新たなる冒険が広がる『龍が如く7』のPS4版に挑戦し、そのプレイ体験をお届けします。シリーズのファンであればおなじみの神室町を舞台に、プレイヤーは主人公として川崎龍が繰り広げるドラマに引き込まれます。この記事では、特に注目すべき点であるリアルな街並みとアクションの迫力に焦点を当て、どのようにプレイヤーを引き込むかに迫ります。
神室町の街並みは、細部までこだわり抜かれ、リアリティ溢れる雰囲気を醸し出しています。歩くたびに感じる日常の息吹と、賑やかな街の雰囲気がプレイヤーを没入感豊かな世界に誘います。また、アクションシーンでは新たな要素が加わり、その迫力は前作を上回るものとなっています。バトルの爽快感やスリリングな瞬間を通して、物語に一層の臨場感を与えてくれます。
この記事では、リアルな街並みがもたらす没入感とアクションの魅力を掘り下げ、プレイヤーとしての体験から感じた興奮や感動を共有します。『龍が如く7』のPS4版は、シリーズの伝統を受け継ぎつつも、進化し続ける姿勢を感じさせる一作となっています。どのようにしてゲームが進化しているのか、お楽しみにしていただければと思います。
龍が如く7:見どころ
国産ゲーム最高峰
「龍が如く」とは、巨大歓楽街に生きる男の生き様をドラマティックに描くシリーズ。
「大人向けのエンタテインメント作品」をコンセプトにして、アダルトなネタを盛り込んだアクションアドベンチャーゲームです。
前作「6」から3年。「極2」「JUDGE EYES」で技術を熟成させた後、2020年1月16日に発売された待望のナンバリング作品が「7」です。
主な特徴は次の3つ。
・主人公が桐生一馬から新キャラ・春日一番になった
・戦闘システムがアクションからRPGコマンド選択になった
・完全新マップ「横浜・伊勢佐木異人町」
シナリオは、春日の「どん底からの成り上がり」を描きます。
18年間ブチ込まれた後に破門同然、あげく尊敬する相手に撃たれる春日の不遇は桐生以上。
40歳ホームレス、無一文、身内と実家無し。
このどん底からどうやって這い上がるのかが見どころです。
作り込みとスケールは間違いなく、国産ゲーム最高峰です。
これだけの技術・リソース力を感じる国産ゲームは他にありません。
「極」以来、シリーズから遠ざかっていた私は進化に驚きました。
コンビニや薬局などの店は全てロード無しのシームレスで出入り可能。
特に驚いたのは、道路を移動できる点。
車道を渡れない、シリーズ最大の違和感が解消されました。
車がリアルな交通量でビュンビュン走っており、轢かれると大ダメージを受けます。
全ての地形が戦闘に反映されるのも凄い。戦闘中も車に轢かれます。
街をウロウロするだけで「海外産オープンワールドと張り合えるゲームを作ってくれた!」と感動しました。
戦闘
賛否両論のコマンド戦闘。
私は楽しめました。
というのも私は元々、本シリーズの戦闘が良いと思っていないので。
PS2の初代を引き継ぐアクション戦闘は、いくらシリーズを重ねて見た目やシステムが進化しても基本はPS2水準だと感じます。
全体的に作りが安い。
やることといえば、
・ザコを連打でボコる
・引き画面で迫力の無い集団戦
・やたら鉄壁ガードのボスにカウンターを合わせる
ぐらい。単調です。
コンビニや薬局で買い込んだ回復アイテムゴリ押しでどうにでもなるのでやり甲斐もありません。
それに比べたらコマンド戦闘の方がマシというか。
じっくり戦いを進める面白味があるし、パーティー編成や育成の見返りが明確なのが嬉しいです。
(戦闘の難点は後述します。)
ストーリー
ストーリーは仲間の存在が特徴的です。
新主人公・春日と仲間はみんな嫌味の無い良キャラ。
パーティーで戦う戦闘システムを反映するように仲良しな、仲間達との絆が熱く描かれます。
全体的にはシリーズおなじみの流れ。
国家権力が黒幕で、終盤はファンタジーなご都合主義。
一方、2019年の社会情勢を反映した描写がリアルです。
例えば、
・マスコミを活用したふんわり人気だけで当選し、政治家以上の力を持つ都知事
・声が大きい活動家と、それを応援するマスコミによる夜の仕事イジメ
・暴対法により政治家の下請けになりつつあるヤクザ
シリーズならではのファンタジーと、現実のリアルが妙に融合しています。
・仲間との絆
・社会情勢のリアリティ
を盛り込んだ本作のストーリーは非常に評価が高く、シリーズ最高傑作と呼び声の高い「0」に匹敵する出来だと言われています。
龍が如く7:難点
戦闘のテンポが悪い
戦闘のテンポが悪すぎるのが本作最大の難点です。
レトロゲームを含めて、こんなにテンポの悪いコマンド戦闘は初めて。
「カメラ移動→キャラ移動→もっさり行動」の3連コンボで、何をするにも異様に間をとります。
なのに、
・モーションカット
・早送り
・同時行動
は不可。
