸舌先八寸口先だけでうまく相手をあしらうこと。
17上を下への大騒ぎ上や下への大騒ぎ入り乱れて混乱するさま。
16石にかじり付いてでも岩にかじり付いてでもどんな苦労をしてもがまんして。
15食指が動く食指をそそられる何かを食べたくなる。転じて何かをしてみたくなる。
14チャンスの芽を摘むチャンスの芽をつかむ成長・発展の可能性のあるものを取り除く。
13青田買い青田刈り稲の収穫前に、その田の収穫量を見越して先買いすること。優秀な人材を早くから獲得すること。
12胸をなでおろす肩をなでおろす心配事が解決してほっとする。安心する。
11わき目も振らずわき目も触れずその方ばかりを見て。心を散らさず一心に。
10采配を振る采配を振るう陣頭に立って指図、指示をする。
9怒り心頭に発する怒り心頭に達する激しく怒る。 
8熱に浮かされる熱にうなされる高熱でうわごとを言う。前後を忘れて夢中になる様子。
7取りつく島もない取りつく暇もない頼りとしてすがるところがない。取り付き所がない。
6目先が利く目鼻が利く先をよく見通すことができる。機転が利く。
5押しも押されもせぬ押しも押されぬどこへ出ても圧倒されることがない。実力があって堂々としている。
4的を得た的を射たうまく目標に当てる。転じて、うまく要点をつかむ。

3位は「×風のうわさ → ◯風のたより」

3位にランクインしたのは、「風のたより」です。これは、どこからともなく伝わってくる噂や情報を指します。一方で、「風のうわさ」という表現も一般的に使われますが、今回は「風のたより」が選ばれました。

近年、たより(手紙)という言葉があまり使われなくなってきた現代において、「風のたより」という表現がよりわかりやすい言葉に変化したようです。実際、「風のたより」と聞くと、噂や情報だけでなく、風が運んできた春の訪れや新たな出来事を予感させる言葉としても捉えられるかもしれません。

このように、言葉の使い方やニュアンスは時代と共に変化していきます。「風のたより」という表現が選ばれたことは、言葉の持つイメージや意味が柔軟に変化していることを示しています。

2位は「×間が持たない → ◯間が持てない」

2位に位置するのは、「間が持てない」です。この表現は、主に会話が途切れ途切れで続かない時に用いられます。しかし、興味深いことに、文化庁の「平成22年度 国語に関する世論調査」によれば、「間が持たない」と答えた人がなんと61.3%もおり、意外な結果となりました。

この数字を見ると、正しい表現である「間が持てない」が広く知られていることがわかります。しかし、一方で、この調査結果は「間が持たない」という誤った表現が依然として一定の認知度を持っていることも示しています。

言葉の使い方には常に微妙なニュアンスがあり、人々の認知においても複雑な影響が及んでいるようです。これは言語の持つ力と奥深さを改めて感じさせられる事例であり、言葉の正確な使い方の重要性を再確認させられます。

1位は「×足元をすくわれる → ◯足をすくわれる」

1位に輝いた「足をすくわれる」、一見して誤った表現であるにもかかわらず、なんと文化庁の「平成19年度 国語に関する世論調査」では74.1%もの人が「足元をすくわれる」と答えたという驚きの結果が浮かび上がります。この数字を見ると、間違った表現である「足元をすくわれる」が広く浸透していることが窺えますね。

実際、この表現は「出し抜かれたり意表をつかれるさま」を指し示し、言ってしまえば相手によって卑劣な行為を受けて自分が窮地に立たされるような状況を表現しています。

しかしながら、このような結果が示されることからも分かるように、現代においては一般的に誤った表現である「足をすくわれる」が、ある程度の認知度を持っていると言えるでしょう。ですから、正しい表現を用いても、相手から「足元をすくわれる、だろう?」と指摘されてしまうかもしれません。これはまさに言葉の使い方の微妙なニュアンスの一例であり、我々の言語が持つ奥深さを感じさせます。

まとめ

「慣用句の落とし穴:間違えやすい表現のトップランキング」では、日本語における慣用句の中でも特に間違えやすい表現をランキング形式で紹介しました。我々が日常的に使っている表現の中には、意味やニュアンスが微妙に異なるものが多く存在します。文化や時代の変化によっても言葉の使い方が変わる中で、正しい表現を理解し、適切に使い分けることは重要です。このランキングを通じて、慣用句を正しく理解し、コミュニケーションにおける誤解を避ける一助となれば幸いです。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました