基本情報
今回紹介するアニメは「映画大好きポンポさん」です。
Introduction
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。
だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。
ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。
大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった!
ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。
©2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会 公式サイトより引用
スタッフ
- 原作 杉谷庄吾
- 監督・脚本 平尾隆之
- キャラクターデザイン 足立慎吾
- アニメーション制作 CLAP
キャスト
- ジーン (CV:清水尋也)
- ポンポさん(CV:小原好美)
- ナタリー (CV:大谷凜香)
- ミスティア(CV:加隈亜衣)
- マーティン(CV:大塚明夫)
- アラン (CV:木島隆一)
登場人物
感想1(このアニメの魅力とは?)
この映画は以前が私が紹介した下北沢トリウッドで見てきたのですが控えめに言って最高でした。「映画作りとは何か」と言う疑問に全て答えていた作品だと思います。監督、プロデュース、俳優など様々なクリエイターに焦点を当て、彼らの苦悩や思いなどが存分に詰め込まれていました。それを物凄いスピード感で目まぐるしく駆け抜けていくのですが、なぜかすんなり頭に入って感情移入できるんですよね。それは言葉の節々にその人の思いみたいなものが感じられたし、多くは語らず短い言葉でその人の心理描写を的確に表現していたからだと思います。そして、この内容とスピード感がマッチしていてとにかく良かった!。(上映時間が90分というのも何か秘密があったりして…)
この映画では映画の舞台裏みたいなところをたくさん見ることができます。例えば撮影の羊を見せるシーンでは迫力を出すためダミーの羊の絵を導入するのですが、ばれないようにカメラのアングルを調節したりします。よく見せるための工夫が施されているのだと思うと同時に自分たちが感情移入して見る作品はすべて作られたものであると実感しました。ですが、それに心を動かさるのはクリエイターたちの工夫のおかげなのです。ポンポさんがB級の映画を大人気にさせていることから映画作りはもちろん脚本なども大事だけど演出や編集によって面白くもつまらなくもなりえるというのがこの映画で一番感じたことですかね。だからこそ、次の段落でも紹介するのですが、編集のシーンで悪戦苦闘するシーンが多かったし、そこがこの作品の面白いところだと思うんですよね。
感想2(おすすめポイント&お気に入りのシーン)
この映画のおすすめポイントは編集の大事さがわかるということですね。述べ何十時間に及ぶシーンを切り取り上映時間以内に収めるというのは容易ではありません。ここのシーンで何を一番伝えたいのか本当にこの見せ方で合っているのかなど編集は映画の良し悪しを決める最後の砦だと感じました。そんな感じでジーンが悪戦苦闘を繰り広げながら自分の答えを見つけていくのです。何かを得るためには何かを犠牲にしなくてはならないという劇中でも出てきた言葉はもちろん映画の編集でも言えるのですが、ジーンやナタリーなどキャラクターにも、映画のコンセプトにも当てはまる複数の意味があるとわかったときは鳥肌が立ちましたね。そして、取捨選択は私達の日常にも当てはまるのでより共感することができたのかなと思います。
そして、その編集シーンの見せ方が私は特にお気に入りです。他のシーンとは違い別の空間にいて、自分たちが撮影したフィルムが画面いっぱいに流れてきて、それをジーンが大きなハサミで切り取って大事なシーン以外を切り落としていきます。ここはめちゃくちゃかっこよくてそこから追い打ちをかけるように挿入歌の「例えば」が流れてきて、演出の良さがゴリゴリ詰まったシーンでした。言葉で伝えてもあまり伝わらないと思うのでぜひ見てほしいですね。
最後に
今回は「映画大好きポンポさん」について紹介していきました。「SHIROBAKO」や「映像研には手を出すな!」のような映像作り系の作品が好きな人はドはまりすると思いますよ。劇中に出てくる歌もどれもいいので楽しみにしておいてくださいね!(私のお気に入りの歌はEDのCIELさんの「窓を開けて」です。)