バイオハザード7:PS4で味わう本格ホラーゲームの魅力と恐怖に迫るレビュー

PlayStation

ホラーゲームの金字塔、『バイオハザード7』。その臨場感あふれる恐怖体験をPlayStation 4で味わうことは、まさに心臓の鼓動を感じるような興奮と戦慄が交錯します。

この記事では、PS4プラットフォームでの『バイオハザード7』のゲームプレイを通じて得られた感想と、その本格ホラーゲームならではの魅力について深く迫ります。

プレイヤーを引き込む物語、驚きと緊張感に満ちたゲームプレイ、そしてPS4ならではのグラフィックの迫力―すべてが絶妙に組み合わさり、一体どのような恐怖が待ち受けているのか、その一端をお伝えします。準備をして、このホラーゲームの世界に身を委ね、恐怖と魅力に満ちた冒険へと出発しましょう。

バイオハザード7ってどんなゲーム?

バイオハザード7のキャッチコピーは「すべては恐怖のために」

ホラー要素が薄れた「4」~「6」の流れを打ち切り、純粋なホラーに回帰しました。

具体的な仕様は以下。

・視点&操作をFPS (一人称視点)「アイソレートビュー」に一新
FPSの中でも没入感特化型。狭い視野角、最低限のUI、挙動のもっさり具合が独特です。

・自社開発のゲームエンジン「REエンジン」でグラフィックを一新
暗闇の中でアンテーク調の人工物を見せることに特化した味つけ。

・おなじみの人気キャラが出ない
でもシリーズ過去作と同世界です。無料DLCでクリスが使用可能。

つまり、すべては恐怖のためにグラフィックからシステムまで全てを一新。
結果、PS4ゲームの中でもずば抜けた恐怖を味わえる作品になりました。

あらすじ

イーサン(主人公)は、3年前に行方不明になった妻・ミアを探し続けていた。

2017年7月。
ミアのメッセージを頼りにベイカー農場跡地へ向かったイーサンは、怪しげな森を抜けて見つけた怪しげな廃屋を探索する。

ミアとの再会は果たしたが、なんだかミアの様子がおかしい。

そして始まる壮絶な夫婦喧嘩。
突如現れる謎の男。

気がつくと目の前にはこの世のものとは思えないご馳走が並んでいた…

 バイオらしさ

グラフィックからシステムまで全てを一新し、原点回帰を目指した作品です。

以下、「原点回帰=バイオらしさ」とは何かに迫ってみたいと思います。

怖さ

初代のキャッチコピー「そこを歩く、という恐怖」を実現しました。

お化け屋敷的に「ドーン!」とビビらすだけでなく、ただそこにいるだけで、ただ歩くだけで恐い。

ロード無しでシームレスに繋がったエリアをFPS視点で歩くため臨場感抜群。

そんな中、敵の正体も目的もわからない。
どいつもこいつも狂ってる。何をされるかわからない。

ベイカー家はそれぞれ異なる恐怖で襲ってくるため、恐怖への慣れも許しません。

・父親(ジャック)=暴力
・母親(マーガレット)=虫の生理的嫌悪感
・息子(ルーカス)=神経をすり減らすトラップ地獄

ジャックとの戦いは特に地獄絵図すぎてシュールです。

とにかくこの場所から出たい。
居心地が悪い。ここの空気を吸うだけで気持ち悪い。
正直、妻(ミア)なんてどうでもいいから今すぐ逃げたい。

そんな恐怖があります。

もどかしさ

「初代~ベロニカ」(旧シリーズ)の大きな特徴は「もどかしさ」です。

ラジコン操作がもどかしい。
カメラ位置により画面方向と入力方向が異なるため、慣れるまで思うように動かせません。

一方、本作はFPS仕様によりバイオ史上最も直感的な操作体系といえます。
その上で、操作のもどかしさを別の形で継承しました。

FPSをわざわざ「アイソレートビュー」と名付けるだけありフィーリングが独特です。
具体的には、

・もっさり挙動
移動も構えも防御も全部遅い。視点移動がグデングデン。

・視野が狭い
FOV(カメラ位置)が近い。ターン速度が遅い。

どこもかしこも暗いし視野が狭い。
自キャラの動きがもっさりでグデングデン。
敵はクネクネ動いて銃弾を避ける。

これらが相まって、思うように戦えない辺りに旧シリーズを彷彿とさせるもどかしさがあります。

探索の面白さ

旧シリーズといえば探索です。

1階から2階、東西南北へウロウロ。
謎を解き、少しずつ行動範囲を広げるのが楽しい。

本作も、館~旧館エリアで「あっちの扉を開けて、こっちに戻って」と存分に探索が楽しめます。

アイテム探索も熱い。

・「4」~「6」のように敵がアイテムを落とさない
・詰みそうで詰まない、かゆいところに手が届く絶妙な配置
・弾・回復が常に所持スロットを圧迫
・クラフト弾・回復に使う薬液の配分が自己責任
・隠れアイテムが多い

よって常に「弾くれぇ~薬液くれぇ~」と必死です。

怪しげな洋館を謎解きとアイテムを求めて恐る恐る探索する、旧シリーズに近い面白さがあります。

ネタ

シリーズ経験者がニヤリするネタがあります。

例えば、

・クランク、バッテリー、ヒューズ
・バスタブ、変な謎解き、研究所
・模造ショットガン
・最後に落ちてくる必殺武器
・壁を壊してジャック登場=「3」の追跡者ネメシス

気になる点:周回する気にならない

ここまで語ってきたように、FPSの仕様を取り入れつつ原点回帰を果たしました。

大ヒット作「6」路線を切り、人気キャラをあえて出さず、自社製エンジンで真っ向勝負を挑んだ力作です。

そんな本作の難点は、周回する気になれないこと。

前述の「バイオらしさ」が中盤に集中しており、中盤以外が一本道かつ演出が長い。
そのため、初見プレイの1度きりで十分だと感じます。

全体の構成は、

前半 (~ガレージジャック戦):怒涛のイベントが続く
中盤 (~変異ジャック戦)
後半:一本道でほぼイベント戦

楽しい中盤区間は全体の3割。
初見5~7時間クリアできる中の3割です。楽しい区間はすぐに終わります。

中盤以外は一本道とカット不可イベントが続くので周回する気になれません。
やり込むほど、イベントメインのアドベンチャーゲームになってしまう。

バイオといえば周回プレイで攻略を詰めるのが楽しい。本作はその楽しみが薄いです。

原点回帰を果たした力作なのは間違いないけど、もっと「遊びしろ」が欲しかったなと。

まとめ:旧シリーズファンにもオススメ

『バイオハザード7』は、もどかしい操作性に戸惑いつつも、おどろおどろしい館を探索する感覚が、紛れもなくバイオハザードの本質を感じさせます。この作品は、従来のシリーズに愛着を持つファンにも新たな驚きと恐怖を提供しており、確かに遊ぶ価値があります。ただし、美味しいところが中盤に偏っていると感じ、楽しい区間がすぐに終わってしまうため、周回プレイには少し抵抗が生まれるかもしれません。

狭い範囲の舞台設定や、過去シリーズとの関連性の薄さ、そしてリブートではないという要素が、一部のプレイヤーにとっては外伝的な印象を与えることも確かです。これらの点に注意しながらも、『バイオハザード7』は独自の魅力を持つ作品と言えるでしょう。ナンバリング作品としての位置づけには議論の余地がありますが、新しい視点から恐怖と対峙する喜びは、旧シリーズのファンにとっても新たな体験となることでしょう。

<続編はこちら↓>

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