2021年に公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。1995年から続く大ヒットアニメの完結編とのことでした。この記事では『エヴァ』未見の方に、視聴済みの方にはおさらいの意味で、TVアニメ・旧劇場版・漫画版をベースに『新世紀エヴァンゲリオン』のあらすじを紹介。新劇場版との違いや、一見分かりにくい登場人物たちの目的を解説してみます。
※この記事はネタバレを多く含みます。
『新世紀エヴァンゲリオン』とは?
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年に放映開始。
主人公・碇シンジが人造人間エヴァンゲリオンに乗り込み、正体不明の使徒と戦うロボットアニメの形式をとりながらもシリアスな内容と『死海文書』『旧約聖書』などを絡めた謎めいた設定から、普段アニメを観ない層にまで人気を獲得。
最後の25、26話ではそれまでの謎を解明することなく終わり、その後1997年の劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に (The End of Evangelion)』(旧劇場版)で一度物語は終わりを見せました。
2009年から始まった 全4作予定の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』ではテレビアニメ・旧劇場版のストーリーを基本的に途中までなぞりつつ、2作目の『破』の途中から新しい展開に。
2012年の3作目『Q』は放映館数が増え大ヒットとなりましたが、『破』までとは全く異なる世界観やストーリーで謎を深めました。
『エヴァ』のあらすじは以下のバージョンで異なる部分があるため、途中までは大筋のあらすじを書きつつ途中からそれぞれのあらすじについて述べます。
- TVアニメ版(1995年)
- 旧劇場版(1997年)
- 漫画版(1995年~2014年)
- 新劇場版(2009年~2021年?)
『新世紀エヴァンゲリオン』のあらすじ(共通)
西暦2000年、南極で起きた災厄「セカンドインパクト」により海面の水位が上昇、地軸は曲がり、天変地異・民族紛争が勃発、世界人口は半減。一般にセカンドインパクトは「大質量隕石の衝突」と説明されたが、実は碇ゲンドウ、国際的秘密組織(宗教結社)「ゼーレ」(の前身「ゲヒルン」)が仕組んだ出来事だった。一方でゲンドウはゼーレに従いつつ、自分の計画も進めていた。
2015年、14歳の少年・碇シンジは約10年ぶりに父・ゲンドウから呼び出され、第3新東京市にやってくる。当時の日本には使徒と呼ばれる謎の巨大物体が出現していた。
自衛隊の攻撃は使徒に効かず、特務機関NERV(ネルフ)の司令官・ゲンドウに指揮権は移行。使徒に対抗できるのはNERVの汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のみとされていた。NERV所属の葛城(かつらぎ)ミサトにNERV本部に連れられ、ゲンドウと久々の再会を果たすシンジ。
ゲンドウはシンジに「エヴァに乗れ」と命令する。シンジは一度拒否するも、満身創痍の少女・綾波レイが代わりに乗せられそうになるのを見て、エヴァ初号機に乗ることを決意する。
使徒・サキエルとの初戦でシンジは意識を失うが、暴走した初号機がサキエルを倒す。その後ミサトと一緒に暮らし始め、シンジは第3新東京市の中学校に通い、鈴原トウジや相原ケンスケなどの友人と出会う。
レイはゲンドウの命令だけを聞き、最初はシンジに冷たい態度をとっていたが、使徒ラミエルを倒すための戦い「ヤシマ作戦」などで徐々にシンジにも心を開くようになっていく。
続く使徒との戦いの中でエヴァ弐号機のパイロット、惣流(新劇場版では「式波」)・アスカ・ラングレーも作戦に加わるようになる。アスカに同行していた加持リョウジは「アダム」と呼ばれる胎児のようもの(新劇場版では「ネブカドネザルの鍵」)をゲンドウに秘密裏に渡す。
