『メタルギア サヴァイヴ』PS4版プレイレビュー!サバイバル要素とメタルギアの融合に注目

PlayStation

「メタルギアでゾンビ?なんだこのけしからんゲームは!」といった率直な感想を抱く方も多いことでしょう。しかし、今回はその表面的な印象だけでなく、『メタルギア サヴァイヴ』がどのようにサバイバル要素とメタルギアの要素を融合させているのか、そして実際のゲームプレイにおいてどのような新しい魅力が広がっているのかに焦点を当ててみました。

この記事では、賛否両論の話題作に対して、ゲームプレイを通じて感じた驚きや楽しみ、そして遊んでみることで見えてくる深層の要素に迫っています。サバイバル要素がどの程度ゲームに組み込まれているのか、メタルギアシリーズの伝統との融合がどれほど成功しているのか、そしてプレイヤーが期待できる新しい体験について詳しく解説していきます。

賛否が分かれる中で、ゲームの実力や魅力を客観的に見つめ、プレイヤーが納得のいく選択をする手助けになるような情報をお届けします。ぜひ、本記事を通じて『メタルギア サヴァイヴ』の魅力に迫っていただければと思います。

・『メタルギアソリッドV ファントムペイン』(以下、TPP)は100時間プレイ済。

・COOPについては割愛。過疎ってます。

メタルギア サヴァイヴってどんなゲーム?

メタルギアソリッドとは別ゲー

見よ!この地獄のような光景を!

ご覧の通り、シリーズのナンバリング作品とは別ゲーです。

サバイバル要素をメインにしたゾンビ物。
設定も異色で、異世界からの脱出を目指すSFファンタジーです。

この設定でどんなストーリーが展開されるのか。
非常に気になるあらすじ(ネタバレ解説つき)をご覧ください。

あらすじ(ネタバレ解説つき)

1975年。伝説の傭兵BIGBOSS率いる軍隊がXOFの急襲を受け、彼らのマザーベースは壊滅。

BIGBOSSがヘリでマザーベースから脱出した後、上空にワームホールが開いてマザーベースは異次元へ吸い込まれる。

その中に1人の兵士(主人公)がいた。

半年後、兵士は米国の研究組織「ウォーデンクリフ・セクション」施設内で目覚める。
組織の男は兵士にある任務を依頼し、「断ることはできない。君はすでに、未知の生命体に寄生されている」と告げる。

ワームホールにのみ込まれた仲間達を救い出し元の世界に帰る方法を探るため、兵士は1人で探索に出る。

外は異形の怪物「ワンダラー」と化した人間達が徘徊する地獄(ディーテ)と化していた……

物語の始まりは『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ』(GZ)。
ビッグボス達が奮戦する一方で、とんでもない超常現象が!

TPPでもワームホールフルトンみたいな超技術はあったけど、基本的には時代に合った技術・メカが出ます。
明らかに当時の技術水準を超えたメタルギア・サヘラントロプスも、時代考証とそれっぽいデザインでギリギリ違和感ない範囲でした。

その点、本作はぶっとんでいます。
巨大ワームホールで22世紀に飛ばされ、ワームホールでファストトラベル!

メタルギア本編との整合性を求めず、本作は本作として存分に楽しんでいきましょう。

正直わりとどうでもいいストーリーなので以下ネタバレします。
ストーリーをサクッと知りたい方は見ちゃってください。

異世界は22世紀の地球。
荒廃した元凶は、世界を包む塵「レッドダスト」。

塵は元々、体内に入って活動する医療用ナノマシン。
それが暴走したか何かで文明を滅ぼす脅威になった。

ナノマシンが寄り集まるとエネルギーを生み出し、ワームホールが出現する。

塵は現世界だけでは飽き足らず、ワームホールで別世界への侵攻を企む。
塵が生み出した「塵の王」(ロードオブダスト)は、時間遡行を繰り返して過去に侵攻している。

最後は主人公達の活躍でワームホールの発生を防ぎ、『メタルギア TPP』につながる。

発売当時の印象

発売前のプロモーション動画を見たとき「なんじゃこりゃ!?」と思いました。

メタルギア最大の特徴である、ポリティカルフィクション要素が皆無。

敵(ワンダラー)の首から結晶が生えたデザインは間抜けに見えて何かの冗談かと思いました。

これまでメタルギアシリーズを開発してきた小島秀夫さんはノータッチ。

メタルギアは小島さんありきの作品です。
TPPではミッション開始前に毎回「created and directed by Hideo Kojima」とクレジットを挿入するほど。

おそらく一悶着あって小島さんがコナミを退社した後の作品なので、コナミと本作に対するファンの反感は強烈でした。
プロモーション動画への低評価は10万以上。コメント欄は否定的な意見であふれかえりました。

時間を経て冷静になった今思うのは、仮に自分が企業側の人間ならメタルギアのブランドを使いたい。

自社のリソースを割いて作った資産だし、メタルギアの名前を乗せれば良くも悪くも話題になるのは確実。
コンテンツは話題にならず誰の目にも触れないのが一番ヤバいですよね。

また、メタルギア以外にメタルギアのシステムやマップを流用すれば違うバッシングを受けるでしょう。

企業側の目線になれるほど反感が収まった今ならフラットな気持ちで遊べます。
今がやり時、遊び時です。

システム解説:制約の中でサヴァイヴせよ!