何度も何度も、いちいち長いモーションを一人一人じっくり観せられます。
敵が多数だと1ターンにつき1分間、画面をボーっと眺めるハメに。
速攻で倒そうにも、まともな範囲攻撃を持つのは後半まで春日だけ。ザコ処理にいちいち時間がかかります。
・後半まで稼ぎ作業が必要ない
・ザコ戦の見返りが少ない
よってザコ戦の機会が少ないのが救い。
・モーションカット
・早送り
・同時行動
このどれか1つだけでも可能ならめちゃ快適だったはず。
そんなことは開発側も百も承知だと思います。
可能にできなかったのは、
・プレイ時間が半分以下になる=プレイ時間稼ぎ
・地形が絡む物理演算が凝っているため早送りできない=技術的都合
この辺りが理由でしょう。
底辺さが身に染みる
ド底辺から逆転を狙うシナリオ。
キャラ・テーマ・ノリを変えて、シリーズのマンネリ打破に成功しました。
ただ私のようにガチ底辺な人間がプレイすると、春日達の底辺っぷりが自分と被ってツラいです。
ハローワーク女性職員のちょっと引いた対応など、身に染みる描写が多くてヘコむ。
パーティーを組んでそっち系の人をなぎ倒して成り上がりなんて現実ではできません。
ショベルカーや鉄球クレーン車と戦うことも無いでしょう。
色んな職業や経営で大成功するのもまあムリです。
春日はやりたい放題できるけど現実の俺は何もできない…
ファンタジーとリアルのギャップでなおツラくなります。
リアル底辺で心に余裕が無い方はこのゲーム、要注意です。
ドラクエ好きな描写が無い
春日は敵がモンスターに見えてしまうほどドラクエに頭をやられています。
なのに、ゲーム好きな描写が皆無。
「ドラクエで育った」と言うだけでゲームへの愛着を何も示さない春日には違和感があります。
特に、実際に妄想が見えてしまう※ようなプレイヤーは。
※私はこんな経験をしました。
・「サクラ大戦3」の世界に浸りすぎて現実の現実感が無くなる
・「エースコンバット」プレイ後に壁紙に戦闘機が見える
・現実の街をFPSだと想定して位置取りしながら歩く
消費者金融で借金してファミコンとテレビを買い、ドラクエを徹夜でプレイして仲間に「お前こんなときになにやってんだよ!」と怒られるような描写が欲しいです。
そもそもドラクエ好き設定自体、必要なかったのではないかと。
メインシナリオと関係ないし、ドラクエ好きだから何かが上手くいくわけでも無い。
敵は妄想で多少姿が変わっても、結局はただのヤクザや変態や重機です。
ドラクエ要素を盛り込むとシナリオがブレるから開発途中で切られて設定だけ残った感があります。
サブスト&ミニゲームゲー
コマンド戦闘になってもこのシリーズ、結局はサブスト&ミニゲームゲーです。
ザコ狩りで得られる経験値とお金なんぞでは強くなれません。戦闘以外で稼ぐ必要があります。
攻略サイトとにらめっこしながらサブストをこなし、ときに退屈で難解なミニゲームを繰り返す作業。
特に「サカつく」みたいな会社経営は、金策と仲間加入に必須です。
サブストをこなして人材を集め、資金運営、人員配置、株主総会ミニゲーム…労力が尋常ではない。
まずシステムが難解で、チュートリアル的説明を聞いてもさっぱりわかりませんでした。
それでもやらなきゃいけない。やらないと9章あたりで詰む。
過去作ではサブストやミニゲームを無視しても、リトライや回復アイテムゴリ押しでクリアできました。
本作は基礎ステータスや装備が弱いと話にならないのでゴリ押しできません。
そのため、今まではクリア後のお楽しみだったサブスト&ミニゲームが必須になりました。
過去作のノリで、サクッと蹴散らしてクリアしたい方は後半で投げたくなるかもしれません。
総括:『龍が如く7』 PS4版プレイ体験の真髄
『龍が如く7』のPS4版は、神室町のリアルな街並みと迫力満点のアクションが織りなす、圧倒的なゲーム体験を提供しています。街を歩けば日常の息吹を感じ、戦闘では新たな要素が加わり、これまで以上の臨場感を楽しむことができます。
リアリティに満ちた神室町の街並みは、細部にわたるこだわりが光り、プレイヤーを没入感豊かな世界に引き込みます。賑やかな雑踏や街の活気が、物語の舞台となる都市を一層魅力的に演出しています。
一方で、アクションシーンでは新たな要素が導入され、バトルの迫力は前作を超えるものとなっています。戦闘の爽快感とスリリングな瞬間は、プレイヤーに強烈な興奮をもたらし、物語の緊張感を一段と高めています。
『龍が如く7』 PS4版は、シリーズの伝統を引き継ぎつつも進化し続ける姿勢を感じさせる一作です。その新たなる冒険と魅力的なキャラクターたちとの出会いは、ファンにとっても新規プレイヤーにとっても楽しむ価値があることは間違いありません。臨場感あふれる神室町での冒険に身を投じ、物語に引き込まれること間違いなしの一作と言えるでしょう。
<前作はこちら↓↓>