使徒に乗っ取られた3号機のパイロット・トウジ(新劇場版ではアスカ)を、シンジは自分の意思とは裏腹に動かされた初号機で傷つけてしまう。ゲンドウ・NERVに怒りを覚え、シンジは町を離れる。
一方強力な使徒ゼルエルに(アスカの弐号機)、レイの零号機は惨敗。戻ったシンジは初めて自分の意志でエヴァに乗る。初号機は活動限界を迎えても動きゼルエルを圧倒、アダムや使徒のみに存在する永久機関「S2機関」を食べて取り込む。
(以下、TVアニメ、漫画版、旧劇場版)
精神攻撃を仕掛ける使徒・アラエルにアスカの弐号機は歯が立たない。アダムに刺されたロンギヌスの槍を引き抜くことをゲンドウはレイに命ずる。レイの投擲でアラエルは撃退されるが、ロンギヌスの槍は宇宙空間まで達し、月の衛星軌道に乗る。
「人類補完計画」に必要なロンギヌスの槍の紛失はゼーレの意に反するもので、ゼーレとゲンドウは対立を深める。
使徒アルミサエルとの戦いの中でレイはシンジを守るため零号機と爆発し消滅。しかしすぐにレイは姿を現し、シンジは驚く。リツコがミサトとシンジに語るには、10年前の実験で、シンジの母・碇ユイは初号機の中に溶けてしまった(魂はそのまま残った)。
サルベージ(救出)されたユイの体(レイ)には第2使徒「リリス」の魂が宿っていた。レイはリリスの魂を保存し続けるクローンだった。
疲弊していくシンジは渚カヲルという少年と出会う。二人は交流を深めるが、カヲルはセカンドインパクトにより誕生し、アダムの魂を持つ最後の17使徒・タブリスだった。ゼーレの命令でセントラルドグマ地下にあるアダムに接触しようとしたカヲルだったが、アダムが実は「リリス(の体)」であることに気づく。
どのみち消えるならば、自分で死を選びたいというカヲル。シンジは迷いながらも初号機でタブリスを倒す。
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』25話・26話(最終回)
カヲルを殺したことを後悔するシンジ。人類補完計画は進行していく。その中でのシンジの心の葛藤が描かれる(弐拾五話)。 今までの世界観とはまるで違う、日常風景。シンジは平和な家庭に暮らす。アスカは幼なじみで、レイが転入生としてやってくる。シンジは自分は自分でありここにいていいのだと悟り、それを皆が祝福して終わる(弐拾六話)。
旧劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に (The End of Evangelion)』
※旧劇場版は『Air』が「劇場版25話」、『まごころを、君に』が「劇場版26話」となっています。
カヲルを失ったゼーレは「S2機関」を吸収し神に近い存在となった初号機を使い、人類補完計画を起こそうとする。ゼーレは日本の「戦略自衛隊(戦自)」を利用し、ネルフ本部を急襲。対人類との訓練を受けていないネルフ職員は歯が立たない。
何もできず動けないシンジをミサトは初号機まで連れていき、戦自を巻き込み自爆。 アスカは弐号機に母の存在を感じ取り、覚醒。戦自を圧倒するが、ゼーレが送り出した量産型エヴァシリーズの前に弐号機は大破。その光景を見て激昂するシンジに呼応するように初号機は覚醒。しかしゼーレの命で量産エヴァに初号機は磔(はりつけ)にされる。
加持から渡されたアダムの体を取り込んだ(らしき)ゲンドウはリリスの魂・レイと融合しようとするが、レイは拒絶。アダムとともにリリスの体に還る。
人類補完計画が始まり、巨大なリリスの「アンチA.T.フィールド」が地球を包む。人々は自我の境界を失いL.C.Lという液体になっていく。他者の存在を受け入れるか、他者を拒絶して1つの存在に成るか。世界の命運はレイ(リリス)からシンジに託される。シンジは葛藤の末、他者といることを選ぶ。 人類補完計画は中断され、地球はL.C.Lの赤い海に染められる。確認できるのは包帯だらけのアスカとシンジのみだった。
キャラ設定・結末が大きく違う漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』のあらすじ
漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』は、元ガイナックスのアニメーターで、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターデザインなどを手掛けた貞本義行氏による作品。
漫画版の大筋はTVアニメ・旧劇場版と共通しつつも、キャラクター設定や一部の物語展開、エンディングに違いがあります。 TVアニメや旧劇場版のシンジは内に閉じこもりがち、内罰的(思いもよらないことがあったとき、自分が悪いと考える傾向)です。一方で漫画版のシンジはときに他者に歩みよる姿勢を見せ、アニメ版に比べると積極的に見えます。
レイ、アスカ、カヲル、ゲンドウなど主要人物の行動や設定にも違いが見られます。
全14巻で『エヴァ』の大筋を抑えられるため、初めての方は漫画版から読み進めるのも一つかもしれません。
漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』のあらすじ(ラスト)
※細かい違いはありますが、戦自によるNERVへの突入、ゼーレ・量産型エヴァによる初号機を中心にした儀式という展開まではアニメ版とほぼ共通しています。
人類補完計画が進む中、レイと対話するシンジ。シンジは他者がいることで苦しみが生まれることを理解しながら、それでも他者の存在を望む。 人類補完計画は中断され、レイは「あなたの願いは私の中にある」と伝え消える。シンジはユイとゲンドウに会い、ユイは「太陽や月のある限り見守っている」ゲンドウは「自分の足で地に立って歩け」と言う。
シンジが他者の存在を望んだことで、L.C.Lから人類社会は再構築されたようだった。人々はサードインパクトのことは覚えていないが、量産型エヴァのような巨人の遺跡が町には残る。シンジは友人に見送られ、高校受験のため電車に乗る。満員電車から降りられない少女の手を引くと、それはアスカだった。二人ともお互いのことは思い出せない(知らない)が、言葉を交わす。シンジは自分の道を自分の足で探していこうと誓う。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のあらすじ
2009年から始まった『新劇場版』は『序』『破』『Q』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の4作構成の予定。『序』『破』『Q』は物語展開の順番を表す「序破急」から来ています。
『序』はヤシマ作戦を描き、『破』の途中まで物語展開としてはアニメ・漫画版とほぼ共通。ただ使徒の数が違ったり、3号機に乗るのがトウジではなくアスカだったり、新キャラ真希波・マリ・イラストリアスが登場したりと違いは多くあります。
『破』の最後に搭乗したカヲルがシンジについて「『また』三番目」(エヴァの適格者・サードチルドレン)とつぶやくなど、旧劇場版と、もしくは新劇場版内での世界のループが示唆されています。
『Q』ではアニメ・漫画版とのリンクがない新しい展開になり、謎が深まりました。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で謎が解明されるのか、それともさらに深まるのか楽しみなところです。
※『序』は違いはあるもののアニメ・漫画版とほぼ共通しています。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のあらすじ
※アスカが搭乗する3号機が使徒に乗っ取られたあと、シンジがエヴァを降りてから
マリがアスカの代わりに弐号機に乗り、第10使徒と戦うも苦戦。零号機のレイが応戦し使徒を爆破するが効かず、使徒は零号機を捕食し始める。シンジは初号機に乗り戦うも活動限界を迎える。