異世界で槍を持ち、羊を追い回す!

タイトルの通りサバイバル要素に重点を置いた作品です。
戦闘より物資(リソース)のやりくりがメイン。

常に物資不足に悩まされます。

・水が無い→乾き
・食料が無い→飢え

どちらかが0になると問答無用でゲームオーバー。
しかも常時弱体化を食らいます。

・乾く→スタミナの最大値が減少
・飢え→体力の〃

スタミナ制限は素で厳しい。少しダッシュするとすぐ息切れします。最大値が減少するとなおさら走れません。

体力も素で紙。3発殴られると死にます。

素で弱い+弱体化により、

飢えで体力が減る。乾きでスタミナ減る。
→スタミナ切れで立ち止まる
→敵のワンパン食らって終了

とかありがち。

他にも面倒な仕様が多々あります。

「きれいな水」が無い場合は空きビンに入れた泥水を飲むしかない。すると2割の確率で腹痛になります。
腹痛だと一定時間で立ち止まり嘔吐しまともに動けません。しかもゲーム序盤は治す手段が無い。

四次元ポケットのごとくフェンスやら何やらをその場で作れるのに真水を作れないのは謎です。

特に序盤は食料不足によりミッションを進めるのが困難です。
周りの動物・植物を狩り尽くすと、時間経過で復活するまで為す術が無い。

さらに、ベースキャンプ近くの羊はチャプター8から消滅します。
ある攻略サイトでは裏技「セーブ&ロードの繰り返しによる無限入手」でチャプター8までに食料大量ストックが推奨されています。それほど厳しいバランス。

危険地帯は塵に覆われています。

塵の中ではボンベの酸素を消費するため、飢え・渇きに加え酸素量の管理も必要です。

塵の中は視界が悪くて右往左往しがち。迷ううちに3リソース減少で危機的状況に陥ります。

力尽きると、

・ローグライクのように探索結果を無にしてベースキャンプからやり直し
・入手した物資をその場に残してベースキャンプからやり直し

このどちらかを選びます。
どちらにしろベースキャンプからやり直しです。

リソース管理に比べれば、戦闘なんてオマケ。

装備品を駆使すれば敵を一方的に手玉に取れます。
水と食料に対して、装備品の素材になる鉄や木材は山ほどあるし。

とりあえずノーマルフェンスを作って槍を装備しましょう。

敵は頭が結晶なだけありバカです。
回り込もうとしないのでフェンス1枚で足止めできます。

槍はフェンスごしに攻撃できます。
フェンスに溜まった敵をガシガシと突く。

弓も強力です。
倒した敵から矢を回収可能で継戦能力が高い。

槍・弓は両方同時に持てません。
不自然な縛りだと思います。近・遠距離武器をそれぞれ持つのが普通じゃね?

シリーズの根幹であるステルス要素は、戦闘以上に薄いです。

というのも、リソース管理が大変すぎてステルスなんてやってるヒマないので。
敵はスルーして突っ切るか、強力なガジェットでさっさと倒すのが基本です。

敵の動きは異様にトロいため突っ切るのは簡単。大群の真ん中を堂々と走れます。

背後キルしたくても、視界が悪い上に敵に顔がないから体の向きがわからない。

つまり、敵はリソース不足で弱ったプレイヤーにトドメを刺すだけの存在です。

メインはあくまでもリソース管理。持ち物や施設の管理にプレイ時間の大半を費やします。

主にアクションを楽しみたい方や、面倒くさいのが苦手な方には合わないかも。

まとめ

『メタルギア サヴァイヴ』PS4版をプレイした結果、ゲームの賛否両論を超えて、新しい魅力に出会える作品であることが明らかとなりました。初めは「メタルギアでゾンビ?」という衝撃的な印象もあるかもしれませんが、実際にプレイしてみると、サバイバル要素とメタルギアの融合が非常に巧妙に行われていることが分かります。

ゲーム内でのサバイバル要素はプレイヤーに緊張感と戦略性をもたらし、メタルギアシリーズのファンにとっても新たな楽しみを提供しています。また、賛否の声が上がる中でさえ、ゲームが持つ独自の魅力に触れることで、その評価を見直す可能性があります。

総じて、『メタルギア サヴァイヴ』は単なる異色のスピンオフに留まらず、シリーズの新たな一石となる作品であると言えるでしょう。プレイヤーは伝統的なメタルギアの要素と斬新なサバイバル体験の融合から生まれる独自の魅力に驚かされることでしょう。賛否を超え、新たなゲーム体験に開かれる一歩として、ぜひ一度プレイしてみる価値があります。

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