基本情報
今回紹介する作品は「雨を告げる漂流団地」です。
Introduction
まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに
取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。
その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。
すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―©コロリド・ツインエンジンパートナーズ 公式サイトより引用
スタッフ
- 監督:石田祐康
- 脚本:森ハヤシ/石田祐康
- キャラクターデザイン:永江彰浩
- アニメーション制作:スタジオコロリド
キャスト
- 熊谷航祐 (CV:田村睦心)
- 兎内夏芽 (CV:瀬戸麻沙美)
- のっぽ (CV:村瀬歩)
- 橘譲 (CV:山下大輝)
- 小祝太志 (CV:小林由美子)
- 羽場令依菜(CV:水瀬いのり)
- 安藤珠里 (CV:花澤香菜)
登場人物
熊谷航祐(CV:田村睦心)
小学6年生。幼馴染の夏芽とは鴨の宮団地で姉弟のようにして育ったが、団地の取り壊しと祖父・安次の死をきっかけにケンカしてしまう。サッカークラブでは夏芽とツートップのフォワード。
兎内夏芽(CV:瀬戸麻沙美)
航佑と一緒に鴨の宮団地で育った幼馴染。航佑の祖父・安次のことを”やすじい”と呼び、本当の家族のように慕っていた。団地が取り壊されることを受けいれられずにいる。
のっぽ(CV:村瀬歩)
解体の進む鴨の宮団地に現れた少年。背丈が高いため夏芽から”のっぽ”くんと呼ばれる。
橘譲(CV:山下大輝)
航佑たちの同級生で、大柄の穏やかな少年。航佑、太志とともにいつも三人で遊んでいる。四人兄弟の長男のためか仲をとりなすことが多い。
小祝太志(CV:小林由美子)
航佑の同級生で、子犬のように動き回る遊び盛りの少年。時折遊び心が過ぎて、航佑、譲から呆れられることも。
羽場令依菜(CV:水瀬いのり)
航佑たちの同級生で、勝ち気な性格の少女。航佑のことが気になっており、いつもそばにいる夏芽によく噛み付いている。パパと遊園地に行くのが大好き。
安藤珠里(CV:花澤香菜)
航佑たちの同級生で、おっとりとした少女。令依菜とは幼少の頃からの親友で、危なっかしい令依菜を見守り支えることが癖になっている。
おすすめポイント
映画館で見てきましたが面白かったです。Netflixでも放送されていますが音楽や水の美しさなど臨場感を感じるので劇場で見るのが良いと思います。おすすめポイントは懐かしさを感じさせるシーンと少年少女たちの成長が見れたところですね。
1つ目の懐かしさを感じたのは舞台が”団地”であることや他にも旧型のカメラやブタメンを食べるシーンなどは昔を連想させるシーンが多かったように感じたからです。
今は存在しないけど昔よく行っていた場所みたいなものが皆さんの中にもあると思いますがそれがこの作品の中では団地という形になっています。今はもう存在しないものを人ではなく建物に焦点を当てているのがありそうでなかったのと建物の方が共通理解があるのかなと感じました。
そんなこんなで見ていると私は小学生のときによく遊んでいた空き地が駐車場に変わって落ち込んでいたのを思い出しました。この作品はどの層にもおすすめできますがそういった子供時代の懐かしさを感じれる作品だと思うので大人により刺さるかもしれません。
懐かしさを感じると言いましたが子供ながらスマホやSwitchを持っていたりと話の節々に現代の要素があり、今と過去を同時に感じられるシーンも個人的に良かったです。
2つ目の少年少女たちの成長というのは言葉の通りですがどんどん状況が悪くなっていく中でぶつかりあいながら7人が一つの目標に向かって成長していくのも良かったです。
海に流された団地の中で生きるために知恵を振り絞って進んでいく様子はワクワクドキドキの冒険譚というような感じでした。時には体を張って全員で助け合って生還を目指す様子は思わずグッと来るものがありました。ターザンロープで他の団地に映るシーンは迫力があっておすすめです。
その他にも小学校高学年にありがちな素直になれないところとかはすごい共感できてこういった部分も1つ目の懐かしさを感じる部分かと思います。(それにしても令依菜の何でもキレるところはちょっとどうかと思いましたが笑)
逆に残念だったところは長く感じてしまったところですね。中盤の冒険のところはスリルこそあったものの少しワンパターンで中だるみのような時間があった気がしました。
もう一つは過去の深掘り不足です。航佑と夏芽にとってのおじいちゃんである”やすじい”の過去話が薄いように感じたのと令依菜がよく遊んでいた遊園地で出てきた女の人はなんの説明もなく突然出てきたので少し感情移入がしづらかったです。
この作品から特に人にしても建物にしても大事なものが目の前から無くなっても自分の胸の中に思い出として残っていてその気持ちを大切にすればいいというようなメッセージを感じました。
この部分は漂流団地の結末にも繋がる部分で夏芽の団地に対して答えを出すシーンにも直結していたところだったので強く印象に残っています。
団地を通じて再びお互いに成長できた航佑と夏芽ならもうなにも心配いりませんね。
最後に
今回は「雨を告げる漂流団地」について紹介してきました。
現在絶賛上映中(2022年9月28日現在)でNetflixでも放送中ですが大迫力の冒険で美しい水の描写や臨場感ある音楽を楽しみたい方は映画での視聴をおすすめします!
小学生たちによる真夏の大冒険をぜひ見届けてください!
「雨を告げる漂流団地」はこんな人におすすめ!
- ワクワクドキドキの冒険譚が見たい人
- アニメを見て懐かしい気分を感じたい人
- 少年少女たちの成長を感じれる作品を見たい人
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この作品を手掛けるアニメーション制作会社のスタジオコロリドさんは「ペンギン・ハイウェイ」やNetflixで配信された「泣きたい私は猫をかぶる」を制作しており今回長編アニメーションの第3弾となります。
全作品ともに青春要素にファンタジーを盛り込んだ作品が特徴的です。長編アニメーションを主戦場としながらテレビではなく配信プラットフォームでの放送を中心にしていたりと今のアニメ業界でも最先端な制作会社ですね。
監督の石田祐康さんは「ペンギン・ハイウェイ」に続いて2作品目の監督作品となります。