「綾波を返せ」と叫ぶシンジに初号機が呼応、使徒を圧倒しコアに囚われたレイを救出するが、初号機に翼が生え、サードインパクトが始まってしまう。カヲルのエヴァ「マーク6」から宇宙より放たれた槍(カシウスの槍)でサードインパクトは途中で停止。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のあらすじ
カシウスの槍により一度はサードインパクトは一度は抑えられたものの(ニアサードインパクト)、最終的に(カヲルとマーク6がリリスと接触したためか)発生してしまう。 14年後、宇宙空間でアスカとマリがエヴァに乗り戦う。
シンジが初号機からサルベージされるが、ミサトたちの態度は冷たい。ミサトはシンジに爆弾付きの首輪「DSSチョーカー」を付けエヴァへの搭乗を禁ずる。 ミサトたちは「ヴィレ」という組織になり、ゲンドウたちNERVと戦っていた。初号機は宇宙戦艦ヴンダーのエンジンとして利用されていた。
アスカの生存を確認し安堵するシンジだったが、アスカやマリ、シンジたちは「エヴァの呪縛」により年を取らない体になっているという。 拒絶され混乱するシンジの前に、零号機に乗ったレイが現れる。ただレイは以前のレイとは違っていた。 レイの手引きでゲンドウに会うシンジ。
ゲンドウは建造中のエヴァ13号機が完成したらカヲルと二人で乗れと命ずる。カヲルはDSSチョーカーを外し自らの首に付け、セントラルドグマに残る2本の槍を使えばやり直せるという。 シンジとカヲルの13号機はセントラルドグマのリリスの骸に刺さる槍を発見する。
アスカとマリの弐号機はフォースインパクトを回避するため13号機を阻止しようとし、戦いになる。カヲルは「ロンギヌス」「カシウス」2種類の槍が必要なのに刺さっているのが同じ種類の2本の槍だと気がつく。
カヲルの制止を振り切りシンジが槍を抜くと、リリスの骸が崩れ、静止していたマーク6と第12使徒が動き出す。第12使徒を捕食して覚醒した13号機によりフォースインパクトが始まり世界が崩壊を始める。 ミサトの乗るヴンダーや弐号機が13号機を止めようとする。
弐号機はマーク6を止めるべく自爆。 カヲルは「魂が消えても願いと呪いは残る」とシンジに告げる。13号機は自らを槍で刺し、カヲルの「DSSチョーカー」は爆発してしまう。フォースインパクトは途中で終わったが、赤く染まった大地でアスカがシンジを救出。レイとともに三人で歩きだす。
『新世紀エヴァンゲリオン』ゼーレやゲンドウの目的を解説
『新世紀エヴァンゲリオン』は旧約聖書やカバラ、心理学・精神分析学、SFなどからの大量の引用と謎が散りばめられており、考察の楽しい作品です。しかし用語が多く一見しただけではストーリーが理解しにくいかもしれません。
ここでは、ゼーレやゲンドウ、それぞれの目的を解説してみます。
ゼーレの目的
ゼーレはとにかく人類補完計画を完遂させようとしています(新劇場版では「リリスとの契約」という呼び方も)。「補完」とは不十分なものを補って完全にすること。
約40億年前、地球に隕石が衝突した際、リリスの卵「黒き月」が、先にあったアダムの卵「白き月」を眠らせました(ファーストインパクト)。リリスはリリン(人間)を生み出します。増えすぎて戦争を繰り返すような人類にゼーレは贖罪が必要であるとし、サードインパクトによって人類を単一の生命として生まれ変わらせようとしているのです。
アダムとリリスの魂と体が元に戻るか融合し、「アンチA.T.フィールド」が展開できればサードインパクトは起こせるようです。使徒の意思でサードインパクトを起こすのはゼーレの思惑とは違うようで、そのためにNERVは使徒殲滅を命じられています。
ゼーレはもともとリリスをロンギヌスの槍で刺してサードインパクトを起こし、アダムの力で魂を白き月に返す予定と思われましたが失敗します(TV版・旧劇場版)。使徒アラエル戦でゲンドウがレイにロンギヌスの槍を使用させ、月の衛星軌道に乗せてしまったためです。ゲンドウは別の目的があるため、計画を遅延させようと妨害したのでした。ゼーレとゲンドウは対立を深めます。
ゼーレは代替手段としてアダムの魂を持つ使徒・タブリス(カヲル)をアダムもしくはリリスと接触させサードインパクトを引き起こそうとしますが、カヲルの翻意で失敗(漫画版のNERV・冬月コウゾウによれば起こしても不完全だった可能性があります)。
次にゼーレはS2機関を取り込み「神」に近づいた初号機を利用して人類補完計画を達成しようとします。ゲンドウやシンジの妨害はありながらも、最終的に人類補完計画は中途半端ながらも実現されました(漫画版・旧劇場版)。
ゲンドウの目的
ゲンドウはゼーレに従いNERVの長官としてエヴァをパイロットに動かさせ、使徒殲滅を進めます。同時に人類補完計画を進めているようにゼーレには見せながら、実際は自分の計画を進めていました(ゼーレへの態度の違いはありますが、新劇場版も同様)。
※冬月コウゾウ以外のNERVメンバーには「NERVの目的は使徒の殲滅とサードインパクトの阻止」と嘘を教えていました。
ゲンドウの計画とは、妻・碇ユイとの再会。ユイは実験の失敗(実際はユイの希望だった)によりエヴァ初号機に取り込まれてしまいます。サルベージ(救出)されて生まれたのが、綾波レイ。レイにはリリスの魂が宿っていましたが、ユイの魂は初号機に残りました。
ゲンドウはアダムの体を自身に取り込み、リリスの魂であるレイと一体化して「神」になろうとしましたが、レイに拒絶されて失敗。人類補完計画が進む中で、ユイのイメージと再会し、絶命しました。
サードインパクトの条件
サードインパクトはどんな条件で起きるのでしょうか? 大まかにいうとアダムとリリスの魂や体を融合させ「神」に近しい存在になると、ヒトの境界をなくすアンチA.T.フィールドが展開されるようです。
例を挙げるとゼーレやゲンドウの言動から、こういった条件でサードインパクトは起きるようです。
- アダムの体(使徒含む)とリリスの体の接触・融合
- アダムの魂(カヲル)とリリスの体の接触・融合
- アダムの体(ゲンドウ)とリリスの魂(レイ)の接触・融合
- アダム・リリスの完全復活(魂と体の融合)
ただ、アダムとリリスの魂・体は以下の表のように分離しています。そのため使徒がリリスへ接触しようとしたり、初号機やレイ、カヲルの存在がキーとなったりしています。
魂 | 体 | |
---|---|---|
アダム | →カヲルへ | アダムの卵 |
リリス | →レイへ | セントラルドグマ地下の巨人 |
使徒(人類・カヲル以外) | 使徒 | アダムと同等 |
初号機 | 碇ユイ | リリスのコピー |
綾波レイ | リリス | 碇ユイ |
渚カヲル | アダム | ヒト(リリン?) |
碇ゲンドウ | 碇ゲンドウ | 碇ゲンドウ→アダムと同化? |
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』について
『新劇場版』の4作目である『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は最後の作品と銘打たれているものの、今まで見てきたあらすじや設定を覆す展開になる可能性があり予想ができません。タイトルにある「:||」のマークは「曲の先頭に戻る」という楽譜の反復記号を思わせ、物語のループが繰り返されるようにも見えます。
一方で『シン・エヴァンゲリオン劇場版:序』などと「:(コロン)」が区切りとして使用されてきたのと同じと見ると、「||」マークは一転「終止記号」となるため、文字通り最後の作品となる可能性もあります。 公式では『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は「3.0+1.0」という表記があるため、『序』と『Q』を合わせ再編集したような展開であるとも考えられます。
現在公開されている「特報(予告編)」動画では、シンジ・アスカ・レイがフォースインパクトで赤く染まった街(駅)を歩いたり、アスカ・マリによるエヴァでの作戦風景が観られたりしますが、詳細は不明です。
『新世紀エヴァンゲリオン』がどんな終わりを迎えるのか、あるいは新たな始まりになるのか。いずれにせよ新しい物語への期待は高まるばかりです。